「平成の船中八策」を実現する市民の会、その251[欧州連合における(再生可能エネルギー開発問題60)」
(5)セメント工場廃熱利用発電
スリーテ(Slite)にあるセメント工場は、北欧における最大規模のもの
であり、ゴットランドの総エネルギー消費の25%を消費している。
スウェーデン国営電力会社バッテンファル(Vattenfall)の支援のもとに、
工場廃熱を利用する発電設備が建設された。この施設により2000 年
には工場の総使用エネルギーの1/4に相当する5,000 万kWh が発電
された。又、余剰廃熱の一部は近くの農業用温室にも供給されている。
実施主体
Cementa AB, Slite
Vattenfal lAB
投資金額:8.5 百万ユーロ
(6)自動車用燃料RME の製造
RME(Raps Methyl Ester)は、菜種油から抽出される有機燃料である。
新型ディーゼルエンジンは、RME そのもの、あるいはRME とディー
ゼル油との混合油、のどちらでも使用できる。化石燃料使用削減の
公約を果たし、かつ、その良い実例を示すために、地方政府は、
約60台の公用車にRME 燃料を使用している。ヴィスビィ(Visby)、
ヘムゼ(Hemse)、スリーテ(Slite)の都市では、一般市民のための商
業用RME 充填所が設置されている。そのほか、企業がRME 使用
の車両を所有し、RME 充填所を設置している例もある。ちなみに、
現在のRME 使用エンジンの燃費は、約20km/リットルである。
実施主体
The Municipality of Gotland
Lantmännen
Skogsvårdsstyrelsen
Hassela collective
Bil City,Visby
(7)燃料電池バス
水素を燃料とする燃料電池バスによる交通システムの開発が、新規
プロジェクトとして研究されている。このプロジェクトは、USHER(Urban
Integrated Solar Hydrogen EconomyRealisation)と名付けられ、排気
ガスを削減し、持続可能な交通システムを開発する目的のものである。
このシステムをヴィスビィの町に採用すれば、世界的にも貴重な中世
時代の遺跡の保護にも寄与する。
このプロジェクトはユニークで、バスを走らせるための水素は、水を電
気分解して作られる。電気分解に必要な電気は、2,500 平方メートル
の太陽電池から得られる。バスに供給された水素は、燃料電池の触
媒作用により酸素と結合して電気エネルギーを発生して水に戻る。
バスから排出されるものは水だけである。かくして、サイクルは完結し
持続可能なシステムとなる。燃料電池バスによる新交通システムは、
ヴィスビィの町で2004 年に運用開始される予定である。
実施主体
European Commission
Sweedish National Energy Authority
その252に続く 以上
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