「平成の船中八策」を実現する市民の会、その145[欧州連合における(トルコのEU加盟問題39)」
キプロス問題の解決 実らず |
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2005年7月、トルコは関税同盟の拡大に関する 議定書(いわゆる、アンカラ議定書)に署名したが、 キプロスからの船舶や航空機の乗り入れを認 めておらず、同議定書を誠実に履行していない と批判されている。2006年12月末までに、トルコ が国際法上の義務を遵守しないときは、EU加盟 交渉の中断もありうると推測されるが、トルコ は軟化せず、事態が緊迫している。 2006年下半期は、特に、EU理事会議長国 フィンランド の主導下で交渉が進められてき たが、11月27日、同国の Erkki Tuomioja 外相は、新たな試みも失敗に終わったため、 12月末までに キプロス問題 の解決で合意 がまとまることはないであろうと述べた。 また、特定はしなかったものの、トルコとの 加盟交渉に何らかの影響を及ぼすであろう と語った。トルコのAbdullah Gül 外相と キプロスの Georgios Lillikas は、EU・ 地中海諸国会議(Euromed、11月27- 28日)に出席するため、フィンランドの タンペレ(Tampere)を訪問している 。 議長国の交渉が功を奏さなかったため 、今度は欧州委員会の見解(提案)が 待たれることになったが、その影響の 大きさを考慮すると、決断は容易では ないと解される。なお、11月8日、 委員会は議長国の外交交渉がまだ 進行していることなどを考慮し、最終 判断を示していない。委員会は12月 6日に見解を表明する予定である (New 欧州委員会、加盟交渉の一 部延期を提案)。また、これを受け、 12月11日にはブリュッセルでEU加盟 国外相会議(EU理事会)が開催され、 同14-15日の加盟国首脳会議(欧州 理事会)の準備にあたる予定である。 フィンランドの Tuomioja 外相は、 トルコは11日までに態度を改めるべき であるとしているが、これがなされない とすれば、議事運営上、自らも窮地 に追いやられることになる。同外相は、 12月の欧州理事会が「トルコ会議」 になることを牽制している。
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