「平成の船中八策」を実現する市民の会、その284[欧州連合における(言語問題⑳)」
言語と経済
50州からなる連邦国家であるアメリカは、世界有数の産業国です。
これは、アメリカの経済システムによるところが大きいですが、その
ほかにも、50州どの州でも英語が話されていることにもよります。
ビジネス、科学技術、科学研究に限らず、国際政治においても英語
が有力な国際語として君臨しているからです。
アメリカ人は技術者や科学者になりたいからといって、外国語の学
習に、若い頃の何年間も費やす必要がありません。どうして学ぶ必
要などあるでしょうか。一方、母語が英語でない人は、英語を勉強
しなくてはなりません。「時間を浪費」しなくてもよい英語話者に比べ、
英語を勉強しなければいけない人々は、大きな遅れをとっているの
です。英語を母語としない人のほとんどが、英語学習に何年も費や
しているにもかかわらず、自分が専門とする分野でも、専門家が書
いた英語の文章を読んだり、英語の会議に出席したとき全部理解
できたりするというわけにはいかないのです。
歴史も大切
ますます複雑になるこの世界で、科学技術はスピードを増しながら
発達しています。いくら若者に何年も語学を学ばせても、英語話者
に対して不利でなくなるどころか、かえって不利なるばかりです。学
生が語学勉強に費やす何年間という時間は、本当なら歴史、経済、
文学、数学、職業訓練、就職市場に費やすことができる時間なの
です。これからの世代になればなるほど、語学力は必要不可欠に
なります。しかしこれからの世代の人の脳も、現在の私たちの脳と
同じ容量しかないのです。彼らは、どうやってこの増え続ける知識
に対応すればいいのでしょうか。簡単に学習できる国際語がいつ
でも近くにあるのですから、政治家たちがこの問題に進んで取り組
んでくれれば、簡単に解決されるでしょう。国連やEUの政治家が、
この言語を各組織の共通の実務言語に選びさえすれば、すぐに
でもこの言葉は国際的なコミュニケーションや科学のための世界
の共通語になるでしょう。
よく似た政治形態をもつ国の経済成長の格差は、おそらく各国の
教育の一般水準の格差がその最も大きな要因です。つまり、就職
市場に乗り出す準備として、ある国では若者が学校の英語学習に
計2年かけている間に、英語を母語とする国では、もっと高度に経
済を発展させているというわけです。
もちろんこのほかにも、政治腐敗からの解放、優れた経済基盤、
安定した市場、活発な投資、競争国に対して有利な価格水準など
といった、経済成長にとって大切な要因が存在します。
失敗に終わった国際取引
好きか嫌いかはさておき、もはや純粋な国家経済というものは存
在せず、世界は地球規模の統合経済へと移っているという現実を
受け入れなければいけません。国家間の取引では、売り手と買い
手の意思疎通が不可欠です。誤解を避けるため、売り手と買い手
がどちらも十分に理解できる言語を使う必要があります。例えば
スウェーデン人と日本人のビジネスマンが、たまたまどちらも英語
を十分に使いこなせなかったために、商取引がいくつ失敗に終わ
ったことでしょうか。世界35カ国に事務所を抱えるベーカー&マッケ
ンジー外国法事務弁護士事務所(Internatinal Lawyer Firm Baker
MaKenzie)によると、国際取引の失敗の背景にある最大要因は
誤解であるとしています。
言語の混乱により、国家間の通商はスムーズに進まず、翻訳には
毎年何10億ドルという、巨額の経費がかかります。そして、末端で
その経費を支えているのは各家庭なのです。
貧しい国には悪条件の取引をしている余裕はない
語学力が低いからといって、貧しい国々は条件の悪い取引をして
いるわけにはいかないのです。
世界中の若者が学校でエスペラント語を習うことになったら、ほと
んどだれも習得できないような外国語を、何年もかけて一つまたは
何ヶ国語も習うことなどなく、自国の経済に直接貢献できるほかの
科目を勉強する余裕が生まれるでしょう。そうなれば、教育の一般
水準も上がり、生活水準も向上することでしょう。大切だとされる母
国語や歴史についてもっと深く勉強する時間も生まれます。
その285に続く 以上
複数の調査結果より、同じ言葉を話す地域間で貿易と投資が増えていることが明らかになりました。エスペラント語の本来の目的は、母語にとってかわることではなく、それらの異なる言語を守り伝える手助けをすることにあるのです。将来、みんなが自国語とエスペラント語を習得した世界やEUでは、もはや言葉の壁など存在しなくなるのです。このことは、間違いなく投資や貿易を促進し、それぞれの地域の繁栄に貢献することでしょう。
« マスコミに二度と騙され無いために! | トップページ | 崩壊に向うイギリス、明日は日本か? »
コメント