「3.11テロ」、ヒラリー・クリントン来日後の日米関係!
某新聞社系の週刊誌の取材の返答 |
アルルの男・ヒロシです。
以下のように取材に対応しました。
====
******様
中田安彦です。
SNSI の 統一見解などというものはございませんので、私の考えだけを簡単にお知らせします。
1、米対日タスクフォースは東電解体を進める意向なのかどうか、取扱の方向性に関して。もしくは、「ジャパン・ハンドラーズ」の意向について。
⇒米国が東電解体を進めるのは、それにより米国の財界に何らかの合理性があるときです。ただし、今はそれは見当たりません。ただ、ご存知のようにヒラリー長官の来日に合わせて「事態収拾に向けての工程表」が作成され、それが松本外相の手によってヒラリー長官の手に渡ったことは、そのプラン(東電と経産省と原子炉メーカーの作成案だと私は理解しますが)が当然米国で精査されると理解します。
⇒いわゆる「ジャパン・ハンド」の意向は明確です。今回の震災支援に中国とロシアのプレゼンスがほとんどなかったことでわかるように、米国の対日エキスパート、米太平洋軍、米国大使館(国務省)は、今回の危機に乗じて中国が日本への影響力を増やすことを警戒していました。だからこそ空母を東北沿岸にまで派遣したわけです。ですから、米国は今後、原発事故の収束の推移と並行して、数カ月で自由貿易(TPPを少し穏やかにしたもの)や安保枠組みの再定義など日米同盟の「深化」をアジェンダとして掲げてくるでしょう。今回のCSISのタスクフォースの人選にボーイングや安全保障人脈が含まれていたことは、その流れを示唆しています。いわば、出来の悪い子分が犯したチョンボを呆れながら見ているのが今の米国の日本に対する視点でしょう。
2、政府内での東電の扱いに関してのご見解。
⇒ ご質問は東電の今後ということだと思いますが、すでに報道があるように「預金保険機構」型の処理が政府方針となっています。菅首相は「東電を民間のママで残す」と記者会見で話していますからこれが政府方針となるでしょう。いわゆる私が心配した「TBTF(大きすぎて潰せない)」という状況になっています。東電には2兆円の公的資金が注入されますが、これがいずれ東電によってうまく利益や電気代から償還・返還されれば国民負担はゼロになります。ただ、それはないでしょうが。米国の銀行救済や住専問題と似ているが、放射能汚染という点で大きく違うと思われます。さらに、東電に今後も原子力発電所を運転させて大丈夫なのかという問題が残りますが、これも規制を強化したり、よくて30年過ぎた原発を随時廃止する(それでもいまや残り50基となった日本の原発は1年に2基のペースで閉鎖し、新設を行わなければ、25年で脱原発になります)という方針になる程度だと思います。結局、自民党時代の「民族派財界人」の成れの果てが今の電事連です。
3、ヒラリー・クリントン国務長官の来日の狙いに関して、原発を推進させるための政府向けの地ならし、といった見方がありますが、貴戦略研究所のご見解。
⇒ これも私個人の見解ですが、すでに1で述べたように、対中国牽制の米国外交方針が日本政府にすでに告げられており、これがしばらくして本格化するでしょう。米国がオバマ政権のNSCアジア上級部長を中国派のブルッキングス研究所のジェフリー・ベイダーから、神戸総領事だったこともある、ケネス・ラッセル(関西弁が得意)を起用し、舌禍事件のケヴィン・メアのNSC昇格を見送ったと思われます。このシフトは別に震災がなくても既定路線でした。ただし、前原誠司前外相が北朝鮮に接触があるなどの予定外の事態はありました。
また、原発について言えば。GEの炉が問題を起こしており、原発ビジネスではGEと日立は共同して世界展開をする必要があり、先んじてサルコジ仏大統領とアレヴァのローベルジョンCEOが廃炉・放射線水処理の売り込みにやってきたこともあり、ヒラリーとしてはおっしゃるようなことではありませんが、これが米国の反原発に波及することだけは避けたいでしょう。
なお、これは象徴的な意味合いですが、今回の震災は日本の戦後の「第2の敗戦」(マネー敗戦に続く)であると言えます。戦後、日本は60年間ほど米国の属国をやってきましたが、今回の震災対応を見ていると、「まだまだ米国から自立できそうにない」という感想をもちました。日本は原発大国でありながら米国ではとっくに解決されていた原子炉冷却の電源問題でつまずき、当然、開発すべき無人原発処理ロボットも開発が出来ていなかったことが露呈しました。米国の技術を盲信した事による副作用としか言うほかありません。
今は米国も「今後の原子力災害に活かすためのデータ収集」と割り切っているでしょうが、現在のように不安定な日本は、ライバルである中国との関係で米国の利害(基地)を守るために支えざるを得ないでしょう。青森には三沢基地もあります。
以下のように取材に対応しました。
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******様
中田安彦です。
SNSI の 統一見解などというものはございませんので、私の考えだけを簡単にお知らせします。
1、米対日タスクフォースは東電解体を進める意向なのかどうか、取扱の方向性に関して。もしくは、「ジャパン・ハンドラーズ」の意向について。
⇒米国が東電解体を進めるのは、それにより米国の財界に何らかの合理性があるときです。ただし、今はそれは見当たりません。ただ、ご存知のようにヒラリー長官の来日に合わせて「事態収拾に向けての工程表」が作成され、それが松本外相の手によってヒラリー長官の手に渡ったことは、そのプラン(東電と経産省と原子炉メーカーの作成案だと私は理解しますが)が当然米国で精査されると理解します。
⇒いわゆる「ジャパン・ハンド」の意向は明確です。今回の震災支援に中国とロシアのプレゼンスがほとんどなかったことでわかるように、米国の対日エキスパート、米太平洋軍、米国大使館(国務省)は、今回の危機に乗じて中国が日本への影響力を増やすことを警戒していました。だからこそ空母を東北沿岸にまで派遣したわけです。ですから、米国は今後、原発事故の収束の推移と並行して、数カ月で自由貿易(TPPを少し穏やかにしたもの)や安保枠組みの再定義など日米同盟の「深化」をアジェンダとして掲げてくるでしょう。今回のCSISのタスクフォースの人選にボーイングや安全保障人脈が含まれていたことは、その流れを示唆しています。いわば、出来の悪い子分が犯したチョンボを呆れながら見ているのが今の米国の日本に対する視点でしょう。
2、政府内での東電の扱いに関してのご見解。
⇒ ご質問は東電の今後ということだと思いますが、すでに報道があるように「預金保険機構」型の処理が政府方針となっています。菅首相は「東電を民間のママで残す」と記者会見で話していますからこれが政府方針となるでしょう。いわゆる私が心配した「TBTF(大きすぎて潰せない)」という状況になっています。東電には2兆円の公的資金が注入されますが、これがいずれ東電によってうまく利益や電気代から償還・返還されれば国民負担はゼロになります。ただ、それはないでしょうが。米国の銀行救済や住専問題と似ているが、放射能汚染という点で大きく違うと思われます。さらに、東電に今後も原子力発電所を運転させて大丈夫なのかという問題が残りますが、これも規制を強化したり、よくて30年過ぎた原発を随時廃止する(それでもいまや残り50基となった日本の原発は1年に2基のペースで閉鎖し、新設を行わなければ、25年で脱原発になります)という方針になる程度だと思います。結局、自民党時代の「民族派財界人」の成れの果てが今の電事連です。
3、ヒラリー・クリントン国務長官の来日の狙いに関して、原発を推進させるための政府向けの地ならし、といった見方がありますが、貴戦略研究所のご見解。
⇒ これも私個人の見解ですが、すでに1で述べたように、対中国牽制の米国外交方針が日本政府にすでに告げられており、これがしばらくして本格化するでしょう。米国がオバマ政権のNSCアジア上級部長を中国派のブルッキングス研究所のジェフリー・ベイダーから、神戸総領事だったこともある、ケネス・ラッセル(関西弁が得意)を起用し、舌禍事件のケヴィン・メアのNSC昇格を見送ったと思われます。このシフトは別に震災がなくても既定路線でした。ただし、前原誠司前外相が北朝鮮に接触があるなどの予定外の事態はありました。
また、原発について言えば。GEの炉が問題を起こしており、原発ビジネスではGEと日立は共同して世界展開をする必要があり、先んじてサルコジ仏大統領とアレヴァのローベルジョンCEOが廃炉・放射線水処理の売り込みにやってきたこともあり、ヒラリーとしてはおっしゃるようなことではありませんが、これが米国の反原発に波及することだけは避けたいでしょう。
なお、これは象徴的な意味合いですが、今回の震災は日本の戦後の「第2の敗戦」(マネー敗戦に続く)であると言えます。戦後、日本は60年間ほど米国の属国をやってきましたが、今回の震災対応を見ていると、「まだまだ米国から自立できそうにない」という感想をもちました。日本は原発大国でありながら米国ではとっくに解決されていた原子炉冷却の電源問題でつまずき、当然、開発すべき無人原発処理ロボットも開発が出来ていなかったことが露呈しました。米国の技術を盲信した事による副作用としか言うほかありません。
今は米国も「今後の原子力災害に活かすためのデータ収集」と割り切っているでしょうが、現在のように不安定な日本は、ライバルである中国との関係で米国の利害(基地)を守るために支えざるを得ないでしょう。青森には三沢基地もあります。
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