「平成の船中八策」を実現する市民の会、その187[欧州連合における(廃棄物処理の現状⑪)」
4.家庭廃棄物発生の将来的見通し
欧州連合における家庭廃棄物は2000年までに5%の増加が見込まれている。これは,廃棄物発生の要因である経済成長率及び人口増加率が,いずれも現在より増加すると予測されているためである。
(1) 経済成長率
経済成長に伴い,消費活動が活発化し,家庭廃棄物も増加する。欧州連合の経済成長率は,1990~95年までは1%であったが,95~2000年までは2.5%と予測されている。
(2) 人口増加率
1990年から2000年までの年平均人口増加率は0.3%と予測されている。
(3) 生活形態の変化
主婦の家庭内労働の省力化が進むにつれて食料品に対する需要が変化し,生鮮食料品から加工食品・冷凍食品に対する需要が増加し,これに伴ない,特に容器包装廃棄物が増えることが予想される。
第7章 廃棄物処理に伴う危険物質の発生と防止対策
1.廃棄物最終処分場
(1) 廃棄物最終処分場における重金属の発生
管理が悪い廃棄物処分場では,放置された廃棄物によって土壌や地下水が汚染される。汚染の原因は,廃棄物に含まれる重金属,非鉄金属,窒素,塩素化合物や炭化水素のような有害な物質が濾過されて濃度を増すためである。溶液が硝酸塩と化合することにより濃度を増す場合もある。その結果,地下水を汚染し,地表水に苔を発生させる。
廃棄物処分場における危険物質量を測定した例は表11のとおりである。多くの重金属が濾過され沈殿する。
(2) 有毒ガスの発生
廃棄物処分場で有機物が分解する結果,有毒で危険なガスが発生する。代表的なものは,メタンガスと炭酸ガスである。
ア メタンガス
メタンガスは,空気中の濃度が5~15%にまで高まると爆発する危険がある。
下水処理場で発生するメタンガスを精製して濃度を高め,都市ガスとして利用する方法が検討されている。
イ 炭酸ガス
炭酸ガスは,温室効果をもたらす原因となる。欧州連合は,炭酸ガスの発生を減少させるため,2010年に1990年比で15%削減するとの目標を立てている。
表11 廃棄物処分場における危険物質量 1992年 オランダの統計
濾過物 地下水
単位 平均 最大 平均 最大 目標
塩素 mg/L 743 7,122 214 9,600 100
ナトリウム mg/L 2,988 4,355 195 1,760
窒素 mg/L 438 2,250 23 413 2~10
砒素 μ/L 51 499 184 2,350 10
カドミウム μ/L 4 140 0.2 10 1.5
クロム μ/L 67 1,750 7 40 1
銅 μ/L 30 830 14 884 15
水銀 μ/L 1 26 0.4 53 0.05
ニッケル μ/L 92 1,050 13 180 15
鉛 μ/L 394 30,300 7 300 15
亜鉛 μ/L 720 30,000 122 10,000 150
鉱油 mg/L 1,386 30,200 26 330 50
その188に続く 以上
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