「平成の船中八策」を実現する市民の会、その272[欧州連合における(言語問題⑧)」
EUの共通語になるべき言語はどれか?
EUがどの言語を共通語にするか決めれば(遅かれ早かれそうせざる
を得ませんが)、加盟国からどこかの国の言葉をひとつ選んで共通語
とするのは納得のいく選択とは思えません。なぜなら、言語のもつ力
は他のあらゆる領域の力をも拡大させるからです。
もしエスペラント語がEUの共通語に選ばれたとしたら、EU市民の間に、
かなり高い水準の言語学的公平さをもたらすでしょう。さらに注目すべ
きことは、エスペラント語が他のすべての言語と文化を守り伝えていく
機能を備えている点です。多様な文化が存在する世界と、ごく少数の
文化しか存在しない単純な世界と、みなさんなら将来どちらを望みま
すか。
エマ・ボニーノ(Emma Bonino)は、ヨーロッパ委員会に顔を並べる
イタリアの政治家です。彼女はある雑誌のインタヴューで、共通語の
不在がEUの経済成長を阻んでいると述べています。また、中立言語
は文化の多様性と少数派言語を保護できるという利点を備えており、
様々な研究結果が示しているように、エスペラント語は言語習得に
かかる時間を短縮することができると高く評価しています。
連帯
EUは世界の貧しい国々と連帯して、中立的な言語であり、しかも簡単
に学べる共通の実務言語を選ばなくてはいけません。英語は文法も
スペルも複雑で、発音に至ってはもっと複雑です。教師には高い能力
が要求され、非常に長い学習時間を要します(だからたくさんお金が
かかるのです)。
世界はますます小さくなっています。EUが共通の実務言語を選ぶため
には、国境を越えてEU以外の国々にも目を向けなくてはいけません。
例えどの言語が選ばれたとしても、その決定はEUの中だけでなく、
EU以外の世界中の国々にも大きな影響を与えるでしょう。今日の世界
では、言語の異なる地域同士がコミュニケーションを図るための共通
言語が必要とされています。世界はますます複雑になり、とりわけ国際
的な情報のやりとりが急速に増加しています。
EUは世界経済において、ますます重要な位置を占めるようになりました。
EUが共通の実務言語をもつと決め、EU内のどの国の学校教育にも
その言語が取り入れられたとしたら、一躍世界の言葉となり、国連の
公用語として採用されることになるでしょう。
正しい決定を下さなければ…
実務言語として、エスペラント語以外に今現実的に考えられる言語は
英語です。もし英語が選ばれたら、イギリスやアメリカがヨーロッパ生活
文化に(そのほかの文化にも)与える影響をさらに助長し、多くの少数
派言語の存続を脅かすことになるでしょう。そうして、簡単に影響を受
け、順応してしまうヨーロッパや世界を築いてしまうことになりかねませ
ん。そのうえ英語は、ヨーロッパ人でさえ、EUの各機関で論議にあがっ
ている内容についていけるほど英語を使いこなせたり、会議の議事録
を理解できたりする人はほとんどいないという、難しい言語なのです。
しかも、英語はヨーロッパ人が思っているほどには、有力な国際語では
ないのです。
みなさんは、多様な文化が存在する世界を守りたいと思いますか。色々
な文化が影響し合い、刺激し合い、発展し合う世界を守っていきたいと
思いますか。
その273に続く 以上
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