「平成の船中八策」を実現する市民の会、その270[欧州連合における(言語問題⑥)」
EUの拡大とはどういうことを意味するのか?
2004年5月1日、EU加盟国は15カ国から25カ国に拡大しました。新た
な加盟国は、マルタ、キプロス、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、
ポーランド、チェコ、エストニア、ラトビア、リトアニアです。加盟国の言
語は11言語から20言語に増え、EU総人口は4億5500万人に拡大しま
した。また、多少の例外はありますが、議事録、出版物、新しい法律
についても、これら様々な加盟国の言語に翻訳しなければなりません。
数年後、ルーマニアとブルガリアがEUに加盟することになれば、EUの
人口はさらに3100万人増加します。そうすると、加盟国の言語数は22
言語となり、翻訳に必要な言語の組み合わせは462言語に上ります。
(この言語数は、言語数をnとした場合、n(n-1)という公式によって求
められます。)
ルーマニアやブルガリアと時期を同じくして、トルコもEUに加盟する
可能性があります。トルコが加盟した場合のEU総人口は、
5億5000万人になります。
ユーゴスラビア(セルビア‐モンテネグロ)、クロアチア、ボスニア、
マケドニア、アルバニアといった国々も、数十年後にはEUに加盟する
ことになりそうです。そうなると、EUは加盟国33カ国、
総人口5億7500万人になり、新しく5言語(セルビア語、クロアチア語、
ボスニア語、マケドニア語、アルバニア語)が加わります。これほど
の大帝国EUがなぜ、加盟国同士で意思疎通を図る共通語として、
実用的な言葉を使用しないくてもいいのでしょうか。いや、共通の
言葉をもつべきなのです。当たり前です。当然です。疑う余地など
ないのです。
EUのたくさんの言語にかかる経費はどの
ぐらい?
700,000,000ユーロ = 90,000,000,000円
11言語にかかった2003年度の経費は、700,000,000ユーロに上ります。
2005年5月1日EUの公用語に新たに9言語が加わったことによって、
この数字はさらに大きくはね上がることになります。これら複数の
言語にかかる実際の経費は、この数字が示しているよりも遥かに
大きい金額なのです。というのも、この数字には、各国が自分の国
で行っているEU関連の翻訳にかかる経費が含まれていないからです。
しかし、この何百万ユーロというお金には、もっといい使い道があるの
ではないでしょうか。
EUの公用語が11言語だった2003年時点で、通訳や翻訳者およそ
4000人が常勤で働いていました。これら職員に加え、さらに
フリーランスの翻訳者が大勢雇われ、EUの翻訳業務の20%をこなし
ていました。詳しい数字こそわかりませんが、これらの数字は、数年
の間にさらに大きく膨れ上がることでしょう。
その271に続く 以上
« 米国有力紙ニューヨーク・タイムズ「尖閣は中国領と思う」と報じる! | トップページ | 米国・イエローストーンの噴火に付いての異論あり! »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
« 米国有力紙ニューヨーク・タイムズ「尖閣は中国領と思う」と報じる! | トップページ | 米国・イエローストーンの噴火に付いての異論あり! »
コメント