「平成の船中八策」を実現する市民の会、その256[欧州連合における(再生可能エネルギー開発問題65)」
4-8-4 野心的な風力開発計画
このようなウインドパークの成功をうけて、ナバーラ地方議会は、ナバ
ーラ地域エネルギー計画を1996 年1 月に採択した。この計画は、RES
開発を最優先し、そしてRES 開発を地域の共同事業とするものである。
同計画は、2000 年までに220MW の風力発電を建設する(当時は野
心的な計画と思われていたが実績はこれを大きく上回った)、2010 年
までに636MW を実現する(これも数年前倒しで達成されると思われる)
というものである。
一方、EHN 社は、El Perdon における経験を基に、同社の風力開発計
画をナバーラ地方政府に提出した。この計画は、自然環境に最大限配
慮して、1999 年末までに249MW のウインドファームを建設、その後数
年以内に580MW の開発を行うというもので、1996 年に承認された
(本計画は、前述のように計画どおり実現しつつある)。
4-8-5 風力産業の成立
このような風力開発に代表される再生可能エネルギー開発ブームは、
たんに、エネルギー面、環境面で利益をもたらすばかりでなく、ナバー
ラ地域内外に重要な産業を育成する原動力になった。
1994 年にEHN 社は、風力タービンメーカーであるガメサ社(Gamesa
Eόlica)の設立に資本参加し、1995 年には185 基の風力タービンの購
入契約をガメサ社と締結した。これは当時の風力産業界での最大の
契約であり、これがナバーラ地方にタービン翼の製造工場、風力タワ
ー製造工場および風力タービン発電機組立工場設立の契機となった。
これらの工場はナバーラ地方に1,300 人の雇用を産み出しており、
また、ナバーラ地方およびカスティーリャ・ラ・マンチャ(Castilla La
Mancha)地方におけるEHN 社の風力開発投資が、直接間接に
7,000 人の雇用をもたらしている。
EHN グループは、2001 年時点で、36 のウインドファーム(1,403
ユニット、合計出力950MW)を所有・運転、20 億4,000kWh/年を
発電している。
今や、EHN 社は、RES 開発分野におけるリーダーであり、スペイン
の風力設備の30%世界の風力発電量の5%を占めるに至っている。
同社の主要な株主は、ナバーラ政府(38%)、イベルドローラ電力会
社(37%)、ポートランド・セメント会社(15%)、Caja ナバーラ(10%)と
なっている。
その257に続く 以上
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