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« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月に作成された記事

2010年9月30日 (木)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その145[欧州連合における(トルコのEU加盟問題39)」

キプロス問題の解決

フィンランドの外交交渉、

実らず

トルコ国旗

 2005年7月、トルコは関税同盟の拡大に関する

議定書(いわゆる、アンカラ議定書)に署名したが、

キプロスからの船舶や航空機の乗り入れを認

めておらず、同議定書を誠実に履行していない

と批判されている。2006年12月末までに、トルコ

が国際法上の義務を遵守しないときは、EU加盟

交渉の中断もありうると推測されるが、トルコ

は軟化せず、事態が緊迫している。

 2006年下半期は、特に、EU理事会議長国

フィンランド の主導下で交渉が進められてき

たが、11月27日、同国の Erkki Tuomioja

外相は、新たな試みも失敗に終わったため、

12月末までに キプロス問題 の解決で合意

がまとまることはないであろうと述べた。

また、特定はしなかったものの、トルコとの

加盟交渉に何らかの影響を及ぼすであろう

と語った。トルコのAbdullah Gül 外相と

キプロスの Georgios Lillikas は、EU・

地中海諸国会議(Euromed、11月27-

28日)に出席するため、フィンランドの

タンペレ(Tampere)を訪問している

 議長国の交渉が功を奏さなかったため

、今度は欧州委員会の見解(提案)が

待たれることになったが、その影響の

大きさを考慮すると、決断は容易では

ないと解される。なお、11月8日、

委員会は議長国の外交交渉がまだ

進行していることなどを考慮し、最終

判断を示していない。委員会は12月

6日に見解を表明する予定である

New 欧州委員会、加盟交渉の一

部延期を提案)。また、これを受け、

12月11日にはブリュッセルでEU加盟

国外相会議(EU理事会)が開催され、

同14-15日の加盟国首脳会議(欧州

理事会)の準備にあたる予定である。

フィンランドの Tuomioja 外相は

トルコは11日までに態度を改めるべき

であるとしているが、これがなされない

とすれば、議事運営上、自らも窮地

に追いやられることになる。同外相は、

12月の欧州理事会が「トルコ会議」

になることを牽制している。

(参照) 

FAZ v. 27. November 2006

(Verhandlungen der EU mit

Ankara über Zypern gescheitert)

Der Standard v. 27. November 2006

(Türkischer Außenminister

begann Gespräche zu Zypern-Frage )
 

Die Presse v. 27. November 2006

(EU-Türkei: Keine Lösung im Zypern-Konflikt)

 

欧州委員会の報告書(2006年) 

トルコのEU加盟問題、ドイツの連立政権を二分 

欧州委員会、加盟交渉の一部延期を提案 

トルコのEU加盟問題 

バイエルン州の Stoiber 首相、加盟交渉の

凍結を訴える

トルコのEU加盟問題、

ドイツの大連立政権を

二分

 2006年11月8日、欧州委員会は、トルコのEU

加盟に関する報告書を公表したが、その直前、

ドイツ・バイエルン州の Stoiber 首相(与党CSU

の党首)は、トルコとの加盟交渉を凍結すべきと

発言し、波紋を広げている。11月7日付けの

Die Welt 紙 によれば、Stoiber 氏は、トルコが

アンカラ議定書 を誠実に履行しておらず、また、

欧州委員会がネガティブな評価をしていること

を考慮すると、加盟交渉の凍結はやむをえな

いとしている。また、ヨーロッパに属さないトル

コはEUに加盟しえず、強力な近隣関係を構築

すべきであると述べている。

 保守系政党である CDU(キリスト教民主

同盟)と CSU(キリスト教社会同盟)は、

かねてより、トルコのEU加盟に異議を述べ

ており、この立場は今日でも変わっていない。

Stoiber 首相は、保守色の強い南ドイツ・

バイエルン州を活動拠点とする CSU の

党首であるだけに、その発言は驚くに

値しないが、両党と連立政権を組む SPD

(ドイツ社会民主党)は、トルコのEU加盟

は、トルコだけではなく、EUにとっても

大きなプラスとなるとし、従来どおり、

その加盟を支持している。また、加盟

交渉は始まったばかりで、結論(トルコ

の加盟実現)がすでに決まっているわけ

ではないとし、連立政党党首の発言に

反発している。

 2005年秋に発足したドイツの大連立

政権は、トルコのEU加盟問題だけでは

なく、国内問題でも足並みを乱している

が、前者に関し、Merkel 首相 は、

CDU・CSU と SPD の調整役を担わ

されるようになっている。CDU の党首

としては、従来どおり、トルコのEU加盟

に反対しているが、ドイツ首相としては、

トルコとの合意を守るべきであるとし、

早急な判断を避け、トルコが自発的に

アンカラ議定書 を批准・履行するのを

見守っている。

 トルコとの加盟交渉について、EU加

盟国政府は、12月中旬の欧州理事会で

決定する予定であり、それまでに欧州委

員会は提案を行うとされている。オー

ストリアの日刊紙 Die Presse は、12月

6日に委員会の見解が示されると報じて

いるが、これを受け加盟国外相会議

(EU理事会)は12月11日に開催され、

14・15日の欧州理事会に備えること

になる。なお、フィンランドの Tuomioja

外相は、12月の欧州理事会が「トルコ

会議」になることを牽制している。

(参照) 

Die Welt v. 7. November 2006

(Stoiber: EU soll Verhandlungen

über Beitritt einfrieren)

Die Presse v. 8. November 2006

(Türkei spaltet deutsche Koalition)

 

Merkel 首相、CDU党首としては、トルコのEU加盟に消極的

その146に続く                       以上



2010年9月29日 (水)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その144[欧州連合における(トルコのEU加盟問題38)」

トルコのEU加盟問題

2006年版 報告書

欧州委員会、制度改革の

大幅な遅れを批判

 EU加盟を希望する第3国の状況(EU加盟に

必要な制度改革の状況)について、欧州委員

会は毎年、報告書を公表しているが、2006年

11月8日、2006年度版が発表された。

 かねてより注目されているのは、トルコに

関する評価であるが、委員会は、オンブズ

マン制度の導入やジプシーの定住権に関する

法律の制定など制度改革に向けたトルコの

取り組みを確認する一方で、この1年間、

その進捗状況は緩慢になっており、

多くの分野で遅れが目立つと批判している。

特に、問題視されているのは、

キプロス問題 の解決ないし アンカラ議定書

の実施であるが、欧州委員会は2006年末

までに完全に履行するよう要請している。

同議定書は、従来のEU加盟15ヶ国と

トルコとの間に設けられていた関税同盟を、

新EU加盟10ヶ国に拡大することを目的

として締結されているが、それに基づき、

トルコは、キプロス(新EU加盟国)からの

船舶や航空機の乗り入れ禁止を解除し

なければならない。もっとも、トルコは、

北キプロス(トルコ系キプロス)の

安全保障ないし キプロス問題 の未解決

を理由に、これをまだ実施していない。

そもそも、トルコとの加盟交渉は、

この議定書の締結を受け開始されており、

加盟交渉の進展にも重大に関わる案件

である。従来より、EU側は、

2006年末までの実施を再三、訴え、

その要請が満たされない場合は、加盟

交渉の中断もありうるとしている。

この点について、欧州委員会は、11月

8日に発表された報告書において、

最終的な見解を示しておらず、

12月14・15日開催の欧州理事会開催

まで外交交渉を進めるものとしている。

そして、同理事会開催までに事態が改善

されないときは、理事会に対策

(制裁)を提案するとし、トルコに圧力を

加えている。「委員会は5週間の猶予

期間をトルコに与えた」と分析するメディア

が多いが、まだ具体策を提案して

いない理由について、Rehn 欧州委員

(EU拡大政策担当)は、母国フィンランド

キプロス問題 の解決に向けた交渉を

進めているだけではなく、適切な時期を

検討した結果である

と述べている。なお、報告書の中で、

欧州委員会は、EU加盟の展望がトルコ

の制度改革を推し進める重要な要因

になることを強調し、EUへの門戸を完全

にシャットアウトしていない。また、

来年度度以降も、トルコの加盟準備

作業を財政的に支えるべきとされて

いる。2005年10月に開始されたトルコ

とのEU加盟交渉を中断するには、

全EU加盟国の賛成が必要になる。

 報告書において、欧州委員会は、

さらに、軍隊に対するシビリアン・

コントロール、表現と宗教上の自由の

保障、女性、労働組合、少数派の権利

の保護の点において、徹底した改革

が必要であると指摘されている。

 委員会の報告書を受け、トルコの

Gül 外相は、民主化を徹底して進める

と述べたとされる。

他方、アンカラ議定書の履行については、

依然として消極的であると解される。

近時、Erdogan首相は、北キプロスの

孤立が解消されない限り、船舶や

航空機の乗り入れを認めるわけには

いかないとする従来の立場

を繰り返し主張している。


 委員会は、トルコの他に、クロアチア

とマケドニアの加盟候補国、また、

将来、加盟候補国となりうる旧ユーゴ

スラビア構成諸国の制度改革状況に

ついて報告書を発表している。

さらに、2006~2007年間のEU拡大戦略や

EUの受入能力について分析している。

(参照) 

欧州委員会の公式サイト

Enlargement Strategy and Progress Reports 2006

Die Vertretung der Europäischen

Kommission in Deutschland

(EU-Kommission veröffentlicht

Erweiterungsstrategie und Fortschrittsberichte)

Der Standard v. 8. November 2006

(Fünf Wochen Schonfrist für Ankara)

Der Standard v. 8. November 2006

(Erdogan: Öffnung der Häfen "nicht realistisch")


トルコのEU加盟問題 


フィンランドの外交交渉決裂
New

欧州委員会、交渉の一部延期を提案 New

      その145に続く                          以上

2010年9月28日 (火)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その143[欧州連合における(トルコのEU加盟問題37)」

トルコと欧州統合」
 トルコは領土の大部分がアジアにまたがっているだけではなく、伝統的にイスラム文化圏に属することから、ヨーロッパへの帰属性が問われることも少なくない。しかし、約600年以上続いたオスマントルコ帝国(1299~1922年)が滅亡し、1923年にトルコ共和国が成立すると、初代大統領 Kemal Atatürk (ケマル・アタテュルク)の指導の下、新共和国は、西欧文明を積極的に取り入れ、諸制度の近代化を目指すようになる。


 トルコとECの結びつきは、EC(EEC)設立の初期の段階から開始されている。1958年1月1日、EECが発足すると、翌年の7月31日、アンカラ政府は、EECに連合協定の締結を申請した。もっとも、1960年、トルコ軍によるクーデターが生じたため、交渉の進展は遅れ、協定が締結されたのは、1963年9月のことであった。その中では、トルコが協定上の義務を適切に遵守する場合には、EC加盟について検討されるべきであると定められており、トルコのEC(EU)加盟の基盤となっている。確かに、これは、加盟の実現を約束するものではないが、トルコに大きな期待を抱かせる要因になった。なお、度重なるクーデターや(1971年、1980年)や、特に、1974年のキプロス占領 は、統合への道のりを険しくした。

 1987年4月14日、Turgut Özal 政権は、EC加盟を正式に申請したが、欧州委員会は、39ヶ月後の1989年12月になって、ようやく否定的な見解を示した。これは、ECは域内市場の完成に専念すべきであるとの理由に基づいていた(単一欧州議定書)。また、EC(EU)加盟には、全加盟国の同意が必要であるが、キプロス問題 を背景に、ギリシャが強く異議を述べていたことも、トルコの加盟を阻んだ。

 しかし、1989年に東西冷戦が終了し、中東欧諸国のEC(EU)加盟が「世紀の目標」に掲げられるようになると、トルコの要請も強まっていく。つまり、トルコの加盟を阻むのは差別であるとする批判や、EC(EU)は「キリスト教クラブ」であるとの風刺を盾に、アンカラ政府は譲歩を求めるようになる。1993年6月、EU加盟国首脳(欧州理事会)は、コペンハーゲンにおいて、加盟基準を定めるが、これは、トルコにも道を開いている。また、1996年1月、EC・トルコ間に関税同盟が発足し、両者の経済統合が強化された。そして、1997年12月、加盟国首脳は、トルコの加盟について検討すべきであるとし(ルクセンブルク欧州理事会)、1999年12月には、加盟候補国としての地位を与えることになった(ヘルシンキ欧州理事会)。

 加盟交渉は、トルコが諸制度を改革し、コペンハーゲン基準を充足する可能性があることを前提として開始されることになっており、2002年11月の選挙で大勝した Erdogan 首相のイニシアチブの下、トルコは一連の制度改革を敢行し、EU加盟という目標に向け邁進することになる。そして、2004年10月、欧州委員会は、加盟要件の充足に関し、まだまだ問題はあるものの、加盟交渉を開始すべきであるとの見解を示した。これを受け、欧州理事会は、同年12月、加盟交渉の開始を正式に決定し、2005年10月には、交渉が開始された。もっとも、自由の保障、民主主義、人権や基本的自由の保護、また、法の支配の諸原則に関し、重大な違反が継続する時、EUは加盟交渉を中断しうるとされている。




    リストマーク2006年11月の欧州委員会の報告書:トルコの制度改革の遅れを批判 

 加盟交渉の開始が現実味を帯びるに連れ、EU内では懐疑論が台頭するようになったが、トルコに対し門戸を閉ざすことは、差別的ないし閉鎖的な態度を内外に示し、EUは「キリスト教クラブ」として批判されることになる。また、トルコの政情を不安定にしかねないため、EUの選択肢は「No」というカードを持ち合わせていなかった。しかし、トルコの地理的・人口的巨大さは、経済的弱さに対する懸念を踏まえ、1993年に定められたコペンハーゲン基準の他に、「EUの受け入れ能力」が加盟要件として加えられることになった。

(参照) 年表

トルコのEU加盟問題 

EU加盟要件


加盟交渉

   その144に続く                             以上

2010年9月27日 (月)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その142[欧州連合における(トルコのEU加盟問題36)」

国民投票の実施を義務付け

 2008年5月29日、フランス国民議会(下院)は、EU人口の5%を超えるような国のEU加盟に際しては、国民投票を実施しなければならないとする方針で憲法を改正することを決めた。これはトルコのEU加盟を想定しているが、国民の約60%以上が同国のEU加盟に反対していることから、憲法改正が実現すれば、トルコのEU加盟に大きな障害となる。なお、Chirak 政権下に設けられた現行憲法第85-5条も、EU拡大に際し国民投票を実施することについて定めているが、新規加盟国の人口に関する要件は設けられていない。当初、Sarkozy 大統領は、この規定の廃止を検討していたが、のちに態度を改めている。

 フランス憲法の改正には、さらに上院の同意が必要になるが、同院の審議は6月3日に予定されている。

(参照)

Der Standard v. 30. Mai 2008 (Frankreich für Referendum über Türkei-Beitritt)

         「トルコの憲法裁判所、スカーフ着用禁止を復活させる」

 公的場所における女性の

スカーフ着用について、トルコ

内では激しい議論が

展開されているが、2008年2月9日、

トルコ国会は、従来の禁止

措置を改め、大学内での

着用を認める法律を

制定した。しかし、同年6月

5日、トルコ憲法裁判所は、

この法律は、トルコ憲法上の

政教分離原則に

反するため無効であるとし、

着用禁止措置を復活

させた(トルコ憲法第2条、

第4条、第148条参照)。

審議に参加した

11人の裁判官の内、9人が前掲の

国内法は違反と見なしている。

 スカーフ着用の禁止は与党 AKP

の主導下で廃止されたが、それに

反対する観点から、同党の活動

禁止を求める訴えが提起され、

現在、憲法裁判所で

審議されている。

今回の裁判所の判断は、

AKP の活動禁止に

関する判断にも影響を及ぼすものと

解される。Erdgan 首相(AKP)は、

トルコ政府に対する新たな危機が

生じたと捉え、党幹部に旅行禁止

を命じている。 与党 AKP が

大学内でのスカーフ着用

を認めるに至ったのは、女子学生の

教育の自由を保障するためとされて

いるが(着用が禁止されていれば、

大学での勉強を断念せざるをえない

女性も出てくる)、同党からは、

憲法裁判所は立法権を侵害するもの

であるとの批判が出ている


(参照)

tagesschau.de

(AKP wirft Richtern Verfassungsbruch vor)  

その143に続く                  以上





2010年9月26日 (日)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その141[欧州連合における(トルコのEU加盟問題35)」

3. EU加盟交渉

 トルコは、女性が大学内でスカーフを着用することを禁止していたが、2月9日、トルコ議会は、この禁止措置を廃止した。スカーフ着用を認めることは、社会のイスラム化につながるとして反対運動も展開されたが、圧倒的多数の議員が禁止措置の廃止に賛成した。

    公的場所におけるスカーフの着用に関する問題

    憲法裁判所、スカーフ着用禁止を復活させる

 この問題は、大学内でのスカーフ着用を容認する与党 AKP の活動禁止といった問題に発展することになるが、2008年3月、トルコの憲法裁判所は、検察官の要請(国会審議が終了するまでAKP や同党所属議員の活動を禁止すること)に応じ、政教分離の観点から、イスラム教を信奉する与党 AKP の合憲性や、同党に属する71人の政治家(Erdogan 首相やGül 外相を含む)の政治活動禁止について審査することになった。なお、憲法裁判所は、1998年にもイスラム政党の活動を禁止している。現行司法制度の下では、裁判所の介入は困難になっているが、憲法裁判所の審査開始は、単なる国内の政治問題の域を超え、トルコの民主化や権利保護制度の改善を求める西欧諸国に衝撃を与えている。欧州委員会の Barroso 委員長と Rehn 委員(EU拡大担当)は、4月中旬にイスタンブールを訪問した際、政党禁止は民主主義原則に反すると批判している。また、トルコがEUに加盟しうる見通しを明確に示し、窮地に追い込まれている与党 AKP を支援した。もっとも、これはトルコのEU加盟を保障するものではなく、EU加盟はトルコの制度改革(つまり、EU加盟要件の充足)にかかっていることを付け加えている。この点に関し、欧州委員会は、人権保障(表現の自由や政党活動の自由の保障)や アンカラ議定書 の誠実な実施がキー・ポイントとなることを繰り返し指摘している。なお、トルコの議定書不履行に基づき、現在、加盟交渉は中断しているが、Rehn 委員は、2008年6月中に2つの章(会社法と知的財産権)の交渉を開始し、また、フランスがEU議長国を務める同年下半期には、エネルギー政策を含む新しい章の検討に入る計画を示した。交渉は、全35章の内、まだ6章しか開始されていないが(これに対し、2005年に同時に加盟交渉が開始されたクロアチアは、18の章で交渉が行われている)、新たな政治的不安定要素は、EU・トルコ間の関係強化に新しい風を吹き込んている 。なお、トルコ政府は、2013年までに加盟要件を充足させるという野心的な目標を立てている

 ところで、2008年下半期、スロベニアからEU理事会議長国のポストを引き継ぐフランスは、オーストリアと並び、トルコのEU加盟に強く反対してきた。前政権は、この問題について国民投票を実施する規定をフランス憲法の中に設けたが(第85-5条)、現政権はこれを改める方針を立ている。2008年4月23日、内閣(Conseil des ministres)は、国民投票の実施を大統領の判断に委ねるとする法案を採択している。

   New Sarkozy 大統領、態度を改める

 他方、オーストリアの Plassnik 外相は、4月21~22日にトルコを訪問した際、EU加盟ではなく、緊密なパートナーシップ関係を構築すべきとするオーストリアの提案を再び示したが、トルコの Babacan 外相は、そのような代替案に同意していない。
 

 なお、EU加盟に対するトルコ国民の態度は複雑である。国民の上層階級は政教分離に賛成し、CHP (政教分離を唱える野党)を支持する割合が高いとされるが、CHP 支持者の大半はEUに懐疑的とされる。他方、圧倒的多数の中間層は AKP を支持する一方で、EU加盟に賛成する者も多いとされる。なお、「非常に信心深い」とするトルコ国民は増えているが、それでも、敬虔な国民は約3分の1に過ぎないとされる。

 終わりに

 西欧諸国とトルコの接触は何も真新しいものではなく、欧州統合の過程において両者の関係はさらに強化されていいるが、前述した一連の案件は両者間の社会・文化的違いはまだまだ大きく、EU統合の基盤となる精神的一体性ないし「トルコのヨーロッパ化」はまだ十分に確立していないことを鮮明にしている。特に、EU側にとっては、加盟候補国をより良く理解しなければならない段階にあると言える。これらは双方の政治関係に影響を及ぼすが、経済的には、双方の関係は良好であり、さらなる発展を遂げている。2月12日より、トルコは、EUの 競争力・革新枠組みプログラム(The Competitiveness and Innovation Framework Programme [CIP])に参加することになった。同プログラムは、ヨーロッパ企業(特に中小企業)の競争力強化や経済活動支援を目的とし、Barroso 欧州委員会が2007年に発足させた制度で、2013までの実施期間中に36億ユーロの予算が組まれている。EUやEEA(欧州経済地域)に加盟している国以外では、クロアチアとマケドニアも同プログラムに参加している 。

(参照) Die Vertretung der Europäischen Kommission in Deutschland, EU-Nachrichten 2008, Nr. 14, Seite 1 („Die Türkei besser verstehen“)

Die Presse v. 21. Februar 2008 ("Türkei: Kirchen erhalten Land zurück")

Die Presse v. 21. April 2008 ("Türkei-Beitritt: Neuer Schwung für Verhandlungen")

Der Standard v. 1. Mai 2008 ("Türkentum"-Paragraf: Brüssel lobt Reform")

FAZ v. 13. März 2008, Seite 6 ("Der Westen, der Westen, der Westen")

 

Germany meets Turkey の公式サイト

その142に続く                             以上




(2008年 5月 3日 記)

2010年9月25日 (土)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その140[欧州連合における(トルコのEU加盟問題34)」

2008年1~4月のEU・トルコ関係

雨 天 下 で の 状 況 改 善

 西欧諸国とトルコとの関係は様々な問題を提起しているが、2008年上半期も、いくつかの特筆すべき案件が生じた。


1. ドイツとトルコの関係

 まず、最初に言及すべきなのは、約300万のトルコ系住民が居住するドイツとトルコの関係であろう。2008年2月3日午後、ドイツの工業都市 Ludwigshafen (ルードヴィッヒスハーフェン)内で火災が発生し、死者9人(その内、5名は子供)、また、負傷者は60人に上る惨事に発展した。4階建の建物には多くのトルコ系住民の家族が居住しており、死亡者はすべてトルコ系住民であった。ドイツ国内には、多数のトルコ人労働者やその子孫が居住しているが、ドイツ社会に完全に溶け込めないという社会問題が生じている。このような状況下、ドイツで発行されているトルコ系新聞は、火災の原因はネオ・ナチの放火であるとの憶測や、(トルコ系住民の集合住宅で火災が生じたため)ドイツ消防隊の消火活動は非常に緩慢であったと報じ、ドイツ国民の感情を大きく逆なでした。また、トルコ系住民とドイツ消防とが実際に衝突しただけではなく、トルコ政府は調査官をドイツに派遣するといった事態まで生じた。

 両国間の関係は、さらに、トルコの Erdgan 首相のドイツ訪問中に悪化することになるが、火災から1週間が経った2月10日、トルコ人ないしトルコ系住民を対象にして開かれた大規模な集会(ケルン)において、同首相は、「同化(Assimulation)は人間に対する犯罪だ」と語った。この演説中の発言は、ドイツがトルコ系住民に同化を強制しているとの認識に基づいており、首相はドイツに対し痛烈なメッセージを送ったものとして受け止められ、ドイツ政府やドイツ国民の激しい反発を招いたが、後に、Erdogan 首相は、「同化」とは、個々人が自らの文化的価値観や宗教を尊重しながら生活することを不可能にすることであるとし、国による「強制的な」統合政策を批判するものであると釈明している。確かに、近年、ドイツ政府は移民にドイツ語習得を義務付けるようになったが、それはドイツで生活するために必要な措置であり、上掲の意味における「同化」が国によって強制的になされているわけではないため、Erdogan 首相の発言は、何もドイツに対し向けられたものではないと捉えることもできよう。なお、2月のドイツ滞在中、同首相は、ドイツの Merkel 首相と対談し、ドイツの一般学校教育にトルコ語の授業を取り入れることを提案したが、受け入れられなかった。

 なお、トルコ系住民のドイツ社会への統合は、ドイツ社会の重要課題の一つであることに変わりはなく、様々な試みが行われている。


    Germany meets Turkey の公式サイト

 


2. 人権保護の改善

 トルコのEU加盟は、政治的な観点から扱われることが少なくないが、実効的な人権保護という法的要件の充足も重要である。従来、EUは、前掲の宗教の自由や財産権の他に、表現の自由や女性の権利の改善を再三、訴えてきたが、2008年4月29日、トルコ議会は、この要請に応え、トルコ侮辱罪(刑法第301条)の改正を決定した。これまでは、アルメニアの虐殺に関する記述など、「トルコ」に対する侮辱が罪に問われたが、構成要件が「トルコ」から「国」に置き換えられた。また、刑罰の内容も緩和されるともに(3年から2年、初犯については執行猶予も可能)、捜査には司法大臣の承認が必要となる。この改正によって、表現の自由の保障がどの程度改善されるかは明らかではなく、実務運用にかかっているが、さらなる法改正が必要なのは明白である。

 また、この法改正に先立ち、トルコ議会(一院制)は、2月20日、イスラム教以外の少数派宗教団体に、1970年代に押収した財産(土地、建物など)を返却する法律を採択した。なお、2007年1月、欧州人権裁判所は、ギリシャ正教の教会への補償を命じる判決を下している 。また、2008年4月、同裁判所は、北キプロスから追い払われたギリシャ系キプロス人に対する損害賠償の支払いを命じる判決も下している。 

    トルコの人権保護問題

     その141に続く                         以上

2010年9月24日 (金)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その139[欧州連合における(トルコのEU加盟問題33)」

欧州憲法条約批准危機の影響

 2004年12月、EU加盟国首脳は、トルコとのEU加盟交渉を2005年10月

3日に開始すると決定したが、従来のEU加盟国の国民の間には反対論

が根強い。先ごろ、フランスオランダ で実施された国民投票でも、

多くの有権者は、トルコのEU加盟に反対するあまり、欧州憲法条約

の批准に反対したと解されている。特に、オランダでは、反イスラム

主義が主たる争点になった。また、フランスの投票者の35%は、

トルコのEU加盟に反対し、欧州憲法条約の批准にも反対票を投じた

と見られている。

 EU(EC)の原加盟国であるフランスとオランダで、憲法条約の

批准が否決されたことについて、トルコの Abdullah Gül 外相は、

自国の加盟が影響を及ぼしたわけではないと述べている。また、

国民投票の結果は、加盟交渉の開始(10月3日)に変更をも

たらすものではないとしているが、トルコ政府の中では、

懐疑論が高まりつつあるとされる。特に、Ali Babacan 財務相は、

加盟交渉は困難になるであろう発言している。

 もっとも、来る10月3日に加盟交渉が開始されること自体

については、EU加盟国政府やトルコ政府も確信を得ている。

トルコのEU加盟に反対しているドイツの CDU・CSU も、

加盟交渉の開始そのものには異議を述べていないが、

すでに確定された計画を破毀するのは困難と解される。

   2005年6月11日付けの Die Presse 紙によると、

同16・17日の 欧州理事会 の決議に、トルコとの加盟

交渉の開始 次期に関する声明は盛り込まれないこと

になった。これは、フランスやオーストリアの要求に

従ったものであるが、昨年12月の決定に変更がない

ことを意味するものとして説明されている

 2005年2月24日から3月8日にかけて、TNS Sofres は、

6つの加盟国(6大国)でトルコのEU加盟についてアン

ケートを実施した。対象となったのは、フランス、ドイツ、

イタリア、ポーランド、スペイン、イギリスの各1000人

の国民であるが、調査結果は以下の通りである。

 トルコのEU加盟    

賛 成 反 対

37%
フランス
59%
36%
ドイツ
60%
49%
イタリア
38%
55%
ポーランド
28%
49%
スペイン
25%
50%
イギリス
32%
45%
平均
43%

100%に達しない数値は、「分からない」とする回答である。


 6ヶ国の平均では、賛否両論とも過半数には達しておらず、

EU市民の見解は大きく割れていることを示している。他方、

独仏では反対意見が多いのが目立つが、

フランスでは、欧州憲法条約批准の是非を問う国民投票

に悪い影響を及ぼしかねないと懸念されている。なお、

ドイツでは、国民投票は実施されない。

リストマーク フランス国民投票の結果
トルコのEU加盟に対するフランス国民の態度

オランダにおける反イスラム主義

 他方、2005年初頭の政権交代後、EU加盟を訴えて

いるウクライナの加盟については、以下の通りである。

 ウクライナのEU加盟   

賛 成 反 対

58%
フランス
37%
41%
ドイツ
53%
62%
イタリア
23%
77%
ポーランド
12%
60%
スペイン
11%
49%
イギリス
27%
55%
平均
31%

100%に達しない数値は、

「分からない」とする回答である。


 ドイツを除く全ての国では、賛成派が多数を

占めており、EU市民は、トルコの加盟問題のように、

神経質になっていないことが伺える。なお、

ドイツで反対派が過半数に達しているのは、

首都キエフにあるドイツ大使館が不正に大量のビザを

発給し、多数のウクライナ国民が西欧

(特にポルトガル)に移住していることに起因

すると解される。

 唯一ポーランドでは、トルコとウクライナの

EU加盟に賛成する見解が半数を上回っているが、

これは、第3国の新規加盟に好意的な中東

欧諸国の見解を象徴している。また、ロシアに

対する消極的な立場が、ウクライナのEU加盟を

支持する見解につながっていると分析されている。

(参照)

Die Welt v. 24. März 2005

("60 Prozent der Deutschen gegen EU-Beitritt der Türkei")

アンケートについて

さらなるEU拡大に関するEU市民の見解


(2005年3月28日 記)

         その140に続く                       以上






2010年9月23日 (木)

今度は240キロの巨大物体が地球に向っている?

この写真だけでこの物体が地球に向かっていると想像するのは無理だと思われますので、あくまで娯楽記事としてお読み下さい。ただ、確かに、宇宙写真を閲覧できる sky-map.org の検索ウィンドウの「 19 25 12-89 45 03 」には星ではないような巨大な物体が写っています。推定の大きさは最大部分が約 240キロメートルとのこと。下の写真は当方で拡大したものです。sky-map.org で実際に見られますのでご覧下さい。これが何かという推定はともかく、何かそこに存在していることは事実のようです

240mile-object.jpg


Giant Spaceships Heading Towards Earth ?
Before it's news 2010.09.15

巨大な宇宙船が地球に向かっている?

最近になって、SETI ( 地球外知的生命体探査 ) プロジェクトがアメリカ政府によってキャンセルされた理由はこのことによるものかもしれない。

どうやら、何か起きているようだ。
地球にものすごいスピードで巨大な物体が近づいていることが判明して、アメリカ政府は非常に動揺しているようなのだ。

私の持つ情報源によると、政府の黒いプロジェクトの人々は、地球外知的生命体探査のいくつかのアンテナを引き継ぎ、今は合衆国海軍のための専用の信号として処理しているという。

これが何かということに関しては、地球を大変動が襲うすぐ前に、ノアの方舟のように何人かの人々を連れて行くものかもしれないという考え方もあるだろうし、あるいは、地球が侵略されるということを考える人もいるかもしれない。そんなことはないかもしれないし、そうかもしれない。

将来のことはまだ何もわからないのだ。

今のところ、その物体は冥王星の軌道の外側にある。物体は、最大部分の直径がおよそ 150マイル(240キロメートル)で、薄い部分は 30~50マイル(48から80キロメートル)あると見積もられる。

最近、ロシアの火星探測機がこの説明に合う写真を撮影している。
この探測機は理由はわからないが、破壊された。
その後、アメリカの火星探査機も破壊されている。

続きと全文は、bombshock.com にある。


写真については、まず、 www.sky-map.org/ に行き、検索ウィンドウに「 19 25 12-89 45 03 」と打ち込んで、ズームしてみてほしい。そこに写っている青い物体がそれだ。

8yvm10.jpg

以上は「ブログ:In Deep]からの引用です。先般も、10数メートルの惑星2個が地球の近くを通過したばかりですが、次々にこのようなニヤミスが増えることは予想されています。今回の物体も2~3年後には地球に近づくものと思われます。衝突しないことを祈るばかりです。以上

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その138[欧州連合における(トルコのEU加盟問題32)」

2006年6月の欧州理事会

EUの受け入れ能力


 第3国のEU加盟に際し、EUが同国を受け入れことができるかどうかは(EUの受け入れ能力)、特に、高人口国トルコの加盟を想定し、オーストリア政府によって強調されていた。2005年10月、EU理事会(外相会議)は、これを新たな加盟要件として位置づけていると解されるが、2006年6月16日、欧州理事会終了後のプレス・コンファレンスにおいて、欧州委員会の Barroso 委員長 は、これは、EU加盟に関する新しい要件ではないと述べている。もっとも、第3国の加盟に際しては、EUの受け入れ能力も考慮されるとしており、その判断 基準の一つに、EU市民の態度が含まれることを指摘している。これに対し、現理事会議長国の Schüssel 首相は、すでに2005年10月のEU理事会で、受け入れ能力 は「条件」(Bedingung)として了承されていると反論している。なお、2006年6月の欧州理事会では、このようなオーストリア政府の主張は厳格すぎるとして、イギリスやスウェーデン、中東欧諸国の支持を得られなかった。また、フランスも最終的に反対に回ったとされる。

(参照) Der Standard v. 16. Juni 2006 (Schüssel blitzt mit Beitrittshürde ab)
 

Die Presse v. 16. Juni 2006 (Schüssel blitzt ab)

「国民投票の実施」

 リストマーク フランスとオーストリア

 フランスの Chirac 大統領は、トルコのEU加盟に懐疑的な世論や国内政党

(与党)の見解を考慮し、国民投票の実施をすでに表明している

 オーストリアでは、フランス以上に反対論が根強く、Schüssel 首相は、

加盟交渉の終了後に国民投票を実施し、トルコのEU加盟の是非を国民

に直接問う計画を明らかにした。これを受け、Fischer 大統領は、

国民投票は、むしろEUレベルで実施するのが望ましいと発言している。

エストニアでは、この提案が、近いうちにEU規模で国民投票が実施

されるものとして理解され、波紋を投じたが、オーストリア大統領は、

あくまでも提案したに過ぎない。また、国民投票は、近い将来(つまり、

加盟交渉の開始前)ではなく、交渉が終結した後に実施されるべき

であるとされている。

   (参照) オーストリアにおける議論

 リストマーク エストニア

 EU規模での国民投票が実現するかどうはさておき、エストニアの

与野党は、国民投票を実施で見解が一致している。その背景には、

① トルコのEU加盟が実現しても、同国から大量の労働者が国内

に移りこむとは考えられないこと、また、② 以前にも国民投票が

実施されていたとすれば、自国の加盟は実現しえなかったであ

ろうとの考えが存在する。

(参照) Der Standard v. 30. Dezember 2004 ("Estland: Missverständnis um Türkei-Referendums-Vorschlag Fischers")

その139に続く                                   以上

(2004年12月31日 記)

2010年9月22日 (水)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その137[欧州連合における(トルコのEU加盟問題31)」

ト ル コ に 対 す る 新 要 件


 2005年10月3・4日、EU加盟25ヶ国の外相は、トルコのEU加盟に関し、
EUの受け入れ能力という要件を追加した。つまり、トルコのEU加盟に際しては、EU条約第49条コペンハーゲン基準 の充足だけではなく、EUはトルコを迎え入れることができるかどうか (Aufnahmekapazität)が審査される。これは、オーストリアの要請に従い 導入された要件であるが、かねてより要件の追加に反対していたトルコも、了承している。

 EU加盟国外相会議(EU理事会)の決定に照らせば、新要件は、トルコに対してのみ適用されると解される(他方、クロアチアのEU加盟の際には問われない)

 新要件であるEUの受け入れ能力 (Aufnahmekapazität) の内容は明らかにされていないが、財政的かつ機構制度上の問題がクローズアップされることになろう。詳細な判断基準は、今後、欧州委員会によって検討され、EU理事会に提案されるものと解される。2005年10月6日、Rehn 欧州委員(EU拡大担当)は、委員会はトルコとの加盟交渉終了後(つまり、早くても10年後)に、新要件の充足性について検討し、理事会に提案すると述べている。また、同委員は、EUの受け入れ能力は、すでに 東方拡大 の際にも問題になったが、トルコの人口は、 当時の新規加盟10ヶ国に匹敵するため、EUの機構改革が必要になること、また、フランスは、欧州憲法条約の発効をトルコのEU加盟の条件にしていることを指摘している。

リストマーク 欧州憲法条約による機構制度改革

 新要件を厳格に適用するならば、EUが受容力に欠けるときは、トルコの加盟 は実現しえないことになるが、EU内の問題をトルコに転嫁するのは子供じみていると批判する見方もある。

     New 2006年6月の欧州理事会

 

 

設けるよう欧州委員会に要請した。

 EUの受け入れ能力は、新規加盟国の規模や政治・経済状態(EUによる支援はどの程度必要か)にも大きく依存するため、新規加盟国数は重要な要素にならない。例えば、クロアチアやマケドニアといった小国の受け入れは十分可能であるのに対し、トルコの受け入れは大きな負担になると解される。

2006年、欧州議会は、EUの受け入れ能力に関する判断基準を

           その138に続く                    以上

(2005年10月6日 記  2006年4月18日 更新) 

2010年9月21日 (火)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その136[欧州連合における(トルコのEU加盟問題30)」


   新規加盟の要件

   
1. EU条約

 新規加盟の実体的要件として、EU条約第49条第1

(リスボン条約体制)は以下のように定める。   

  ①[地理的要件]

ヨーロッパの国であること

  ②[政治的・法的要件]

EU条約第2条所定の諸原則を尊重し、また、

その促進に尽力すること

  ③ その他、欧州理事会が設ける基準

リストマーク トルコの加盟要件①

EUの受け入れ能力 (こちらも
参照


   2. コペンハーゲン基準   

  EU条約は199227日に締結され、1993111日に発効しているが、その間の199362122日、コペンハーゲンで開催された欧州理事会は、前掲のEU条約上の要件を確認し、また、新たな要件を設けているが(いわゆるコペンハーゲン基準Bull. BReg. 1993, 629, 632])、それは以下の通りである。

コペンハーゲン欧州理事会

写真提供:
Audiovisual Library European Commission

 

リストマーク  コ ペ ン ハ ー ゲ ン 基 準  リストマーク

 ①[地理的

要件]

ヨーロッパの国

であること

 ②[政治的・法的

要件]

法治国家、民主主義、

基本権および人権の

保護、また、

少数派の保護を保障する

安定した制度を有する

こと

 ③[経済的基準]

市場経済が機能している

ことと、EU内の競争力と

市場力に耐えうること

 ④[EC法の総体系の受容]

EUの政治目標と経済・

通貨同盟の目標に従い、

また、EC法の総体系

acquis communautaire

を受け入れ

うること


   ②の少数派の保護や、③の経済的

基準は、前述したEU条約第49条の新規

加盟要件の中では触れられていないが、

これは中・東欧諸国の社会・経済的背景

を考慮した新たな基準である。

同様に、④のEC法の総体系の受容

もEU第1次法の中では言及

されていないが、従来より、加盟

の要件とされてきた。

リストマーク   C 法 の 総 体 系   リストマーク

acquis communautaire

(アキ・コミユノテール) 

というフランス語で

知られる

EC法の総体系は、

これまでに

制定(また、改正された)

すべての

共同体法を含み、

8万の規定

からなるとされる。

これらは35

個別的に調査される。

リストマーク トルコ

クロアチア

 これらの基準は、1995年、マドリード

における欧州理事会によって確認

される共に、申請国はEC法の総体

系の適用に必要な行政機構を整備

しなければならないことが

指摘された。

 もっとも、前掲の基準を満たす

ならば、EUに加盟する権利が

与えられるわけではない

EU条約第491項は

、加盟を申請することがで

きると定める)

。第3国の新規加盟は、むしろ、

EU理事会や加盟国の判断に

委ねられている。この点に

おいて、EU加盟は政治的

な判断を必要とする。

 なお、トルコとクロアチアに

対しては、

特別の要件が設けられている。


リストマーク トルコの加盟要件

クロアチアの加盟要件

New 2006年12月14/15日、

欧州理事会(EU加盟国首脳会議)は、

困難な案件(行政・司法制度改革や

汚職対策など)は、加盟交渉の

早い段階で取り扱うことを決定した。

従来の加盟交渉(特に、

ブルガリアやルーマニアとの交渉)

を踏まえ、欧州委員会は、

2006年11月8日、

交渉手続の見直しを提唱していた。

  その137に続く                        以上

2010年9月20日 (月)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その135[欧州連合における(トルコのEU加盟問題29)」

トルコのEU加盟問題

2006年版 報告書

欧州委員会、制度改革の大幅な

遅れを批判

 EU加盟を希望する第3国の状況(EU加盟に必要な

制度改革の状況)について、欧州委員会は毎年、

報告書を公表しているが、2006年11月8日、

2006年度版が発表された。

 かねてより注目されているのは、トルコに関する

評価であるが、委員会は、オンブズマン制度の導入

やジプシーの定住権に関する法律の制定など

制度改革に向けたトルコの取り組みを確認する

一方で、この1年間、その進捗状況は緩慢になって

おり、多くの分野で遅れが目立つと批判している。

特に、問題視されているのは、キプロス問題

の解決ないし アンカラ議定書 の実施であるが、

欧州委員会は2006年末までに完全に履行する

よう要請している。同議定書は、従来の

EU加盟15ヶ国とトルコとの間に設けられていた

関税同盟を、新EU加盟10ヶ国に拡大することを

目的として締結されているが、それに基づき、

トルコは、キプロス(新EU加盟国)からの船舶や

航空機の乗り入れ禁止を解除しなければならない。

もっとも、トルコは、北キプロス(トルコ系キプロス)

の安全保障ないし キプロス問題 の未解決を理由に

、これをまだ実施していない。そもそも、トルコ

との加盟交渉は、この議定書の締結を受け開始

されており、加盟交渉の進展にも重大に関わ

案件である。従来より、EU側は、2006年末

までの実施を再三、訴え、その要請が満たされ

ない場合は、加盟交渉の中断もありうるとして

いる。この点について、欧州委員会は、11月8日

に発表された報告書において、

最終的な見解を示しておらず、12月14・15日

開催の欧州理事会開催まで外交交渉を進める

ものとしている。そして、同理事会開催までに

事態が改善されないときは、理事会に対策

(制裁)を提案するとし、トルコに圧力を

加えている。「委員会は5週間の猶予期間を

トルコに与えた」と分析するメディアが多いが、

まだ具体策を提案していない理由について、

Rehn 欧州委員 (EU拡大政策担当)は、

母国フィンランドキプロス問題 の解決に

向けた交渉を進めているだけではなく、

適切な時期を検討した結果であると述べて

いる。なお、報告書の中で、欧州委員会は、

EU加盟の展望がトルコの制度改革を推し

進める重要な要因になることを強調し、

EUへの門戸を完全にシャットアウトしていない。

また、来年度度以降も、トルコの加盟準備

作業を財政的に支えるべきとされている。

2005年10月に開始されたトルコとの

EU加盟交渉を中断するには、全EU加盟国

の賛成が必要になる。

 報告書において、欧州委員会は、さらに、

軍隊に対するシビリアン・コントロール、表現

と宗教上の自由の保障、女性、労働組合、

少数派の権利の保護の点において、

徹底した改革が必要であると指摘されている。

 委員会の報告書を受け、トルコの Gül 外相は、

民主化を徹底して進めると述べたとされる。

他方、アンカラ議定書の履行については、

依然として消極的であると解される。近時、

Erdogan首相は、北キプロスの孤立が解消

されない限り、船舶や航空機の乗り入れ

を認めるわけにはいかないとする従来の

立場を繰り返し主張している。



 委員会は、トルコの他に、クロアチアと

マケドニアの加盟候補国、また、将来、

加盟候補国となりうる旧ユーゴスラビア

構成諸国の制度改革状況について

報告書を発表している。さらに、

2006~2007年間のEU拡大戦略やEUの受入能力

について分析している。

      

(参照) 

欧州委員会の公式サイト

Enlargement Strategy and Progress Reports 2006


Die Vertretung der Europäischen Kommission in Deutschland (EU-Kommission veröffentlicht Erweiterungsstrategie und Fortschrittsberichte)

Der Standard v. 8. November 2006 (Fünf Wochen Schonfrist für Ankara)

Der Standard v. 8. November 2006 (Erdogan: Öffnung der Häfen "nicht realistisch")


トルコのEU加盟問題 


フィンランドの外交交渉決裂
New

欧州委員会、交渉の一部延期を提案

      その136に続く                           以上

(2006年11月9日 記)

2010年9月19日 (日)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その134[欧州連合における(トルコのEU加盟問題28)」


リストマーク 加盟交渉の目標・中断

 交渉は、EU加盟の実現によって終了しなければならない

ものではなく、その結果は保証されない。トルコのEU加盟

が実現しえない場合には、できるだけ強い結束関係

を構築し、EUへの統合が保障されなければならない

(para. 23)Chirac 大統領の見解参照

   リストマーク 欧州憲法条約第I-57 条


 自由の保障、民主主義、人権や基本的自由の保護、また、

法の支配の諸原則に関し、重大な違反が継続する時は、

欧州委員会は、自らの決定に基づき、または、3分の1

の加盟国の要請に基づき、加盟交渉の中断や再開の条件

について提案するものとする。

これに基づき、EU理事会は、トルコの見解を聴取した上で、

特定多数決により、交渉の中断や再開の条件について

決定する。なお、欧州議会にも通知するものとする。

   欧州理事会の最終決議 (EUの公式サイト)

加盟国首脳  トルコとの交渉開始を決定

トルコのEU加盟とキプロス問題 

欧州委員会、交渉手続の枠組みを提案 

オーストリアの Schüssel 首相の見解

トルコのEU加盟問題

加盟国外相、加盟交渉の

一部休止を決定

 2006年12月11日、EU加盟国の外相はブリュッ

セルで会合(EU理事会)を開き、トルコとのEU

加盟交渉を部分的に休止することを全会一致

で決定した。

これは、トルコがアンカラ議定書 の履行を

怠っていることを受けたもので、

全35章からなる交渉の8つを開始してはなら

ないとする欧州委員会の提案 に従うもの

である。近時、トルコは譲歩案を示していたが、

加盟国外相(EU理事会)の支持

を得るには至らなかった。なお、ドイツの最有力紙

Frankfurter Allgemeine によると、加盟国間の

見解の相違に基づき、審議は紛糾したとされる。

会議前、ドイツの Steinmeier 外相は、合意の

形成を疑問視する発言をしていたが、

委員会案の緩和(加盟交渉を開始しない章を3つ

に限定)を訴えていたイギリスやスペインだけ

ではなく、対策の強化を求めていた

オランダやギリシャも最終的に妥協している。

 今後は、8つの章の交渉開始時期が注目

されるが、Frankfurter Allgemeine によると、

この問題は2007年から2009年にかけて、

欧州委員会が毎年作成する報告書に基づき、

加盟国首脳によって決定されるものとされる。

これは、ドイツの Merkel 首相の提案

基本的に合致している。

 なお、議長国 フィンランド の Tuomioja 外相は

、トルコが加盟要件を満たせば、EUの一員となり

うることを否定するものではないと述べている。

また、14・15日の加盟国首脳会議(欧州理事会)

は「トルコ会議」にならないと述べていることから、

今回の決定が見直されることはないと解される。

同外相は、さらに、EU理事会は国連主導下での

キプロス和平交渉を支持すると共に、北キプロス

の経済発展支援策について政治的合意がまと

まったことを明らかにしている。


New 2008年4月、欧州委員会は、同年6月中に

交渉を再開する計画を示した。




(参照) 

フィンランド議長国の公式サイト(EU foreign ministers agreed on partial freeze of Turkey's membership talks
 

FAZ v. 8. Dezember 2006 (Zypern-Streit mit der Türkei:EU setzt Verhandlungen mit Ankara zum Teil aus)

トルコのEU加盟問題 

 ・ トルコ、譲歩案を示す

 ・ 加盟国、トルコの譲歩案は不十分

 ・ 欧州委員会の提案

キプロス問題

その135に続く                        以上





2010年9月18日 (土)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その133[欧州連合における(トルコのEU加盟問題27)」

「加盟交渉手続きの詳細」


 2005年10月4日(ルクセンブルク時刻)、トルコとのEU加盟交渉が開始された。交渉がEU加盟を最終目標として行われることは明らかだが、その達成が保障されているわけではない。また、民主主義、人権や基本的自由の保護、また、法の支配の諸原則に関し、トルコが重大な違反を継続する時は、交渉手続は中断されうる。

 交渉は、EU加盟25ヶ国とトルコとの間で行われ、特に、トルコが EU加盟要件 を充足しているかどうかが調査される。EU加盟要件は、EU条約第49条と、いわゆる「コペンハーゲン基準」で定められているが、その他に、トルコは、キプロスを独立国家として承認する必要がある。加盟交渉は個々のEU加盟国と申請国との間で行われることや、EU加盟には全加盟国の承認が必要であることを考慮すれば、キプロス問題 の解決は不可欠であると解される。さらに、2005年10月3日の加盟国外相会議(EU理事会)では、EUはトルコを迎え入れるだけの余力があるか、審査されることが決まった。

 EU法の総体系(acquis communautaireの受け入れ や経済力の強化など、困難な課題がトルコを待ち受けているため、加盟交渉は、10~15年計画で実施されると解されているが、フランスの Chirac 大統領は、全ての加盟要件を満たすには、大規模な文化革命が必要になるとし、全要件の充足を疑問視している。EU財政計画上の理由から、加盟は早くて2014年となる。




リストマーク
加盟交渉に関するTOPICS リストマーク


日 付
(2006年)
項    目
6月    13日 「学術・研究」分野 の交渉 
4月    27日 テロ防止法改正に対する批判、高まる
2月    27日 「学術・研究」分野の交渉開始 
9日 「学術・研究」分野のスクリーニング作業の終了

日 付
(2005年)
項    目
11月 10日 欧州委員会の報告書(2005年度版)
10月 20日 スクリーニング作業の開始
11日 Kretschmer 代表部長、加盟交渉について語る
7日 Rehn 欧州委員、トルコに新法の施行を要請



(参照)  

2004年12月の欧州理事会の決定

 リストマーク EU加盟交渉枠組み(2005年10月)(ドイツ語)
 リストマーク
オーストリア政府の提案する交渉枠組み(ドイツ語)

      
交渉枠組み(英語)

その134に続く                      以上   

2010年9月17日 (金)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その132[欧州連合における(トルコのEU加盟問題26)」

オーストリア首相、交渉結果に誇り

 2005年10月3日夜、EU加盟25ヶ国の外相は、トルコとの加盟交渉の

枠組みについて合意するに至ったが、オーストリアの抵抗により、

協議は約30時間にも及んだ。24対1という孤立無援の状況下において、

オーストリアは、EU加盟に代わる選択肢

特権的パートナーシップの締結)の導入を断念しているが、10月3日、

同国の Schüssel 首相は、協議の結果に満足していると述べた。これは、

以下のように、オーストリアの要求が受入れられたことによる。


(1)

トルコのEU加盟について決定するにあたっては、

EUの受容力(そもそもEUはトルコを迎え入れるだけの

余力があるかどうか)について検討する。

これは、オーストリアの要請に基づき、初めて、

第3国のEU加盟要件

EU条約第49条参照)の中に取り入れられた。

  リストマーク この要件について 

(2)

トルコのEU加盟に必要な財政的負担は公平

にする。つまり、現在、

イギリスに与えられている恩恵 を見直す。

 さらに、クロアチアとのEU加盟交渉についても決定された

ことは、オーストリアの要望にかなっているが、Schüssel

首相や3日の外相会議の議長を

務めたイギリスの Straw 外相は、トルコとの加盟交渉

開始と関連性を否定している。また、Schüssel 首相は、

最終的に譲歩した背景にアメリカの

影響があったことを否定している。



オーストリアの懸念

 オーストリアが、トルコとの加盟交渉になかなか「ゴーサイン」を出さな

かった理由として、① 2005年10月2日に地方選挙(Stiermark 州議会

選挙)が予定されていたことや、② クロアチアとの加盟交渉開始の交

換条件に利用したことなどが指摘されているが、オーストリアの

Schüssel 首相はこのような憶測を退けている同国が根強く反対した

のは、むしろ、国民の80%がトルコのEU加盟に反対していることにあ

ろう。Graz 大学の Isak 教授(EU法)も世論を主たる理由として捉えている。

 国内の主要政党も、イスラム文化圏に属する国のEU加盟に反対

している。唯一、緑の党は、EU加盟を支持しているが、かといって

、積極的に支援しているわけではない。

 また、オーストリアは、ドイツや他のEU加盟国のように、トルコとの

経済関係が強いわけではない他、トルコの圧倒的大きさを挙げるこ

とができる。なお、オーストリア国内には、13万4500人のトルコ人が

移住しているが(EU内では、フランスやドイツに次いで最も多い)、

国内社会への溶け込みの弱さも指摘されている。





 ドイツ・ミュンヘン大学応用政治学研究所

Centrum für angewandte Politikforschung)の Josef Janning

所長は、オーストリアがトルコとの加盟交渉の開始に根強く反対

した理由として、① 国内政策上の要因の他に、② EU政策上の

要因を挙げている。後者の点について、Janning 氏は以下のよ

うに語っている。


 従来、国内の諸政党が国境を越えて団結し、EUの政治

について見解を明確に主張することは容易ではなかったが、

2004年の欧州委員会の人選 の際には、各党派の主張が

目立った。今回、オーストリアの Schüssel 首相は

保守派(キリスト教民主主義を掲げる諸政党)の代弁者

としての役割を獲得しようとしたものと思われる。



 保守系政党の中でも、特に、ドイツの CDU・CSU は、

トルコのEU加盟に強く抵抗しており、各国の同盟政党に

トルコのEU加盟反対を呼びかけているが、現在、

野党である CDU・CSU は外相会議には参加しえなかった。

そのため、党是を同じくするオーストリア国民党(ÖVP

Schüssel 首相に希望を託していたと解される。


(参照)

Vertretung der Europäischen Kommission,

EU-Nachrichten, 2005, Nr. 35, Seite 6 ("Bürde oder Chance")





区切り線



(参照) Der Standard v. 04. Oktober 2005 (Eiserfrage: Was hat Plassnik wirklich erreicht?)

Die Presse v. 05. Oktober 2005 (Warum Österreich?)

            その133に続く                   以上




  

2010年9月16日 (木)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その131[欧州連合における(トルコのEU加盟問題25)」

加盟交渉、正式に開始される

New トルコとの加盟交渉開始の最後のハードルを取り除くため、EU加盟国外相は、2005年10月2日(日曜日)、協議を再開した。オーストリアの根強い抵抗 により、話し合いは容易にまとまらず、交渉開始予定日である3日を迎えたが、その日の協議も難航した。交渉開始予定時刻である17時を過ぎても「ゴーサイン」は出されなかっため、交渉開始式典は延期されることになったが、22時を過ぎた頃になって、ようやく打開策がまとまり、0時を過ぎてから、交渉が正式に開始された。なお、その直後(4日、2時5分)、クロアチアとの加盟交渉 も開始された。

 3日夜、ようやく、加盟交渉の枠組みが採択されたとの報告を受け、トルコの Erdogan 首相は、「理性の勝利」を称えている。また、世界平和の実現に向けた我々の希望は強化されたと述べている。

 トルコとの加盟交渉は、当初の予定通り、10月3日に開始されることはなかったが、理事会議長国イギリスの Straw 外相は、式典開催地であるルクセンブルクでは、すでに4日なっていようとも、イギリスの時刻によれば、3日の内に式典が始まったため、当初の予定は守られたとしている。現在、ルクセンブルクとイギリスの間には、1時間の時差がある。

 加盟交渉が開始されたとはいえ、加盟への道のりは長く、険しく、10~15年計画(早くても、2014年)。クロアチアの方が、先に目標を達成する可能性が高い。

リストマーク オーストリアの譲歩

オーストリアの懸念

トルコに対する新しい要件

Rehn 欧州委員、「ウィーン流舞踏会」について語る



加盟交渉手続の詳細

EU加盟交渉枠組み(ドイツ語)


     リストマーク 2004年12月の交渉枠組み


クロアチアとの加盟交渉、開始される

オーストリアの譲歩 

 トルコとの加盟交渉予定日である2005年

10月3日の直前に至っても、まだ採択され

ていない交渉枠組みについて協議

するため、EU加盟国の外相は、2日

(日曜日)、ルクセンブルクで協議を再開した。

しかし、この日も、オーストリアは

妥協する姿勢を見せず、交渉開始の

見通しが立たなかったが、3日の夜に入り、

同国はようやく譲歩するに至った 。同日

夜の Press Conference において、同国の

Plassnik 外相は、加盟交渉のゴールが

EU加盟であることは(法的にも)明らかで

あり、オーストリアはこれを疑問視した

ことはないと述べ、周りを煙に巻いた。

 なお、トルコの正式加盟を決定する

前に、EUの受容力(EUはトルコを迎え

入れるだけの余裕があるかどうか)を

検討すべきとする条項を再度、見直

すことが決まった。これはオーストリア

の要請に従ったものであるが、3日午後

には、かねてより同国が要請している

クロアチアとの加盟交渉開始も決定

された 。約30時間に亘る協議の後、

オーストリアが最終的に譲歩した背景

には、これらの点に加え米国の介入や

多方面からの圧力があったと見ら

れている。また、来年の上半期、

オーストリアは、EU理事会議長国と

なるため、執拗なボイコットは、円滑

な政策運営上、得策ではないと考えら

れる。

  リストマーク オーストリア首相の評価

  リストマーク オーストリアの懸念

その132に続く                          以上

2010年9月15日 (水)

二つの小惑星、月より近い地球付近を通過する!!

Bogu01913 月から見た地球です。

1週間前の8日(水)午後と9日(木)午前に、月より近い距離で地球付近を、二つの小惑星が通過したとNASAが発表しました。

地球への大きな影響は現在まで報告されていません。地球に最初接近した小惑星「RX30」は8日午後6時、地球から約25万キロを通過。9日午前6時に地球から約7万9000キロの地点を小惑星「RF12」が通過した。それぞれ大きさは10メートル前後とされている。

「地球付近を通過する物体は1日に約5000万に上るが、今回のように二つの小惑星が1日以内で地球へ接近するのは珍しい」とNASAの関係者は述べている。

尚、前回は2009年11月6日に直径10数メートルの小惑星「2009VA」が地球の上空約1万メートルを通過することもありました。

小生のこのブログでも2010年1月2日より2月21日まで「太陽系惑星群、銀河系宇宙の星間雲に突入を確認!」を記述しておりますが、2012年にはいよいよその星間雲に本格突入する見込みであります。そのため今回のような事はますます増加するものと思われます。

せめて地球には衝突しないで欲しいと祈るばかりの運任せです。現在の人類にはそれに対処する術は、残念ながら持ち合わせていません、人間同士の戦いばかりに夢中で、そこまで気が回りません。神に祈るのみです。以上  人類の未来を憂う、銀河系宇宙人より

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その130[欧州連合における(トルコのEU加盟問題24)」

オ ー ス ト リ ア の 抵 抗

 2005年10月3日、EU加盟国は、トルコとのEU加盟交渉を開始する予定であるが、それを真近に控えた9月29日に至っても、加盟国は、交渉手続の枠組みについて合意していない。これは、オーストリア政府の根強い抵抗に基づいているが、同政府は、交渉が開始される前の段階において、交渉が失敗に終わる可能性について明確に定めておくべきと主張している。つまり、EU加盟に代わる案(特権的パートナーシップの締結)について規定するよう求めているが、他の加盟国の支持を得るには至っていない。2005年9月の外相会議でも、オーストリアの要請は退けられている。

リストマーク オーストリア政府の見解:

オーストリア政府の提案する交渉枠組み(ドイツ語)

 オーストリア政府が代替案を提唱する背景には、国民の大半がトルコのEU加盟に反対していることがある。この点について、同国の Plassnik 外相は、多くのEU市民(オーストリア国民に限らない)の声に耳を傾け、責任のある態度で臨む必要があると述べている。

 また、トルコが全ての 加盟要件 を満たすことは非現実的であるとする考えや、そもそも、EUはトルコを受け入れるだけの余裕がないとする見解も主張されている。

 さらに、かねてより、クロアチアのEU加盟を支持しているオーストリアは、交渉の切り札として、トルコとの交渉に異議を唱えていると解される。

2005年3月、EU理事会(外相会議)は、クロアチアとの加盟交渉延期を決定し、現在でも、交渉は開始されていないが、近く開かれる会議でこれが了承されれば、オーストリア政府は、トルコとの交渉にも同意するとみられている。なお、9月29日付けの Financial Times 紙において、同国のSchüssel 首相は、トルコとの加盟交渉を開始するならば、クロアチアとの交渉も開始すべきであるという趣旨の発言をしている。これに対し、欧州委員会は、両国との加盟交渉を同一に扱ってはならないと批判しているが、オーストリア外務省高官は、両者を同一に扱っているわけではないが、クロアチアに対するハードルを

高くすること(国連旧ユーゴスラビア刑事裁判所への協力)は受け入れがたいと反論している。

 また、9月29日付けの International Herald Tribune 紙において、

Schüssel 首相は、オーストリアは加盟交渉の開始を脅かそう

としているいるのではなく、交渉過程を良い方向に変えよう

としているだけであると述べている。

 なお、オーストリアの抵抗は 、直前に控えた国内選挙

(Stiermark 州の州議会選挙)を考慮したものとする

捉え方も有力であるが、同国政府は、このような見方

を否定している。

 欧州委員会の Rehn 委員(EU拡大担当)の報道官は、

加盟交渉枠組み案は、2004年12月の決定に正確に基

づいており、オーストリアの反発は理解しえないと述べて

いるが、オーストリア政府は、2ヶ国で欧州憲法条約の

批准が否決されたことを考慮すれば、昨年末の決定

は実施しえないと反論している。

(参照)

EU加盟国外相会議でオーストリアがトルコとの

加盟交渉の開始に反対した理由については こちら

 

オーストリアの譲歩

 

 トルコとの加盟交渉予定日である2005年

10月3日の直前に至っても、まだ採択され

ていない交渉枠組みについて協議するた

め、EU加盟国の外相は、2日(日曜日)、

ルクセンブルクで協議を再開した。

しかし、この日も、オーストリアは妥協

する姿勢を見せず、交渉開始の見通

しが立たなかったが、

3日の夜に入り、同国はようやく譲歩

するに至った 。同日夜の Press

Conference において、同国の Plassnik

外相は、加盟交渉のゴールがEU加盟

であることは(法的にも)明らかであり、

オーストリアはこれを疑問視したことは

ないと述べ、周りを煙に巻いた。

 なお、トルコの正式加盟を決定

する前に、EUの受容力(EUはトルコを

迎え入れるだけの余裕があるか

どうか)を検討すべきとする条項を

再度、見直すことが決まった。これは

オーストリアの要請に従った

ものであるが、3日午後には、かねて

より同国が要請しているクロアチアとの

加盟交渉開始も決定された 。約30

時間に亘る協議の後、オーストリア

が最終的に譲歩した背景には、

これらの点に加え、米国の介入や

多方面からの圧力があったと見

られている。また、来年の上半期、

オーストリアは、EU理事会議長国

となるため、執拗なボイコットは、

円滑な政策運営上、得策では

ないと考えられる。

  リストマーク オーストリア首相の評価

  リストマーク オーストリアの懸念

重要なのは、EUの受容力

 従来より、オーストリアは、EU加盟

代わる案特権的パートナー

シップの締結)の採択を要請

しているが、他の加盟国の

支持を得られていない。最終的に、

オーストリアの方が譲歩するようになっ

ているが、2005年10月3日、

Plassnik 外相は、

重要なのは、トルコのEU加盟を承認

したり、または、代替案を提唱すること

ではなく、トルコを迎え入れるだけの

(財政的および統治機構

上の)余裕がEUにあるかどうかであると

述べている。

10月3日のEU加盟国外相会議で、オー

ストリアは、この点を明確にすることに

成功したと解される。トルコとの交渉は、

EU加盟を目標にして行われるが、

EUが受け入れ能力に欠け

ていたり、トルコが全ての加盟要件を

満たすことができない場合には、

特権的パートナーシップ

について検討すべきであろうと

Plassnik 外相は語っている。

    新しい要件について

Der Standard v. 28. September 2005 ("Plassnik: "Überzeugungsarbeit" gegen Türkei-Verhandlungsmandat")

Der Standard v. 03. Oktober 2005 ("Türkei: Brüssel rechnet mit Einlenken Wiens nach Steiermark-Wahl")

Der Standard v. 03. Oktober 2005 ("Staatssekretär Winkler: Briten müssen handeln")

Der Standard v. 03. Oktober 2005 ("Österreich gibt starre Position auf")

Der Standard v. 03. Oktober 2005 ("Im Wortlaut: Österreichs Änderungswünsche")

Die Presse v. 29. September 2005 ("Wir drohen nicht, aber wir wollen mehr positive Elemente")

Die Presse v. 30. September 2005 ("Streit um Türkei-Beitritt spitzt sich zu:
Österreich verschärft Vorbehalte
")



FAZ v. 29. September 2005 ("EU-Botschafter verfehlen Einigung über Türkei-Verhandlungen")

FAZ v. 04. Oktober 2005 ("Einigung in letzter Minute: EU beginnt Verhandlungen mit Türkei und Kroatien")

    その131に続く                          以上

2010年9月14日 (火)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その129[欧州連合における(トルコのEU加盟問題23)」

EU加盟国外相、トルコとの加盟交渉開始について協議

「キプロス外相の見解」

 2005年9月1日付けの Die Presse (オーストリアの日刊紙)には、キプロスの Georgios Iacovou 外相のインタビューが掲載されている。記事の中で、同外相は、トルコのEU加盟問題 について語っているが、その概要は以下の通りである。

リストマーク 加盟交渉の開始に関する判断について

 2005年9月1・2日、EU加盟国の外相は、トルコとの加盟交渉を 当初の

予定通り、10月3日に開始するかどうか決定することになっているが、

現在、EU理事会の議長国を務めるイギリスは、事前に特別会議を開催

すべきであった。加盟交渉の枠組みについて、これまで実質的な検討が

なされていないのは受け入れがたい。

 前回の外相会議(EU理事会)において、イギリスの Straw 外相は、

トルコとの加盟交渉が議題に上がるのを阻止しており、(トルコのEU加

盟に慎重な)オーストリア外相の発言を拒んでいる。9月の会議ではしっ

かり協議しなければならない。

リストマーク トルコ政府の承認拒否宣言について

 関税同盟の拡大はキプロスを独立国家として承認するものではないと

するトルコ政府の宣言くわしく は、キプロスだけではなく、その他のEU

加盟国を挑発するものである。この政治的な宣言にトルコは、独自の

解釈を与えることができるが、この宣言のために、加盟交渉の枠組み

が修正される可能性があることも考慮すべきである。

EU加盟25ヶ国は新たな加盟条件について協議し、政治的声明を採択

することもできるであろう。トルコがこれを受け入れ、挑発ないし脅しを

繰り返さないことを望む。

 キプロス政府や少なくとも5つの加盟国は、トルコの一方的宣言に

よって関税同盟の拡大は無効になったと捉えている(つまり、関税

同盟の拡大に関する議定書への調印は法的に無効であり、交渉

開始要件は、まだ完全には満たされていない)。その

ため、我々の見解によれば、加盟交渉は開始しえない。



 なお、別の場で、Iacovou 外相は、外交関係の改善を

優先させるため、キプロス政府は最初から拒否権を

行使するものではないと述べている。また、このインタ

ビューの中でも、(自国が承認されなくとも、関税同盟の

拡大に関する議定書が誠実に履行される限り)キプロス

は加盟交渉の開始を阻止するものではないとする

立場が読み取れる。



 

 トルコの宣言の法的効力については、EC裁判所が判断すべきで

あるが、幾つかの加盟国はこれに反対している。なぜなら、同裁

判所は判断に3~4ヶ月を要するため、政治的判断の遅延をも

たらすためである。

 従来、キプロスは、厳格な承認をトルコに要求しているわけ

ではない。関税同盟の拡大に関する議定書が制定されたこと

のみでも、十分に満足しえたであろうが、トルコの近時の発言

は、我々の不信感をあおっている。キプロス政府は、トルコ

が議定書を誠実に履行するかどうか、半年ごとに調査し、

否定的な結果が得られた場合には、加盟交渉の中断を

要請する。

 

リストマーク 拒否権の行使について

 第3国のEU加盟は、加盟国の全会一致に基づき決定されるが、

キプロスは、トルコの加盟に反対票を投じるものではない。しかし、

この決定は最終的なものではなく、状況に応じて変更されうる。

 フランスが拒否権を行使するよう働きかけたという説は誤り

である。しかし、同国がキプロス問題を指摘したことには感謝

している。



(参照)

Die Presse v. 1. September 2005 ("Die Türkei provoziert

nicht nur Zypern")


トルコのEU加盟問題 

 ・ 2004年12月の欧州理事会決定 

 ・ 欧州委員会 条件付で加盟交渉開始提案


 ・ トルコ、関税同盟の拡大に合意

       その130に続く                    以上    

(2005年8月31日 記 9月1日 更新)



2010年9月13日 (月)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その128[欧州連合における(トルコのEU加盟問題22)」

「欧州議会、加盟交渉の開始を了承②」

EU加盟に代わる選択肢を明確にすべきとするオーストリアの提案は、他の加盟国の賛成が得られず、採択されなかった。なお、9月2日、トルコの Erdogan 首相は、EU側が新たな要件を設けたり、EU加盟に代わる案を提唱する場合、トルコは加盟交渉を打ち切ると述べているが、これは、オーストリアの提案や、来週中にもまとめられるEUの宣言をけん制するねらいがあるものと解される

 キプロス問題の解決について、トルコは、国連案の受け入れを拒否し、南北統一を阻んだのはキプロス(ギリシャ系の南キプロス)であり、トルコがその責任を負うべきではないとしている。トルコのEU加盟を支援しているドイツの Fischer 外相もこの立場を支持している。なお、トルコ政府は、キプロス問題の解決には国連の仲介が不可欠であり、独自の一方的な措置は控える方針をとっている。  

加盟交渉、正式に開始される

New トルコとの加盟交渉開始の最後のハードルを取り除くため、EU加盟国外相は、2005年10月2日(日曜日)、協議を再開した。オーストリアの根強い抵抗 により、話し合いは容易にまとまらず、交渉開始予定日である3日を迎えたが、その日の協議も難航した。交渉開始予定時刻である17時を過ぎても「ゴーサイン」は出されなかっため、交渉開始式典は延期されることになったが、22時を過ぎた頃になって、ようやく打開策がまとまり、0時を過ぎてから、交渉が正式に開始された。なお、その直後(4日、2時5分)、クロアチアとの加盟交渉 も開始された。

 3日夜、ようやく、加盟交渉の枠組みが採択されたとの報告を受け、トルコの Erdogan 首相は、「理性の勝利」を称えている。また、世界平和の実現に向けた我々の希望は強化されたと述べている。

 トルコとの加盟交渉は、当初の予定通り、10月3日に開始されることはなかったが、理事会議長国イギリスの Straw 外相は、式典開催地であるルクセンブルクでは、すでに4日なっていようとも、イギリスの時刻によれば、3日の内に式典が始まったため、当初の予定は守られたとしている。現在、ルクセンブルクとイギリスの間には、1時間の時差がある。

 加盟交渉が開始されたとはいえ、加盟への道のりは長く、険しく、10~15年計画(早くても、2014年)。クロアチアの方が、先に目標を達成する可能性が高い。

リストマーク

オーストリアの譲歩

オーストリアの懸念

トルコに対する新しい要件

Rehn 欧州委員、「ウィーン流舞踏会」について語る



加盟交渉手続の詳細

EU加盟交渉枠組み(ドイツ語)


     リストマーク 2004年12月の交渉枠組み


クロアチアとの加盟交渉、開始される

(参照) Der Standard v. 18. August 2005 (Türkische EU-Verhandlungen: Zypern schließt Veto nicht aus)

Der Standard v. 26. August 2005 (CDU/CSU mobilisieren gegen Türkei-Beitritt)

Der Standard v. 28. August 2005 (Türkei-Streit: Fronten in der EU verhärtet)

Der Standard v. 30. August 2005 (Barroso: Alle EU-Staaten sind für Türkei-Beitrittsverhandlungen)

Der Standard v. 30. August 2005 (Zypern will nicht mit Veto gegen Türkeibeitritt drohen)

Der Standard v. 31. August 2005 (Populismus pur)

Der Standard v. 2. September 2005 (Türkei droht mit Rückzug des Antrags für EU-Beitritt)

Der Standard v. 2. September 2005 (Die Türkei provoziert)

Der Standard v. 2. September 2005 (Reaktionen: ÖVP zurückhaltend, BZÖ gegen "Drohgebärden")

Die Presse v. 31. August 2005 (Österreich fordert Alternative zu Vollbeitritt)

Die Presse v. 3. August 2005 (Türkei reizt Schmerzgrenze aus)

FAZ v. 30. August 2005 (Wachsende Skepsis in der Türkei)

FAZ
v. 2. August 2005 (Türkei will Beitrittsgesuch notfalls zurückziehen)
 

 

 その129に続く                                以上     

トルコのEU加盟問題 

 ・ 2004年12月の欧州理事会決定 

 ・ 欧州委員会 条件付で加盟交渉開始提案


 ・ トルコ、関税同盟の拡大に合意


2010年9月12日 (日)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その127[欧州連合における(トルコのEU加盟問題21)」

欧州委員会、交渉手続の枠組みを提案

 トルコとの加盟交渉は、2005年10月に開始されることがすでに決まっているが、2005年6月の欧州理事会でもこの決定が確認された。また、交渉開始の条件(6つの改正法 の施行) が、6月1日に満たされたことを受け、欧州委員会は、6月29日、厳格な交渉プランを提案した。さらに、EU拡大懐疑論が強まっていることを考慮し、市民間の対話の促進を目的としたプログラムも同時に提案されている。

 フランスオランダ で実施された国民投票で、欧州憲法条約の批准が否決されたことを受け、トルコのEU加盟を見直すべきとする見解も有力に主張されているが、欧州委員会は、トルコの完全な加盟を目的として交渉を行うとする従来の方針を変更していない。また、加盟への道のりは非常に長く、険しいことや、交渉の中断の可能性についても改めて確認している。

 委員会が提案した交渉プランは、実際に交渉が開始される前に、全EU加盟国によって採択される必要があるが、加盟国外相は、9月1・2日、この案件について協議する予定である。

(参照) Press Release of European Commission, 29/06/2005, Commission presents a rigorous draft framework for accession negotiations with Turkey

Press Release of European Commission, 29/06/2005, Commission initiates civil society dialogue on enlargement



トルコのEU加盟問題 

 ・ 2004年12月の欧州理事会決定 

 ・ 欧州委員会 条件付で加盟交渉開始提案


 ・ トルコ、関税同盟の拡大に合意

 ・ 2005年9月の加盟国外相会議

(2005年6月30日 記 8月26日 更新)

EU加盟国外相、トルコとの加盟交渉開始について協議 トルコの旗

 2005年9月1・2日、EU加盟国外相は、イギリスの Newport で会議を開き、トルコとの加盟交渉を 予定通り、10月3日に開始するかどうか決定することになっている。すでに欧州委員会は、当初の計画に沿った提案を行っているが、加盟国の中からは批判的な見解も発せられている。これは、トルコが関税同盟の拡大に関する議定書に署名した際、キプロスを国際法的に承認するものではないと付言したことに端を発しているが、フランスの de Villepin 首相 は、キプロスが独立国家として承認されない限り、加盟交渉の開始は延期すべきであると述べている。また、Chirac 大統領も、8月26日に Barroso 欧州委員会委員長 と会談した際、同趣旨の発言をしている。2005年5月の国民投票で欧州憲法条約の批准が否決されたことを受け、Chirac 大統領もトルコのEU加盟に懐疑的な民意を尊重するようになっているが、9月1・2日の外相会議では、フランスやキプロスの要請に応じ、トルコのキプロス非承認宣言に対する声明が採択される可能性がある。

 これに対し、Barroso 委員長は、キプロスの承認は交渉開始要件には当たらないとし、10月3日の交渉開始を支持している。また、交渉の延期を要求している加盟国はないとも述べているがフランス政府の立場に合致していない。なお、ドイツ野党の CDU・CSU は、トルコのEU加盟を阻止する一方で、特権的パートナーシップを締結すべきとする代替案を改めて提唱し、その他の加盟国政府に働きかけている。この野党の見解に反し、ドイツ政府は、10月3日の加盟交渉開始を支持しているが、9月の総選挙では政権交代が実現する可能性が非上に高い。その他、代替案は、オーストリア政府によって支持されているが、同国の Schüssel 首相や Plasnik 外相は、交渉プランの中に、代替案を盛り込むことを要求している。


 紛争当事国であるキプロスの Iacovou 外相は、8月30日、キプロス政府はトルコとの対話を重視するため、当初から交渉の開始を阻止するものではないと述べている。なお、同月中旬、キプロスの Papadopoulos 大統領は拒否権の行使もありうると発言している。加盟交渉の開始については、EU加盟25ヶ国の全会一致にて決定される。


  リストマーク キプロス外相の見解

欧州委員会の態度

 2005年6月29日、欧州委員会は、トルコとの加盟交渉を予定通り、10月3日に開始させることを提案しているが(参照)、EU加盟国外相会議を直前に控えた8月28日、Rehn 委員(EU拡大担当)は、加盟交渉の開始に必要な条件はすべて満たされていることを確認した(参照)。7月末、トルコ政府はキプロスの承認を明瞭に否認していることから、Rehn 委員の発言は新たな議論を生むことになったが、8月29日、Barroso 委員長の報道官は Rehn 委員の発言を支持する声明を出した(参照①)。また、翌30日には、Barroso 委員長自身も、キプロスの承認は加盟交渉開始の要件に当たらないことを強調している(参照)。


Rehn 委員の見解
Ferrero-Waldner 委員の発言


区切り線

加盟交渉は10月3日に開始

New トルコは、キプロスを独立国家として承認するものではないとする宣言は大きな波紋を投じているが、9月1日、EU加盟国外相は、トルコとのEU加盟交渉を当初の予定通り、10月3日に開始すると決定した。9月2日の会議において、フランスの Douste-Blazy 外相は、キプロスを承認するよう、トルコの Gül 外相に強く要求しているが、加盟交渉の開始には異議を唱えなかったとされる。なお、具体的な交渉の枠組みはまだ決まっておらず、9月27日の外相会議で協議されることになっている。

 外相会議では、さらに、前述したトルコの一方的宣言や関税同盟の実施について、EU側も声明を発表することが決定され、その文面は来週、各国のEU大使によって作成される予定である。なお、トルコの宣言については、欧州議会も、9月27日に協議する予定である。

   New 欧州議会、加盟交渉の開始を了承

New 2005年9月7日付けの Der Standard 紙(オーストリア)によると、同日に開かれた会議で、加盟国のEU大使は、トルコに対する声明の文面について合意することができなかったとされる。審議は来週に持ち越されたが、次回は加盟交渉の枠組みについて協議する予定になっているため、合意の形成は困難とみられている。

New 2005年9月15日付けの Die Presse 紙(オーストリア)によると、9月14日の会議でも、各国のEU大使は合意に至らなかったとされる。

New 2005年9月19日付けの Der Standard 紙(オーストリア)によると、同日の会議で、各国のEU大使は、トルコに対する宣言の内容について、合意したとされる。

その128に続く                      以上


2010年9月11日 (土)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その126[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑳)」

2004年12月、EU加盟国首脳は、トルコとの加盟交渉を2005年10月3日に開始する計画を示した(欧州理事会決定)。10月3日までに、アンカラ政府は、① 制度改革の推進、② キプロス共和国の承認(同国との関税同盟協定の締結)、③ 宗教的および民族的少数派の保護に取り組まなければならないとされているが、昨年12月の欧州理事会の決定以降、改革路線は弱まっている(Rehn欧州委員、トルコの制度改革に懸念示す)。そのため、12月の決定は誤りであったとの声も聞こえる。

 従来、左派政党はトルコのEU加盟を支持してきたが、欧州議会内の社会党会派やドイツ社民党(SPD)の中からも懐疑論が主張されるようになっている。このような状況下、「トルコの後見役」を務めるドイツの Schröder 首相は、2005年5月3日、アンカラで Edrogan 首相と会談し、加盟交渉を予定通りに開始するには、制度改革が現実に実施される必要性を強調した。特に、キプロス共和国を(間接的に)承認することと、少数派の権利保護の重要性を指摘したが、Erdgoan 首相は具体的なコメントは避けている

 アンカラ訪問に先立ち、Schröder 首相は、トルコのEU加盟を実現させる上で、両国間の緊密なパートナーシップが重要であると語っている。また、制度改革が容易ではないため、何らかの後退もありうるであろうが、断固とした取り組みと「メンタリティーの改革」が不可欠である と強調している。さらに、Erdogan 首相の見解に同意し、① EUが北キプロス(トルコ系キプロス)に2億5900万ユーロの補助金を給付すること(これは、2004年4月、キプロス島の統一案が流れたことにより、実現していない)、また、② フランスとの間で生じているアルメニア人大量虐殺問題については、国際的な歴史専門家グループに鑑定を求めるべきとしている。


ドイツ国旗 ド イ ツ と ト ル コ トルコ国旗


 第2次世界大戦後、ドイツ国内には、多数のトルコ国民が移住し、戦後の経済ブームを支えた。ドイツ各地には、現在でも多数の移民2世ないし3世が居住している。従来は、2重に国籍を取得しえたが、国内法の改正に伴い、2000年以降は、どちらか一方の国籍しか認められない。そのため、何十万のトルコ系住民は、ドイツ国籍を失うことになった。2005年5月3日、アンカラを訪問したドイツの Schröder 首相は、問題の解決に迅速に取り組む意向を示した。

 ドイツ・トルコ間の経済関係は緊密で、伝統的に、ドイツはトルコにとって最大の貿易パートナーとなっている。とりわけ過去18ヶ月間は、ドイツ系企業の進出も大幅に増えている(2001年以降、ドイツからの輸出量は2桁の伸びを見せ、特に、2004年は32%の成長を記録し、輸出量は120億米国ドルに達している)。そのため、両国間の関係の強化や、ドイツ政府によるトルコのEU加盟支援は、経済面を重視しすぎていると批判されることもある。特に、保守系政党は、民族・文化・宗教的相違を理由に、トルコのEU加盟に反対している。ドイツ国民の3分の2も、トルコのEU加盟に消極であるとされる他、2005年に入ってからは、与党内からも批判が発せられている。

(参照) FAZ v. 4. Mai 2005 ("EU-Beitritt: Schröder drängt die Türkei zu weiteren Reformen")

FAZ v. 3. Mail 2005 ("Türkei: Bundeskanzler kommt in einer Boomzeit")

Die Presse v. 4. Mai 2005 ("Schröder geht auf Distanz zur Türkei")

Die Welt v. 3. Mai 2005 ("Kanzler fordert von Ankara Mentalitätswanden")

 

     その127に続く                             以上

(2005年5月4日 記)

2010年9月10日 (金)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その125[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑲)」

Barroso 委員長、加盟交渉の開始を支持
2004年12月10日、Barroso 欧州委員長は、ブリュッセルで、トルコ首相と会談し、加盟交渉の開始に賛成しており、トルコのEU加盟を支援すると語った。また、交渉は来年中に開始されるべきであると述べた。

 去る11月に発足した新委員会は、旧委員会の立場を継承しているが、その立場に拘束力はなく、最終決定はEU加盟国によって下される。


New 2004年12月17日、トルコとの加盟交渉開始が決定されたことを受け、オーストリアの Schüssel 首相は、交渉の終了後(おそらく10年後)、国民投票を実施し、トルコのEU加盟の是非を直接、国民に問う方針を明らかにした


トルコのEU加盟の是非を問う国民投票

リストマーク フランスとオーストリア

 フランスの Chirac 大統領は、トルコのEU加盟に懐疑的な世論や国内政党(与党)の見解を考慮し、国民投票の実施をすでに表明している

 オーストリアでは、フランス以上に反対論が根強く、Schüssel 首相は、加盟交渉の終了後に国民投票を実施し、トルコのEU加盟の是非を国民に直接問う計画を明らかにした。これを受け、Fischer 大統領は、国民投票は、むしろEUレベルで実施するのが望ましいと発言している。エストニアでは、この提案が、近いうちにEU規模で国民投票が実施されるものとして理解され、波紋を投じたが、オーストリア大統領は、あくまでも提案したに過ぎない。また、国民投票は、近い将来(つまり、加盟交渉の開始前)ではなく、交渉が終結した後に実施されるべきであるとされている。

   (参照) オーストリアにおける議論

 リストマーク エストニア

 EU規模での国民投票が実現するかどうはさておき、エストニアの与野党は、国民投票を実施で見解が一致している。その背景には、① トルコのEU加盟が実現しても、同国から大量の労働者が国内に移りこむとは考えられないこと、また、② 以前にも国民投票が実施されていたとすれば、自国の加盟は実現しえなかったであろうとの考えが存在する。

(参照) Der Standard v. 30. Dezember 2004 ("Estland: Missverständnis um Türkei-Referendums-Vorschlag Fischers")

         その126に続く                              以上

2010年9月 9日 (木)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その124[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑱)」

  加 盟 交 渉 の 開 始 が 決 定 さ れ た 場 合


 トルコとのEU加盟交渉開始が決定されれば、交渉は「遅滞なく」(2002年12月のコペンハーゲン欧州理事会決議)開始されるものとされている。なお、2005年に欧州憲法の批准を問う国民投票が実施されるフランスや、2006年秋に総選挙が実施されるドイツは、トルコのEU加盟問題がネガティブに作用するのを避けるため、加盟交渉の早期開始を望んでいるとされる。


New その後、フランスは、加盟交渉の開始をできるだけ遅らせるべきと方針変更した

New 2004年12月17日、欧州理事会は、加盟交渉を2005年10月3日に開始すると決定した


 従来、加盟交渉を行った国は、すべてEUに加盟しているため、トルコの加盟も時間の問題と解されるが、交渉が終了し、EU加盟が実現するのは、早くても2015年と考えられている。また、トルコ人労働者に対する市場の開放は、さらに10年後と解されている 

 加盟交渉が10年以上も継続することは、非現実的であるとする見方もある一方で(トルコのEU加盟に消極的なドイツ CSU の Stoiber 党首)、10~15年という交渉期間はむしろ現実的であるする立場もある(支持派の Fischer ドイツ外相)。10~15年経てば、保守的なドイツ国民の抵抗感も薄れるとの見解もある一方で、Verheugen 欧州委員はこれを否定している。

 なお、ルクセンブルクの Juncker 首相は、加盟交渉を完了する必要はないとし、交渉中断の可能性を指摘している。また、トルコのEU加盟に消極的な欧州議会保守会派(EVP)の Pöttering 氏(次期、欧州議会議長に内定)も同趣旨の発言をしている。 


 仮に交渉が成功裏に終了したとしても、オーストリアの国会は、トルコのEU加盟を否決する可能性が高い(New 現在、オーストリアでは、国民投票の実施について議論されている)。また、国民投票の実施を予定しているフランスでも、同様に否決される可能性があるが、10年以上にわたる交渉の結末がこれでは、トルコを納得させることができないであろうとの見解も主張されている。なお、現行EU条約によれば、第3国のEU加盟に際し、EU加盟国と新規加盟国との間で条約(加盟条約)が締結され、同条約は全ての締約国によって批准されなければならない

  リストマーク ドイツ外相の見解

 2004年10月1日、フランスの Chirac 大統領は、国民投票を実施し、トルコのEU加盟に関する判断を直接、国民に問うと述べた。この点について、次期欧州委員長に内定している Barroso 氏は、このように重要な問題をEU市民の見解に反して決定するのは間違いであろうと述べ、全加盟国で国民投票を実施する必要性を示唆した。

その125に続く           以上                   
  
  



2010年9月 8日 (水)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その123[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑰)」

ト ル コ の E U 加 盟 と キ プ ロ ス 問 題

 2004年12月16日、欧州理事会は、トルコとEU加盟交渉を開始することを決定した。16日の夜から17日にかけては、交渉条件の詳細について協議されたが、キプロス問題 が最大の争点となった。

 従来より、EU・トルコ間には 関税同盟 が設立されているが、2004年5月1日、キプロスがEUに加盟したことに伴い、この関税同盟も拡大されることになっていた。ところが、トルコはキプロスを外交的に承認しておらず、関税同盟の拡大を受け入れていない。トルコがEUに加盟するには、現EU加盟国であるキプロスとの和解が不可欠であるため、EU側は、12月16・17日中に、キプロスを承認し、関税同盟の拡大に関する議定書に署名するようトルコに求めていた。しかし、トルコの Erdogan 首相は、この要求に憤慨し、12月17日の深夜2時半ごろ、会議場から立ち去ったとされる。また、17日午後の会議でも、トルコは譲歩を示さず、会議終了直前になって、再び、強行に抗議したとされる。このような交渉方法を目の当たりにし、トルコはまだヨーロッパ諸国の一員になっていな いと批判されている。 「7000万のトルコ人よりも、60万のキプロス人の方が大切なのか」と恫喝し、即刻、アンカラへの帰国を主張し退席した Erdogan 首相を説得したのは、ドイツの Schröder 首相やイタリアの Berlusconi 首相とされているが、交渉が決裂していれば、EU側にも不利な影響が生じていたと解される。


 キプロス問題のために、交渉が決裂する危険性もあったとされるが、最終的に、欧州理事会は以下の宣言を採択した。

 欧州理事会は、トルコ政府が加盟交渉の開始までに、関税同盟の拡大に関する議定書に署名する用意があるとしていることを歓迎する。

 また、EU加盟交渉過程でも、この問題を扱い、必要であれば、国際司法裁判所に提訴することが決定された(para. 20). 

 12月17日夕方の記者会見において、Erdogan 首相は、トルコ人ジャーナリストより拍手で迎えられたが、関税同盟の拡大に関する議定書への署名は、直ちにキプロスを承認することではないと述べた。また、今後の交渉は、過去41年間の交渉より、困難になるであろうと語った。なお、トルコの野党は、今回の決定を批判し、交渉の中止を訴えている

 関税同盟の設立と国家承認の関係について、イギリスの Straw 外相は、パレスチナや台湾と協定を締結する国が少なくないことを挙げ、トルコがキプロスとの関税同盟の設立に同意したとしても、直ちに、キプロスを承認することにはならないとしている

 

欧州理事会の決定は こちら

関税同盟の拡大に関する議定書の調印へ向け前進

トルコ、議定書を締結

その124に続く                                以上


   


(参照) Der Standard v. 17. Dezember 2004 (Erdogan: Zusage bedeutet keine Anerkennung Zyperns)

Der Standard v. 17. Dezember 2004 (Nach erster Genugtuung macht sich Frunst bereit)


(2004年12月18日 記)

2010年9月 7日 (火)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その122[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑯)」

トルコのEU加盟に関する欧州理事会決定

トルコの旗

 2004年12月17日、欧州理事会は、トルコは、コペンハーゲン基準(政治的要件)

満たしているため、加盟交渉を開始すべきであると決定した。 ただし、加盟要件を満た

すためにトルコが制定した国内法の施行が、交渉開始の条件とされている(New トルコ、

要件を満たす)。予定されている交渉開始日は、2005年10月3日であるが、これは、

「遅滞なく」開始するとするコペンハーゲン欧州理事会の決議(2002年)に完全に合致

していない。

 その他の決定事項は以下の通りであるが、基本的に、EU理事会議長国

オランダの提案 に基づいている。

リストマーク トルコの制度改革の監視

 トルコの制度改革の進展には目を見張るものがあるが、EUは今後も監視すべきである

(para. 18)。 

リストマーク キプロス問題

 EU・トルコ間の協議では、キプロス問題が最大の争点となったが、トルコは、加盟交渉

の開始までに、関税同盟の拡大に関する議定書に署名するという妥協案が最終決議に

盛り込まれた。また、 加盟交渉過程でも、この問題を扱い、必要であれば、国際司法裁

判所に提訴することが決定された(paras. 19-20).

   トルコ、議定書を締結


リストマーク 過渡期間、例外規定、セーフガード条項

 人の移動の自由地域政策農業政策 などの分野において、長期的な過渡期間、

例外規定、また、恒常的なセーフガード措置の必要性について検討する。また、

人の移動の自由に関しては、個々の加盟国に決定権を与えるものとする(para. 23)。   トルコからの大量の労働者の移入について 


リストマーク EU予算

 トルコの加盟は、2014年以降の予算枠において初めて考慮する(para. 23)。

したがって、EU加盟が実現するのは、早くとも2014年となる。

 現在、EU加盟国は、2007~2013年の予算枠組みについて審議しているが

2014~2020年の枠組みが議題に上がるのは、2010年頃と解される。

それが決定された後に初めて、トルコとの加盟交渉を終結させることができる。

交渉の終了後、全EU加盟国とトルコの間で加盟協定が締結され、全締約国によって

批准されれば、加盟が実現する。

   予算問題について


リストマーク 加盟交渉の目標・中断

 交渉は、EU加盟の実現によって終了しなければならないものではなく、その結果は

保証されない。トルコのEU加盟が実現しえない場合には、できるだけ強い結束関係を

構築し、EUへの統合が保障されなければならない(para. 23)

   リストマーク 欧州憲法条約第I-57 条

 自由の保障、民主主義、人権や基本的自由の保護、また、法の支配の諸原則に関し、

重大な違反が継続する時は、欧州委員会は、自らの決定に基づき、または、3分の1の

加盟国の要請に基づき、加盟交渉の中断や再開の条件について提案するものとする。

これに基づき、EU理事会は、トルコの見解を聴取した上で、特定多数決により、交渉の

中断や再開の条件について決定する。なお、欧州議会にも通知するものとする。

      その123に続く                                   以上


(2004年12月18日 記 2005年6月30日 更新)

2010年9月 6日 (月)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その121[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑮)」

加盟国首脳  交渉開始を早々に決定 トルコの旗

 2004年12月16・17日、EU加盟国首脳はブリュッセルで会合を開き、トルコのEU加盟問題について協議することになっていたが、初日の段階で、加盟交渉の開始を決定した。なお、最後まで反対していた首脳も、会議の前には賛成に回っていたため、首脳会議の決定は、開催前より明らかであった。今回の決定は、トルコの民主化を促す狙いがあるものと解される が、このような観点から、欧州委員会は交渉の開始を提案していた。

 フランスの Chirac 大統領は、国内世論が懐疑的なことを考慮しつつも、トルコがすべての基準を満たし、EUに加盟 しうるようになれば、EUにとっても利益になると述べた。

 また、ルクセンブルクの Juncker 首脳 は、確かに、世論 を尊重しなければならないが、すでに1963年の段階で、当時のEECは、トルコの加盟を想定しており、40年にわたる歴史を無視してはならないと述べた。


 チェコの Cyril Svoboda 外相によれば、交渉は、2005年10月3日に開始される。キプロス問題 については、話し合いが始まったばかりで、結論はまだ出ていないとされるが、交渉開始の要件の一つになるとする見方が強い。また、オーストリアの Schüssel 首相 の要望に基づき、特権的パートナーシップ という代替案も議題に上ったとされるが
、支持されることはないと考えられる。

 
 トルコ国民の大半は、今回の決定を、トルコ共和国の81年にわたる歴史の中で最も重要な出来事として捉えているとされるが、具体的な交渉条件はまだ決まっていない。また、加盟の実現は、早くても10年後と解され、決して平たんな道のりではない。

 トルコの Erdogan 首相は、交渉が必ずしも加盟の実現で終わる保障はないとすることに同意しているとされる。また、キプロス問題の解決(トルコによるキプロスの承認)にも譲歩を示しているとされる。スウェーデンの Persson 首相は、連合協定を締結し、キプロスを間接的に承認することが、交渉開始の要件であるとしている。

   続編

     ・ 欧州理事会の決定
     ・ トルコのEU加盟とキプロス問題

   その122に続く                               以上



(2004年12月17日 記)

2010年9月 5日 (日)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その120[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑭)」

2004年12月16日、EU加盟国首脳は、トルコとの加盟交渉を開始することで合意に達した。開始日は、2005年10月3日である。

 2004年12月、EU加盟国首脳は、トルコとの加盟交渉を2005年10月3日に開始する計画を示した(欧州理事会決定)。10月3日までに、アンカラ政府は、① 制度改革の推進、② キプロス共和国の承認(同国との関税同盟協定の締結)、③ 宗教的および民族的少数派の保護に取り組まなければならないとされているが、昨年12月の欧州理事会の決定以降、改革路線は弱まっている(Rehn欧州委員、トルコの制度改革に懸念示す)。そのため、12月の決定は誤りであったとの声も聞こえる。

 従来、左派政党はトルコのEU加盟を支持してきたが、欧州議会内の社会党会派やドイツ社民党(SPD)の中からも懐疑論が主張されるようになっている。このような状況下、「トルコの後見役」を務めるドイツの Schröder 首相は、2005年5月3日、アンカラで Edrogan 首相と会談し、加盟交渉を予定通りに開始するには、制度改革が現実に実施される必要性を強調した。特に、キプロス共和国を(間接的に)承認することと、少数派の権利保護の重要性を指摘したが、Erdgoan 首相は具体的なコメントは避けている

 アンカラ訪問に先立ち、Schröder 首相は、トルコのEU加盟を実現させる上で、両国間の緊密なパートナーシップが重要であると語っている。また、制度改革が容易ではないため、何らかの後退もありうるであろうが、断固とした取り組みと「メンタリティーの改革」が不可欠である と強調している。さらに、Erdogan 首相の見解に同意し、① EUが北キプロス(トルコ系キプロス)に2億5900万ユーロの補助金を給付すること(これは、2004年4月、キプロス島の統一案が流れたことにより、実現していない)、また、② フランスとの間で生じているアルメニア人大量虐殺問題については、国際的な歴史専門家グループに鑑定を求めるべきとしている。 

ド イ ツ と ト ル コ トルコ国旗

 第2次世界大戦後、ドイツ

内には、多数のトルコ

国民が移住し、戦後の

経済ブームを支えた。ド

イツ各地には、現在でも

多数の移民2世ないし3

世が居住している。従来は、

二 重に国籍を取得しえ

たが、国内法の改正に伴い、

2000年以降は、どちらか一

方の国籍しか認められない。

そのため、何十万の

トルコ系住民は、ドイツ

国籍を失うことに

なった。2005年5月3日、

アンカラを訪問

したドイツの Schröder

首相は、問題の解決に迅

速に取り組む意向を

示した。 ドイツ・トルコ間の

経済関係は緊密で、

伝統的に、ドイツはトルコ

にとって最大の貿易パート

ナーとなっている。とりわけ

過去18ヶ月間は、ド

イツ系企業の進出

も大幅に増えている(2001

年以降、ドイツからの輸出

量は2桁の伸びを見せ、

特に、2004年は32%の

成長を記録し、輸出量は120

億米国ドルに達している)。

そのため、両国間の関係の

強化や、ドイツ政府による

トルコのEU加盟支援は、経済

面を重視しすぎている

と批判されることもあ

る。特に、保守系政党は、

民族・文化・宗教的相違を

理由に、トルコのEU加

盟に反対している。ドイツ

国民の3分の2も、トルコの

EU加盟に消極である

とされる他、2005年に

入ってからは、

与党内からも批判が

発せられている。

(参照)

FAZ v. 4. Mai 2005 ("EU-Beitritt:

Schröder drängt die Türkei zu

weiteren Reformen")

FAZ v. 3. Mail 2005 ("Türkei:

Bundeskanzler kommt in einer Boomzeit")

Die Presse v. 4. Mai 2005 ("Schröder

geht auf Distanz zur Türkei")

Die Welt v. 3. Mai 2005 ("Kanzler

fordert von Ankara Mentalitätswanden")

 

(2005年5月4日 記)

          その121に続く                   以上  

2010年9月 4日 (土)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その119[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑬」

E U 加 盟 国 外 相 会 議  始 ま る

 2004年12月16・17日、EU加盟国首脳会議が開催されるが、それに備え、加盟国外相会議が、12月13日、ブリュッセルで開かれる。主な議題は、トルコとの加盟交渉の開始についてである。

トルコのEU加盟について 合意成立せず

リストマーク トルコのEU加盟、代替案の採択

 トルコのEU加盟を認めるか、または、加盟に代わるパートナーシップ の構築を目指すべきかという問題が浮上しているが、12月13日の外相会議では、見解がまとまらなかった。ドイツ
イギリスオランダは、トルコのEU加盟を支持するとされ、Fischer 外相(ドイツ)は、加盟に代わる目標を掲げれば、トルコの制度改革は失敗に終わりかねないと述べた。

 他方、フランス は、基本的に加盟に賛成しているものの、国内政党の圧力を受け 、代替案を模索している。また、オーストリアデンマークも加盟の実現に消極的で、12月16・17日の決定には、代替案(特権的パートナーシップの形成)を盛り込むべきであるとしている。

 キプロスは、自国の承認を加盟交渉開始の条件にする構えを見せている。

リストマーク 交渉の開始時期 

 前述したように、トルコの地位について争いがあるが、加盟交渉を開始することそれ自体には異論はないと解されている。もっとも、その時期については、合意がまとまっていない。2002年12月、欧州理事会(コペンハーゲン)は、交渉の開始が決定されれば、遅滞なく、交渉を開始するとしたが、フランスは、欧州憲法条約の批准に悪影響がでることをおそれ、2005年秋以降に実施すべきとしている。

リストマーク 交渉の中止

 欧州委員会が提案するように、加盟交渉中止の可能性についても見解がまとまっているとされる。なお、交渉の中止は、欧州委員会だけではなく、加盟国の3分の1の賛成によって、提案されうるとしているが、これは、オランダ案に合致している。

リストマーク EU予算の決定

 さらに、トルコの加盟に伴う財政的影響については、2014年以前のEU予算では考慮しないとすることで合意が成立しているとされる。

(参照) Die Welt v. 14. Dezember 2004 (EU-Ausenminiter erzielen keine Einigung uber Beitritt der Turkei)

(2004年12月14日 記)


 12月13日、オーストリアの Ursula Plassnik 外相は、EU加盟が唯一の目的であるか、または、全当事者が満足しうる代替案があるかどうか注意深く検討しなければならないと述べた。また、加盟交渉の方法や将来の計画を具体的に定めなければならないが、そもそもEUは新たに第3国を受け入れるだけの余裕があるかどうかについても検討する必要性を指摘した。さらに、トルコが加盟基準を満たしている点については、特に、人権の保護について、今後も一貫して、徹底した取り組みがなされることが重要であると述べた。

(参考)  Der Standard v. 13. Dezember 2004 (EU-Außenminister bereiten Türkei-Entscheidung vor)


(2004年12月13日 記)

       その120に続く                             以上

2010年9月 3日 (金)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その118[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑫)」

EU理事会議長国オランダの提案(2)

なお、オーストリア政府やドイツ野党が提唱している特権的パートシップ については、触れられていない。また、加盟交渉の最終目標や加盟時点についても、意図的に言及していないが、2014年以降のEU予算枠組みが決定されるまでは、加盟交渉を終了してはならないとしている。したがって、トルコの加盟が実現するのは、早くても2015年となる。

 この提案は、各国のEU大使レベルで審議された後 (12月1日から12月第2週の週末まで)、外相会議に送られ、最終的には、加盟国の首脳によって決断される予定である。しかし、上掲の条件が採択されるか否かにかかわらず、高い確率で、交渉の開始が決定されるものと考えられている。そのため、争点は、交渉の開始時期にあるが、イギリス、チェコ、ルクセンブルクなどは、2005年第四半期にも開始すべきであるとしているのに対し、欧州(EU)憲法条約の国民投票 に悪影響が及ぶのを恐れるフランスは、2006年初頭にまで先送りすることを提唱するなど、見解は大きく分かれているとされる。

    ドイツとベルギーの立場
    フランスとオーストリアの立場

オランダ案に対する

トルコ外相の見解

 トルコの Gül 外相 は、オランダ

政府の条件は非常に多く、若干

重要なものに限定すべきと

捉えている。また、キプロス問題

ついては、国連案の受諾を拒否し、

両キプロス統一の道を閉ざしたのは、

ギリシャ系キプロスの方であると

反論するものと見られる。 

オランダの Bot 外相は、この

見解を冷静に受け止めているが、

提案は、欧州委員会の提案を踏

まえたうえで、全EU加盟国

の同意が得られるような内容でなけ

ればならないとしている。

Der Standard v. 30. November 2004

(Türkei enttäuscht von EU-Gipfelentwurf)

 

トルコ首相の見解

 トルコの Erdogan 首相 は、近時、

主張されている ① EU加盟に代わる

選択肢(特権的パートナーシップの構築)、

加盟交渉は加盟の実現

で終わるべきではないとすること、

また、③ キプロス共和国の

承認を新たな要件にすることについて、

異議を述べた。特に、ゲームの最中

にルールを変更することは受け

入れがたいとし、コペンハーゲン基準

維持を訴えた

 また、トルコ野党 CHP (社会民主党)の

Baykal 党首も、婚約が結婚を保障

するものとは限らないが、初めから

それを指摘するのは味気ないと批判した

(2004年12月9日 記)


ドイツ要人の反論

 EU加盟交渉の開始に関する決定を

約1週間後に控え、

トルコの Erdogan 首相は、自らEU

を訪問し、最後の支持を訴え

ているが、ドイツの大衆紙

Bild am Sonntag

紙に対し、「41年間もドアの外

で待たされている国は他にない。

我々はすべての条件

をクリアしたが、EUはトルコの

加盟を拒んでおり、我々は差別

されている」と述べた。

 この「差別」発言は、ドイツ内で

波紋を投じ、多くの政治家

より批判されている。

与党 SPD の Gernot Erler 氏

(外交問題報道官)は、

トルコは加盟に

向けた長い道のりの5分の1

を前進したに過ぎないことを認識

すべきであり、また、交渉過程では

新たな基準が設けられる

ことを受け入れなければならないと述べた。

 また、SPD と連立政権を組む

緑の党の ReinhardBütikofer

代表も、コペンハーゲン基準

は、すべての国に同じように

適用されるとして、別発言

を批判した。その一方で、

すべての加盟申請国が同

じように扱われなければならない

必然性はなく、トルコとの交渉は

従来の交渉とは異なるとした。

 野党 CSU の Edmund Stoiber

党首も同様にトルコ首相の

発言を批判した。

また、トルコのEU加盟に

反対の立場を改めて

強調し、自党や姉妹政党

CDU が政権

を握っている州は、フランスと協力し、

トルコのEU加盟を阻止する構えが

あることを明らかにした。

 

Die Welt v. 13. Dezember 2004 (Ankaras EU-

Kritik verärgert Deutschland)


(2004年12月13日)

 

Der Standard v. 29. November 2004 (Harte

Bedingungen für die Turkei)

Die Presse v. 30. November 2004 (EU-Beitritt

: Türkei protestiert gegen neue Hürden)

      その119に続く                       以上

 

オランダEU理事会議長国のホームページ (英語)

2010年9月 2日 (木)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その117[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑪)」

EU理事会議長国オランダの提案

トルコとの加盟交渉問題

 

 2004年12月1617日、EU理事会は、トルコとのEU加盟交渉 について

判断を下す予定であるが、11月29日には、議長国であるオランダから

提案が示された。その主な内容は、以下の通りである。

キプロス共和国を事実上、国家として承認すること

 キプロス共和国の後見役であるギリシャが特に強く要求し

ているとされる。

 なお、EU・トルコ間には 関税同盟 が設立されているが、

EU拡大に伴い、この関税同盟も拡大されることになっていた。

しかし、トルコは、新規加盟10ヶ国の中に、キプロス共和国

が含まれていることから、関税同盟の拡大に関する議定書

に署名しなかったこの方針を改め、トルコ政府は、近く、

議定書に署名するものと解されている。

 キプロス問題の解決に向けた交渉は、イタリアの仲介の下、

2005年上半期に再開することが提案されている。主たる争

点は、① トルコ軍の撤退時期、②トルコ政府の介入権、また

、従来通り、キプロスに居住しうるトルコ系住民の

数の決定にある。なお、この協議は、トルコとのEU加盟交渉

が開始されるまでに終了し、最終決定は、キプロス両国で行

われる国民投票に委ねるとしている 

労働者の移動の自由の長期的または恒常的制限

 これは、トルコ人労働者によって職を奪われかねないと

するEU市民の危惧感を考慮したものである。 フランスや

オーストリアは長期にわたる例外的

取り扱いに賛成する一方で、イギリスや欧州委員会は、

EC法に抵触するとして反対している

 その他に、EU予算の80%があてがわれている農業政

策や地域政策の分野においても、トルコの統合を長期

にわたって限定し、EUからの補助金の支出を制限すべ

きとしている。

加盟交渉の中止

 欧州委員会または加盟国の3分の1によって提案され、

加盟国の特定多数決によって採択されるならば、トルコ

との加盟交渉は 中止されるべきである。その原因として

は、人権や民主主義原則の重大な違反が存在する

ことが挙げられている。

 交渉は、必ずしもEU加盟の実現でもって終わる必要

はないとするオープン・エンドの選択肢は、すでに欧州

委員会によっても提唱されているが、トルコもこれを了

承している

その118に続く                      以上


2010年9月 1日 (水)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その116[欧州連合における(トルコのEU加盟問題⑩)」

10月6日、欧州委員会は、トルコのEU加盟に関する見解をEU理事会に述べ

るが、その前日、EU加盟25か国の外相は、トルコの最大都市イスタンブール

で会合を開く予定である。 

 当初の予測どおり、欧州委員会は、トルコとの加盟交渉の開始を提

案したが、加盟交渉が開始されたとしても、トルコのEU加盟が実現

するとは限らないことを明確にしている。

 10月後半、トルコの Abdullah Gül 外相は、EU加盟国を外遊し、

トルコのEU加盟支持を政府関係者に求める予定であるが、10月26

日には、Recep Tayyip Erdogan 首相と独仏首脳との会談も計画

されている。

 かねてからトルコのEU加盟に反対してきたドイツ・キリスト教民主

同盟(CDU)の  Merkel 党首は、11月4日開催予定のヨーロッパ保

守政党会議において、改めて、反対の立場を強く訴えるものとされ

ている。

 EU加盟国首脳がトルコとの加盟交渉の開始について決定するに

先立ち、欧州議会は、12月15日に議員全員による採決を行う予定

である。この点について、Borrell Fontelles 議長は、市民によって

直接選出される唯一のEU機関として、欧州議会は意見を述べる

権利があるとしている。投票結果に法的拘束力はないが、EU加盟

国首脳はこれを無視しえないと解される。なお、議会内で最大勢力

を誇る保守系政党会派は、トルコとの加盟交渉開始に強く反対して

おり、Pöttering  会派長は、人権侵害の実態を考慮すると、交渉は

時期尚早であるとしている。他方、社会党系会派、環境保護政党会

派、また、自由党会派は交渉開始に賛成しており、これが議会の多

数意見になるものと解される。

(参照)

Der Standard v. 8. November 2004 (EU-Parlament

stimmt über Türkei ab)

2004年12月15日、欧州議会はトルコのEU加盟問題

について審議し、加盟交渉を遅滞なく開始すべきであると

する Camiel Eurlings 議員(オランダ)の決議案を圧倒的多

数で採択した。賛成票を投じた議員は402人、反対した

議員は262人、棄権した議員は29人であった

 なお、トルコのEU加盟を認めず、
特権的パートナー として

迎え入れるべきであるとするドイツ議員の決議案は否決さ

れた

 トルコのEU加盟問題について最終的な決断を下すのは、

EU加盟国であり、前述した欧州議会の決議は拘束力をもた

ない。また、議会が多数決制度をとるのに対し、トルコのEU

加盟問題について、欧州理事会は全会一致にて判断を下す。

そのため、少数とは、反対意見があることも無視してはならない。

 なお、トルコの Erdogan 首相は欧州議会の決定を評価し

ている。また、加盟直後、例えば、労働者の移動の自由が

一時的に制限されることに譲歩を示した。

 トルコとのEU加盟交渉の開始に関し、意見が大きく割れているの

は、保守系政党であるが、欧州議会の保守系政党会派は、

オーストリアの Wolfgang Schüssel 首相を調整役に任命した。

12月16・17日に予定されている欧州理事会の決議に向け、同首相

は、各国の保守派の見解を調整することになる。

(参照)

Der Standard v. 7. November 2004 (Irak und Bush als

Zankäpfel auf EU-Gipfel)


 2004年12月16日、保守系政党のリーダーは、

ブリュッセルで会合を開き、トルコとの加盟交渉の開始を

支持する決定を下した。また、 特権的パートナーシップ

の形成という代替案を否決した。加盟交渉の開始から

3年が経過した時点(2008年)で、再検討するという案も

却下された。

 もっとも、恒常的なセーフガード条項、非常に長い移行

期間、また、無期限の例外規定の導入の必要性が

確認された。また、加盟交渉が失敗した時には、

トルコの面目を保つため、EUの諸制度への

緊密な統合

を保障しなければならないことで合意された。 

 このように、EU内の保守系政党のリーダーは、トルコ

との加盟交渉を条件付きで賛成するに至ったが、

調整役を務めたSchüssel 首相(オーストリア)は、

トルコの加盟によって、EU内の結束が乱されては

ならないことを強調した 

(参照)

Die Welt v. 17. Dezember 2004

(EVP einigt sich auf ein "Ja, aber" zur Türkei)

 


  

その117に続く                     以上

 

 



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