「平成の船中八策」を実現する市民の会、その246[欧州連合における(再生可能エネルギー開発問題55)」
4-3-4 グリーン証書制度の導入
前記のような補助制度による再生可能エネルギー開発促進政策は、
2002 年で廃止され、2003 年からグリーン証書制度による促進策に
変更される予定である。なお、風力発電プラントの発電電力量に対
する補助制度は、グリーン証書制度導入後も暫定的な制度として、
存続する予定である。存続期間は7 年とされ、段階的に廃止される。
スウェーデンが導入しようとしているグリーン証書制度は、風力、
太陽光、地熱、小水力、波力、バイオ燃料を再生可能エネルギーと
定め、これらによる発電電力(グリーン電力)の1MWh につき1 単位
のグリーン証書を、グリーン電力発電者に交付するものである。
グリーン証書は、グリーン証書市場で取引される。一方、電力供給
者*には、一定割合のグリーン電力証書の所有が義務付けられ、
この義務を達成するためにグリーン証書市場から証書を購入する
ことになる。義務を達成できなかった場合には、電力供給者に
ペナルティーが課される。
*: グリーン証書の購入義務は、法的には電力消費者に課されて
いるが、実際には電力供給者が消費者に代わって購入義務を果た
している。グリーン証書の所有義務は、2010 年までに、100 億kWh
の再生可能エネルギーを生産することを目標として決められている。
この目標を達成するために、グリーン電力の供給電力に占める割
合が、2003 年の7%から年々引き上げられ、2010 年には17%に
引き上げられる。
このような仕組みにより、グリーン証書に強制的な需要が生まれ、
発電者は証書を販売することにより、グリーン電力の割高なコストを、
証書の販売で回収することが可能となる。
なお、グリーン電力発電者の認定、グリーン電力発電量の算定、
そして、グリーン証書の発行、グリーン証書市場の運営管理などを
始めとする本制度の運用に関する業務は、スウェーデンの基幹系
統運用者であるSvenska Kraftnät 社が担当する。
グリーン証書の取引も、グリーン電力の取引も、市場を通じて行わ
れる。従って、これらの価格は、需給によって決まる競争価格となる。
この結果、再生可能エネルギーの開発といえども競争力のあるもの
から開発され、経済合理性のある開発が達成できるというのが、この
制度の特徴であり狙いである。したがって、本制度は、補助金制度の
ような直接的助成ではなく、マーケット・メカニズムを取り入れた間接
的な補助制度といえる。グリーン証書制度は、オランダ、デンマーク、
英国、イタリア、オーストリア、そして最近ではベルギーでも採用され
ている。以上がスウェーデンにおけるグリーン証書制度の概要である。
実施時期については、当初2003 年1 月の予定であったが、現時点
では、同年5 月1 日からの実施に変更されている。
表-4に、スウェーデンおよびベルギーのグリーン証書制度の概要を
一覧表に纏めて示す。
その247に続く 以上
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