発生しなかった大地震!
今回の記事
今回は一部メルマガに書いた記事を転載する。地震の発生に関するものだ。
次に、今年の9月が話題のエレニン彗星の接近や、いくつかの重要な惑星直列が発生する月となっている。これがどのようなものか詳しく紹介する。
最後に、アメリカが一時的にでもデフォルトする可能性が出てきた。これからどのようなことが起こる可能性があるのか見て見る。
発生しなかった大地震
前回の記事では、1)黒点数が100を越える日の継続、2)惑星直列、3)太陽フレアや太陽質量放射の発生など、大地震の前兆と見られるような現象が続いて発生した。3月11日の東日本大震災の数日前にもほぼ同じ現象が現れたので、6月11日から15日までの期間に地震が発生する可能性があるとして警告した。
しかし、大きな地震はこの期間には発生しなかった。6月13日にニュージーランド南島のマグニチュード6.0、そしてモルッカ諸島のマグニチュード6.4の地震だけだった。特に大きな地震ではなく、通常の期間と同じ程度の状態だった。
南米チリ南部のブジェウエ火山が半世紀ぶりに規模の大きな噴火をしたが、これは6月4日に発生しており、予想された期間ではない。
太陽フレアとNOAA(米国海洋大気庁)の発表
前回の記事にも書いたが、6月7日、太陽黒点、1266と1267から中規模の太陽フレアが発生した。フレアそのものはたいした大きさではなかったが、フレアとともに、規模の大きなコロナ質量放射があった。
その一部が地球に向かうことが予想されていたので、地球では磁気嵐が発生して地磁気が撹乱され、それで異常気象や火山噴火、そして地震が誘発されるのではないかと懸念された。これが、6月11日から15日に地震発生が懸念されたひとつの理由であった。
この予測は、環境変化を観測する著名なサイト、「アースチェンジメディア」を主催するミッチ・バトロス氏の仮説に基づいている。
ミッチ・バトロス氏は、太陽に関する多くの著作がある著述家である。バトロス氏の仮説とは以下のような因果関係だ。
1)黒点数の増加
まず、黒点数が増加する。
2)太陽フレアの発生
黒点数の増減は太陽活動の活発さを表している。黒点数が増大すると太陽活動が活発となり、より頻繁に太陽フレアが発生するようになる。
3)磁気嵐の発生
太陽フレアとそれが誘発するコロナ質量放射が地球方向に向けられると、それらは地球の磁気圏と反応し、磁気嵐が地球の周囲で発生する。
4)大気と海流の変化
地球の磁気圏の撹乱は、大気と海流に影響し、流れを変化させる。
5)ハリケーン、暴風雨、火山噴火、地震などの発生
大気の流れと海流の変化で、ハリケーンや暴風雨などの異常気象が発生しやすくなる。因果関係ははっきりしていないが、この変化でなんらかのかたちで活断層が刺激され、火山噴火や地震が起こりやすくなる。
きちんと科学的に実証されたわけではないが、この仮説は「アースチェンジメディア」を通して広まった。かつて「アースチェンジメディア」では、NASAに関係している科学者や専門家をゲストとしたネットラジオを放送しており、それに出演した多くの専門家がミッチ・バトロス氏の仮説に賛同し、この仮説がこれからの研究の課題になる得るとしていた。すでにこれに関する論文も発表されているようだ。
6月11日のNOAA(米国海洋大気庁)の発表
しかし、太陽フレアが地球に到達する予定日とされていた11日、米国の太陽観測の拠点のひとつであるNOAA(米国海洋大気庁)は、太陽フレアが地球を外したか、または予想よりもはるかに小さかったため、地球で磁気嵐が発生する可能性は非常に低いと発表した。
つまり、磁気嵐が発生する可能性はほとんどないので、ミッチ・バトロス氏の仮説にしたがうと、少なくとも磁気嵐が引き金となる地震や異常気象は起こらないだろということだ。
もちろん、惑星直列など他の要因は存在していた。3月11日の東日本大震災では、惑星直列と太陽フレアによる磁気嵐の発生があった。だが少なくとも、3月11日のような状況ではすでになくなったということだ。
また、地球、水星、太陽の惑星直列も15日を最後に解消したので、惑星直列と太陽フレアに関する限り、地震を誘発する条件は解消したと言える。
もちろんどうなるかは分からないが、いまのところ、大きな地震が発生する予兆のようなものは見当たらない。その点ではある程度安心してよいかと思う。
惑星直列の次の時期
すでに紹介したように、コーネル大学から出ている論文では、惑星直列が地球に作用する引力の変動を引き起こし、それが活断層を刺激して地震を誘発する可能性が指摘されている。カナダに設置した多数の重力計の変化でこれが確認されたとのことである。
もしこのようなことが本当にあるとすれば、惑星が直列する次の時期が気になるところである。
エレニン彗星、太陽、地球の直列
すでに記事に書いたが、この論文では、統計的に地震を誘発する可能性がもっとも高いのが、エレニン彗星と太陽、そして地球の直列だという。3月11日の前後にもこの直列が観測されている。
9月に集中する直列
8月にも惑星直列発生するが、エレニン彗星がかかわる直列は9月に集中している。
まず、9月22日前後に地球、エレニン彗星、金星の直列が発生する。以下の図である。NASAのジェット推進研究所の軌道計算シミュレータを用いた。地球が画面の手前に来るように表示した。また、直列は赤い線で示した。
9月22日前後の直列
そして、次にやって来るのが、9月26日前後から27日まで続くと思われる、3月11日と同一のエレニン彗星、太陽、地球の直列である。以下の図だ。
9月26日前後からの直列
ただ9月のこの直列では、3月11日前後に出現した直列よりも、エレニン彗星が地球にはるかに接近している。どのような影響をもたらすのかは分からない。だが、地震の発生には注意したほうがよいことは間違いない。
特に、黒点が100を越える日が継続したり、太陽フレアが地球を直撃して磁気嵐が発生するなど他の条件が重なると、もしかしたら地震が発生する可能性は高まるかもしれない。いずれにせよ、注意したほうがよいようだ。
エレニン彗星の最接近
ところで、コルマン博士も「マヤカレンダーとシンクロしている」と言っているエレニン彗星だが、9月26日前後の直列後、エレニン彗星は地球に接近し、10月17日にはもっとも近くなる。以下の図だ。手前に見える点が地球だ。
10月17日の接近
接近すると言っても、地球とエレニン彗星との距離は0.232AU (約3400万キロ)もある。AUとは、太陽と地球の距離を1とした天文学の距離の単位だ。金星が地球に最接近したときの距離は0.28AU(4200万キロ)だから、これよりも地球に少し近い距離だ。いずれにせよ、地球に衝突するようなことはまずない。
そして、この後もエレニン彗星は地球に近接した軌道をとり、コルマンインデックスが終了する10月28日には、0.275AU(4300万キロ)とまだ地球に接近した状態にある。
10月28日のエレニン彗星の位置
ユーチューブで、3月11日の東日本大震災を予知した9Naniaの言うように、エレニン彗星の地球への最接近がポールシフトの引き金になるかどうかはまったく分からない。
むしろ、コルマン博士の言うように、この惑星の接近が意識の進化を示すなんらかの予兆としての役割を果たすのかもしれない。9月に集中する惑星直列から10月のエレニン彗星接近まで目が離せない。
アメリカのデフォルト
次のテーマに行く。5月16日、アメリカは法律で定められている国債発行の上限である14.6兆ドルに達したと発表した。その後オバマ政権は、米下院に上限の引き上げ法案を提出したが、共和党の反対多数で否決されてしまった。8月2日までは連邦政府職員が積み立てた年金を流用して国債の償還を実施することになっている。
今回は様子がかなり異なる
以前の記事にも書いたが、アメリカは新規に国債を発行して過去に発行した国債の償還を実施している。国債の上限引き上げ法案が可決せず、新規国債の発行ができなくなった場合、国債の償還ができなくなることから、その時点でアメリカはデフォルトする。
しかし、アメリカがデフォルトする可能性があることは過去に何度も指摘されてきた。それなりの危機感を持って受け止められたが、一時的にもデフォルトなどは起こったためしはなく、うわさされた格付け会社による米国債の格下げも現実的な話題になったことさえなかった。
しかし、過去に何度もうわさされたデフォルトとは異なり、今回だけは様子がおかしいのだ。
過去に何度もあった危機
リーマンショック以降の2009年9月から2010年までの状況が典型だが、デフォルトのみならず、米国の金融システムはこれまで何度も危機に見舞われている。
金融危機で明らかになった破綻懸念のある金融商品は膨大な額に上っており、サブプライムローンのように、これらがすべて破綻した場合、米国はその余波に耐えられず、国債の格下げによって資金の調達が将来的に困難になるのではないかという緊張は何度も走った。
かなり悲観的な予測も数多く出回ったことも1回や2回ではない。2009年末から2010年始めには、米国債の下落からドルが放棄され、基軸通貨が他の通貨に移ることで、アメリカは資金調達が困難となりデフォルトするのではないかと主流のエコノミストによっても真剣に語られた時期さえ過去にはあった。
しかし、その都度、米国政府は金利を実質的にゼロにしたり、FRBが大量の米国債を購入する量的緩和などの大胆な政策を発表し、危機を乗り越えてきた。予想を越えた株価の暴落など緊張が走る場面が何度かあったが、米国債の格下げに至るような事態の発生は未然に防止できた。
あまりに楽観的
しかし、今回はこれらの以前の危機とはまるで雰囲気も状況も異なるのである。シンクタンクの報告書やエコノミストの書いたものを読んでも、一部の専門家を除き、危機感がまるで感じられないのだ。米国債の格下げやデフォルトなど、あり得ないことだとたかをくくっているかのようなのだ。CIA系シンクタンクのストラトフォーはおおよそ次のようなことを言っている。
「米国債が格下げされたり、アメリカがデフォルトするのではないかといううわさがあるが、これは馬鹿げている。もし本当にそのようなことがあるなら、ドルはもはや基軸通貨であることはできなくなる。ドルという基軸通貨を失うと世界経済は維持できなくなる。そうした状況を、他の国々が許すはずはないのだ。米国債の格下げやアメリカのデフォルトは結局神話でしかない」
なぜデフォルトが起こらないとしているのか、具体的な理由の説明はない。ただ、「ないものはない」とだけ言いたいようだ。
一部の悲観的な専門家を除いて、ほとんどの論調はこのようにあまりに楽観的なのだ。
サブプライムローンが破綻する直前の状況と酷似
確かに、今回は民主党と共和党で国債発行の上限の引き上げで妥協できさえすれば回避されるので、破綻寸前の巨額の金融商品に直面した状況とは異なる。
しかし、過激なティーパーティー派に支配された共和党との妥協がいかに困難であるかは、5月30日の法案否決ではっきりしている。決して楽観してよい状況ではないはずだ。
楽観していて緊張感がない状態は、実は過去にもあった。それは、金融危機の発端となったサブプライムローンの破綻のときである。
2006年前半から、サブプライムローンが破綻する可能性があり、それによって、さまざまなローンをもとに作られる莫大な債務担保証券が破綻して金融危機が発生する可能性があることは、一部の専門家によって指摘されていた。
さまざまなメディアにそうした専門家の分析や意見が出るたびに、彼らは「ミスター・ドュームスデー(破滅屋さん)」などと揶揄され、まともに取り合われることはなかった。エコノミストを含め、「金融危機などありを得ない!」とタカをくくっていたのである。
今回の状況は、まさに2006年前半のときとよく状況が似ているのである。「想定外」として金融危機に対する準備がまったくなされていなかったので、危機を未然に防止することができなかったのだ。
「想定外」と楽観しているときほど危機が起こる
今回の福島第一原発の、炉心のメルトスルーを伴う大規模な放射能漏れにしても、津波が直接の原因ではない。地震によって引き起こされた停電による冷却プールの停止や、圧力容器に接続した配管の破損による冷却水の漏れが実際の原因であったことが明らかになってきている。
つまり、1000年に一度の津波を「想定」しなかったことが原因ではなく、いつでも起こり得る「停電」や、地震による「配管の破損」を、「そんなことは起こるわけがない」としていた楽観こそが原因であったのだ。
「想定外」なのだから、準備もへったくれもない。「そのようなことはないもの」として原発を運転していたわけである。
これは、サブプライムローン破綻が起こる直前の2006年のアメリカ、そして米国債の格下げとデフォルトを笑い飛ばしているいまのアメリカにそっくりなのだ。
これとは対極にあるEUと中国
このような状況と対極にあるのがいまのEUや中国だ。EUはギリシャを筆頭にしたPIIGS諸国のデフォルトの危機、そして中国は成長率の鈍化と5%を越えるインフレ、それを背景として拡大する社会不安などの危機を抱えている。
将来的にどこまで対応できるか分からないが、少なくともこれらの地域や国が危機を回避するために全力で取り組んでいることは間違いない。それは、リーマンショック以降、金融危機の拡大を必死で止めようとした米国政府の態度とよく似ている。
このようなとき、予想された危機は回避されるのである。いずれブログかメルマガに詳しく書くつもりだが、ギリシャのデフォルトが回避されると思われる。
一時的にも今度は本当にデフォルトするかもしれない
このように見ると、いまのアメリカは、米国債の格下げとデフォルトに関しては、日本の東電なみに「想定外」なのである。このまま行くと、米国議会は対応をあやまり、一時的にでも本当にデフォルトしてしまう可能性がある。
デフォルトするとなにが起こるのか?
ではデフォルトするとどうなるのか?どういうことが起こるのか具体的にさまざまな予測が出ているが、ここでは詳細を避け、いくつかのもっとも重要なポイントを解説したい。
財政赤字を一気に解消する
現在の米国議会では、財政赤字を一気に解消し、連邦政府の規模の徹底的な縮小を理念としているティーパーティー派(茶会派)が非常に強い。
イギリスの著名な経済誌、「エコノミスト」などの分析では、一時的にでもデフォルトした場合、議会では凄まじい緊縮財政によってすべての財政赤字を一気に解消させる法案が可決される可能性があるという。現在、アメリカの州政府では財政赤字は建前では禁止されているので、連邦政府に同じ条件が適用される可能性があるのである。
財政赤字の大きさはGDPの9%
アメリカの財政支出は巨額で、アメリカのGDPの24%に及んでいる。このうち、税収などの収入は15%に過ぎない。差額の9%が財政赤字である。
もし州政府と同じ条件が連邦政府に適用され、今後財政赤字が認められないというようなことにでもなれば、言葉では形容することのできないほどの極端な緊縮財政になるに違いない。連邦政府所有のほとんどの資産は売却され、あらゆる計画やプログラムが停止し、連邦政府職員のリストラが実施されるだろう。それは、いまギリシャなどのPIIGS諸国で実施されている緊縮財政の比ではないはずだ。
アメリカ経済の失速と世界経済の急な減速
もし本当にこのようなことにでもなれば、アメリカの経済は失速することは間違いない。いまのアメリカは、連邦政府の巨額な財政政策や量的緩和(QE2)などの金融政策でなんとか2~3%程度の成長率を維持しているのが現状だ。つまり、アメリカ経済は政府の経済政策に依存しているということだ。
財政赤字の完全な解消による超緊縮財政で、こうした経済政策はすべてできなくなることは間違いない。
すると、アメリカ経済は失速し、それに巻き込まれる形で、世界経済も一気に減速するだろう。
コルマンインデックスでタイミングを確認する
こにょうな状況になるとすれば、それはいつ頃だろうか?8月2日が上限引き上げのデッドラインである。
以前の記事で一度確認したことだが、コルマンインデックスで再度このようなことが起こるとしたらどのようなタイミングになるのか確認してみたい。
第4の昼(葉の形成)
6月25日~7月12日
ミッドポイント 7月3日~4日
第5の昼(つぼみの生長)
7月31日~8月17日
ミッドポイント 8月8日~9日
第5の夜(破壊)
8月18日~9月4日
ミッドポイント 8月26日~27日
まずコルマン博士は、第4の昼のミッドポイントにあたる7月3日から4日が大きな転換点になる可能性があるとしている。第4の昼のミッドポイントは、第9サイクル全体の中間地点にあたっており、それだけエネルギーが強いと言われている。
もし、この時期まで上限引き上げの協議の折り合いがつかない場合、デフォルトはかなり現実的な問題となってくるに違いない。米国債格下げの実質的な検討が始まっていてもおかしくないだろう。
さらに、7月31日から始まる第5の昼では、ひとつ前の第8サイクルでは金融危機が始まった期間にあたる。金融危機は、第8サイクルの第5の昼にサブプライムイローンが破綻し、第5の夜にリーマンショックが起こった。
今回もこれと同じような展開になるのだろうか?
連邦政府の縮小はティーパーティー派が求めるもの
財政赤字を完全に解消するために、異常な緊縮財政を実施して連邦政府の規模を縮小するなどということを議会みずからの手で進めることなど考えられないと思うかもしれない。
だが、連邦政府の本格的な縮小こそ、ティーパーティー派の目指す政治目標なのである。
以上は「ヤスの備忘録」より
一つの見方をご紹介しましたが、このように行くかどうかは誰も判りません。しかしその可能性は充分にあります。世の中は人間が動かしているのですから、いざ実際に困るような事態になりそうになれば、直前で変更もあり得るので、現実はかなり紆余屈折があるものと思われます。但し自然現象(除く人工地震等)に付いては、人間は従うのみです。以上
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