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2011年3月 2日 (水)

「平成の船中八策」を実現する市民の会、その298[欧州連合における(言語問題34)」

数は万国共通

ここで、現在の数の体系0、1、2、3、4…、つまり十進法の例を見て

みましょう。この十進法の概念は、1700年前に、インドで生まれました。

アラビア人の移住に伴い、この計算体系は中世ヨーロッパにも伝わり

ましたが、その時の人々の反応はどうだったのでしょうか。当時の

数学者たちが、この新しい概念をすんなりと受け入れたでしょうか。

もちろん、そんなわけがありません。当時のヨーロッパでは、計算

するのに、算術表を使う複雑な操作が必要であり、かけ算をするにも、

大学で教育を受ける必要がありました。新しい体系に対する抵抗は

激しく、長期にわたりました。計算の技術は、ごく一握りのエリート

だけに限られており、一般の人々がこの高尚な技術に近づくことは、

数学者たちを脅かすものでした。どちらが勝ったかは明らかです。

この勝利は、数学だけでなく、長い目でみれば、民主主義と平等の

ための勝利でもありました。私たちが今日使っている数は、いまだ

たった唯一の国際語です。もっと詳しく知りたければ、

ジョルジュ・イフラー(Georges Ifrah)の著書『数字の歴史』

“The Universal History of Numbers: From Prehistory to the

Invention of the Computer”をさらに読んで下さい。

エスペラント語運動に参加している人の中にさえ、エスペラント語を

EUや国連の共通の実務言語に推し進めることに反対している人が、

ごくわずかですが、存在します。どうも、彼らはエスペラント語を、

選ばれた少しの人間だけが共有できる、秘密の言語にしたいようです。

新しいものは何でも怖い

新しいものや見慣れないものなら、なんでも恐れる人がいます。

しかし、彼らもエスペラント語がもたらすメリットに気がつけば、すぐに

でもエスペラント語を受け入れることができると、私は信じています。

それは、エスペラント語が、英語も含め、どの国の言語も守り伝える

ことのできる言葉だからです。自分たちの言葉や文化を大切にする

ことは当然ですが、だからといって、他の人々が自分たちの言葉や

文化を守り伝えることを邪魔する権利はないのです。私たちは誰もが

、尊重し大切にすべき歴史をもっているのです。

ほとんどの人は、言葉という安全な壁に守られて、この地球の自分

たちの世界で安心しているかもしれません。もしかすると、彼らは

自分達の国がいつか難民や移民で溢れるのではないかと怯えている

かもしれません。これらは、全く別々の話なのです。私たちが

エスペラント語を選ぶかどうかに関係なく、難民や移民に関する政策は、

難民自身ではなく、私たちの国の実力者によって決められるのです。

多くの人がエスペラント語を話せる世界では、世界の難民問題の背景

にある多くの原因が減少するか、消えるのではないかと、私は思うのです

   その299に続く                       以上

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