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2010年8月10日 (火)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その94[欧州連合における(民主主義の赤字)と(マルチレベル・ガバナンス)⑨」

他方、こうした伝統的な民主主義理論に代わるものとして、あるいはこれを補完するものとして、現在EU において認められるようなマルチレベルの「代表」や「認知」に即した民主主義理論が盛んに論じられようとしている。それぞれの議論はまだ十分に成熟したものと
は言えず、ここで系統的な紹介をすることは控えるが、多くの議論の出発点として注目されているのが、ドイツの社会学者ユルゲン・ハーバーマスによる「公共性(Öffentlichkeit)」についての理論である(Banchoff and Smith, p. 5)。

ハーバーマスが1961 年に著した『公共性の構造転換』は、近代社会の成立を歴史的に検討したものであり直接EU を研究対象としたものではないが、市民の間における自由な「公論」(独: Diskurs)の発生がヨーロッパ近代国家成立に際して果たした役割を重視している(Habermas 1990, S. 38–40)。ハーバーマスは後には現代国家の民主的合法性についても、「公論」がもたらす「コミュニケーション行為」を、民族や文化といった「儀礼的」で「神聖なる」紐帯より重視する(Habermas 1995, pp. 259–264)。

即ち「社会的統合の機能と表自的な機能は、最初は儀礼の執行によって果たされるが、後にはコミュニケイション的行為へと移っていき、その際、神聖なる者の権威が、その都度基礎付けられているとみなされた合意の権威によって順次とって代わられていく」(ハーバーマス、岩倉他訳『コミュニケイション的行為の理論 中』、302頁)。そして「近代国家の発達は、国家が正統化の聖なる基礎から、政治的公共性においてコミュニケイション的に形成され、討議によって明確にされる共通意思という基礎へと自らを切り替える、ということによって特徴付けられる」(同、308 頁)。

本論で論じているEU の合法性に即してこの理論を解釈するなら、民主主義は必ずしも歴史的文化的アイデンティティーによって結びついた政治的共同体の存在をアプリオリに必
要とはしない点が注目される。むしろ断片的であれ、市民の間の「公論」によって次第に公共的空間が拡大され「認知」されていくプロセスこそが政治体の民主的合法性に結びつくものである。こうした「公論」に基づく民主化論が、国家の枠にとらわれない「代表」と「認知」によってマルチレベル化しつつあるEU の新たな民主化論として注目を集めており、本論で既にふれた「超国家主義(Supranationalism)」や「国家間主義(Internationalism)」と並んで「下部国家主義(Infranationalism)」といった呼び名も一部で囁かれ出した(Weiler, 1997b, p. 277)。

筆者は、マルチレベル化したEU における断片的な「代表」と「認知」の拡充のみでEU の民主的合法性が保障され得るかのごとき安易な主張に与するものではない(Banchoff and Smith, pp. 212–219)。マルチレベル・ガバナンスにおいて「代表」される利害は未だ一部の組織の自己利害(self-interest) に限られており、マルチレベル・ガバナンスによる意思決定のルールそのものが明確となっているわけではない。したがってEUの運営が一部の圧力団体によって左右され、却ってEU 運営の「不透明化」を招くとの指摘がある(Weiler,
1997b, p. 284, 押村, 75 頁)。

更にマルチレベル化した「代表」によるネットワークの要所にEU 法や欧州政策を最終的に起草し提案する権限を独占する欧州委員会が介在しているため、EU の意思決定のマルチレベル化は却って委員会の情報及び政治的リーダーシップの独占に結びつくとの指摘すらされている(Beetham and Lord, p. 66)。しかし一元的な「代表」と「認知」を前提とする従来の議会制民主主義を「補完する」民主主義理論の芽生えが、民主的合法性の不足に悩むEU にとって有力な理論となる可能性は大いに考えられよう。

しかしこの「ポスト議会主義(post-parliamentary)」の理論は民主的合法性を補強こそすれ、議会制民主主義を侵食するような理論であってはならないことは言うまでもない(Andersen and Burns, pp. 250–251, Andersen and Eliassen, p. 267)。
かつてよりヨーロッパは日本のみならず世界に対して、様々なロールモデルとなってきた。民主主義の思想、運動、体制はいずれもヨーロッパに端を発するものであり、自由主義経済の思想や体制も同じくヨーロッパから起こってきた。又、戦後いち早く展開されてきたヨーロッパ地域統合の実験は、NAFTA,ASEAN,APEC など、他地域における実験のさきがけとなってきた。世界の趨勢がグローバル化を柱とした政治・経済分野の地域統合へと向かっている中、欧州民主主義の新たな実験についてあらかじめ理解を深めておくことは、今後の我々の将来にとって大いに益あるものと考える。

      その95に続く「全労働 世界の労働者のたたかい/EU(欧州連合)」                以上

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