ト ル コ の E U 加 盟 が も た ら す 利 点 |
他方、トルコのEU加盟は以下の点で優れている 。
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外交・安全保障能力の強化
地理的に巨大で、また、アジア、地中海、バルカン半島周辺において軍事力を誇っているトルコを統合することによって、国際舞台におけるEUの発言・交渉力が増す。なお、安全保障の観点から、米国はトルコのEU加盟を支持している。
懐疑的な見解
すでに NATO の一員であるトルコは、アメリカ寄りというよりは、ヨーロッパの視点に立っている。2003年春、米国は、イラク戦争に備えるため、トルコに軍隊を駐留させることを計画していたが、トルコ国会の反対にあい実現しなかった。アラブ社会では、超大国に No と言える国があるのかという驚きの念で捉えられている。 |
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キプロス問題の解決、バルカン半島や中東における和平の実現
トルコは、イスラエルと国交を有する数少ないイスラム教国の一つであるため、仲介役を期待しうる。
懐疑的な見解
EU加盟は、トルコ自身の民主化ないし非軍事化、また、人権保護の促進にも貢献しうると解される 。 |
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異教徒間の交流の促進
トルコの国政や社会生活に対するイスラム教の影響は小さくなっているが、トルコに門戸を開くことで、EUの反閉鎖的な態度が示され、キリスト教徒とイスラム教徒の交流を促進することにもなる。2004年5月の 東方拡大 によって、東西ヨーロッパの再統一が達成された現在、次なる課題は、キリスト教国とイスラム教国の統合であるとする見方もある。 |
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石油資源の確保、貿易の拡大
トルコのEU加盟により、イラクやイランはEUの隣接国になり、石油を初めとするエネルギー資源の調達が容易になる。また、トルコを介在することにより、現在停滞している EU・第3国間の貿易を活性化させることができる。 |
トルコがEU加盟を望む理由
あるアンケートによると、トルコ国民の73%以上は、EU加盟に賛成しているとされるが(その一方で、EUが加盟を承認するであろうと考えている回答者は半数に過ぎない)、その大きな理由は以下の通りである。
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EU内への移動や、EU内での労働の自由化 もっとも、2004年5月に加盟した東欧諸国からの労働者の移動には、7年間の経過措置が認められており、EU加盟は直ちに労働市場の開放を意味するわけではない。 |
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EUによる経済援助
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外国人による投資の増加
その112に続く 以上
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