「平成の船中八策」を実現する市民の会、その207[欧州連合における(再生可能エネルギー開発問題⑯)」
2-4 持続可能総合エネルギー開発(イタリア)
(イタリア・Chieti 県)
背景
Chieti はアブルッツォ州の最南端に位置する県で、104 の市町村を有し、
総人口は38 万9,968 人である。調査研究の結果、同地域では、地域の
気候と土壌の特徴から、再生可能エネルギー資源を開発できる可能性
が高いことが判明した。県レベルで作成された「ローカル・アジェンダ21」
の枠組みの中で、当局は、エネルギー資源の多様化、化石燃料の合理
的な利用、ならびに、エネルギー開発と環境保全を考慮した持続可能な
開発を目的とした総合開発プログラムを策定した。
Promoters
Province of Chieti
目標/活動
エネルギー計画の作成には、「ローカル・アジェンダ21」の手法が使用さ
れている。この「ローカル・アジェンダ21」では、関係する社会的・経済的
機関の参加と民間部門のリーダーシップが奨励されている。同計画の
目標は複数で、相互に関連性があり、EU 委員会の「離陸のためのキャ
ンペーン」のガイドラインおよび「再生可能エネルギー白書」に示された
一般的な枠組みに大きく依存したものとなっている。このアプローチに
基づいて、2 つの基準期間が設定されている。最初の基準期間は2003
年までである。次の基準期間は2010 年までであるが、長期的な効果に
重点を置いているので、その目標はさらに大規模なものである。
同計画の具体的な目標は次のとおりである。
・2003 年までに、2,000 平方メートルの太陽熱吸収パネルを設置する。
・2003 年までに、205MW の風力発電所を建設する。
・一般家庭(3,000 世帯)と大型ビルでのバイオマスの利用を推進する。
オリーブ搾りかす(olive pressings)と森林廃材を使用する。
・工業・商業中心地では、太陽光発電パネルを活用する。
・廃棄物を利用して電力を生産する。
・公共輸送用に液体バイオ燃料の使用を推進する(公共輸送用として、
2003 年までに年間6,000 トン、2010 年までに年間1 万トン)。都市部
の交通によるCO2 排出量を削減するための補完的施策を推進する。
・コージェネレーション・システムの導入など、エネルギーの合理的利用
のための施策を推進する。
・データの定期的収集と関連指標の作成により、環境モニタリング技術
を改善する。
上記に関連して計画されている活動を要約すると、次のとおりである。
太陽熱
Chieti 県は、イタリア環境省が推進している “Commune Solarizzato”
プロジェクトに積極的に参加している。このプロジェクトに参加している
同県と10 市町村は、2003 年までに2,000 平方メートルの太陽熱吸収
パネルを設置するために活動している。
太陽光(PV)
商業中心地と工場における太陽光発電パネルの設置活動および全国
で展開されている「太陽光発電屋根」キャンペーンを支援している。
風力
民間部門における205MW の風力発電基地の建設支援と、公共部門に
おける小規模風力発電設備(50 kW 未満)の試験的導入を実施している。
バイオマス
2 つの地域暖房プロジェクトが決定された。これは、オリーブ搾りかすと
森林廃材を燃焼させて、暖房用熱の生産と同時に、7 MW の電力を生産
するものである。さらに、山間地域や農村地域でのガス燃焼式熱電併給
システムと木くず燃焼式小型発電システムに対しても、資金援助が行わ
れている。
その208に続く 以上
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