「平成の船中八策」を実現する市民の会、その197[欧州連合における(再生可能エネルギー開発問題⑥)」
1-5-2 熱源としての利用
(1)低温地熱利用
低温地熱の開発利用については、規模が比較的小さく、用途も家庭の暖房用から温室栽培用熱源あるいは温水プール用熱源、温泉用と広範にわたるため、正確な統計がない。推計によれば、欧州加盟国全体で2000 年時点に851MWth が開発利用されているとされている。
主要な開発利用国は、フランス(326MWth)とイタリア(324.6MWth)である。
(2)低低温地熱利用
ヒートポンプを用いた低低温地熱の開発利用は、近年急速に伸びてきている。
2000 年の1 年間で、35,000 以上の地熱利用ヒートポンプが設置され(前年27,360)、319
MWth の熱源利用が新たに追加された。このような急速な開発の結果、1995 年には445MWth の規模に過ぎなかった低低温地熱の熱的利用が2000 年には1,569MWth に増大してい
る。主要な開発利用国は、スウェーデン(666.6MWth)、ドイツ(423.1MWth)、オース
トリア(320.2MWth)となっている。
今後の見通し(目標達成率:122%)
(1) 低温地熱
低温地熱の熱的利用の将来動向については、地熱発電のような明確な開発計画はないが、最も現実的想定である50MWth/年で増加するとして、2010 年には1,351MWth を達成することは可能であろう。
(2)低低温地熱
ヒートポンプを用いた低低温地熱の将来については、2000 年における開発規模を今後の10年間にわたって維持するとすれば、2010 年には4,759MWth に到達するものと予測される。
以上から、地熱の熱的利用の2010 年における予測値は、(1)と(2)を合計した6,110
MWth となり、EU 委員会の地熱の熱的利用に関する2010 年目標値の5,000MWth を十分に上回るものと思われる(図-5参照)。
図-5 地熱利用(発電用を除く)に関するEU目標値との比較(単位:MWth)
EurObserv'ER 2001
年 実績 EU目標値
2000 2421 0
2005 4265 3767
2010 6110 5000
その198に続く 以上
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