「平成の船中八策」を実現する市民の会、その239[欧州連合における(再生可能エネルギー開発問題48)」
3-6 太陽熱利用地域暖房プロジェクト
3-6-1 はじめに
新規住宅開発において、太陽熱利用暖房システムを導入することに
より70%の化石燃料が節減できる。このシステムは、一戸建て住宅に
限定されることはないが、規模が大きくなればなるほど経済性が向
上する。
欧州では、20 から1,000 の集合住宅に熱を供給する大規模太陽熱
暖房施設が、欧州委員会の支援により、9 地点で設置されている。
これらの利点は、個別暖房に比べ、コストベネフィット比が40%も高い
ことである。
3-6-2 欧州における太陽熱利用
現在、欧州全域で、合計1,000 万平方メートルの太陽熱温水パネル
が設置されている。これらは、大部分が一戸建て住宅に設置されて
いるもので、500 平方メートル以上の太陽熱温水パネルを有する暖
房設備の比率は僅か1%に過ぎない。大規模設備は、オーストリア、
ドイツ、イタリア、オランダ、およびスウェーデンの5 カ国に設置され
ている。このプロジェクトの狙いは、大規模太陽熱暖房システムの
技術を多くの国に普及させ、CO2 削減を達成しようというものである。
3-6-3 大規模太陽熱地域暖房
大規模太陽熱地域暖房システムは、中央暖房ステーションから、20
ないし1,000 の家庭に温水を供給するもので、従来型の小規模太陽
集熱パネルが個々の住宅の屋上に設置されるのと異なり、大規模な
パネルを纏めて屋上(一部の屋上)に設置するものである。蓄熱槽
には1~2 日分の蓄熱が可能な短期間型と、季節間の蓄熱が可能な
大規模タイプがある。1~2 日分の熱需要(暖房と給湯用熱源)を蓄熱
できる蓄熱槽では、熱需要の変動幅が10~20%に制限される。一方、
季節間の蓄熱が可能な大型蓄熱槽では、季節による熱需要の変動
(夏季と冬季の熱需要の差及び熱吸収の差)を調節することができる
もので、40~70%の変動幅を可能とする蓄熱容量がある。
3-6-4 大規模太陽熱温水システムの利点
大規模太陽熱温水システムには、次のような利点がある。
* 大型太陽パネルは、屋根の一部を代替できる。
* 小規模パネルを多数設置するよりも、大型パネルを設置するほ
うが経済的である。
* 大規模地域暖房では熱需要が平準化され、ピーク需要が減少
する。
* コントロール装置やポンプ、安全弁などの数が少なくてすむ。
* 一般に、大規模太陽熱暖房施設は、専門性の高い会社によっ
て設計建設されるので、信頼性が高い。
* 大規模太陽熱暖房設備は、選任の運転員によって運転される
ので、問題点が早急に検出され、改善が図られる。
* 太陽熱吸収効率が大規模になるほど高くなる。
* 大規模になるほど単位当たりの建設費が安くなる。すなわち、
コストベネフィット比が大きい。
大規模太陽熱暖房設備のコストベネフィット比(太陽熱利用便益
/建設費)は、分散型小規模太陽温水器に比べて、短期間蓄熱
タイプの40%、季節間蓄熱タイプで30%向上する。
その240に続く 以上
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