「バンコックを死守せよ」全土の1/3が水害に
2011年10月13日
「バンコクを死守せよ」: 全土の3分の1が災害地域となったタイで首都に迫る未曾有の大洪水
(訳者注) タイ自体は例年洪水被害がある国ですが、今年は異例です。
現在のタイの洪水は7月頃から続いているものですが、この2週間くらいで次第に大災害の様相を見せてきており、特にアユタヤなどのあるタイ東北部がひどいことになっています。
アユタヤは世界遺産や古代寺院などで有名ですが、現在までに数多くの寺院が水没しています。
▲ 水没した世界遺産のワット・チャイワタナーラーム。
また、アユタヤは日本をはじめとした各国の工場やハイテク団地が立ち並ぶ場所でもあり、観光地である同時に、タイでの海外企業所在地の代表でもあります。
そんな中で、アユタヤを中心として、10月12日現在、900の企業の工場、支社、団地、そして日本人学校などが閉鎖、あるいは退避となっています。また、最新のニュースでは、ついにアユタヤのハイテク団地に川の水がなだれ込み、浸水が始まった模様。
日系企業では以下のような企業の工場が閉鎖、あるいは浸水で操業できない状態となっているようです。いわゆる大企業だけでも、
・住友金属工業
・味の素
・HOYA
・日本ハム
・住友倉庫
・日本電産
・沖電気
・ローム
・トヨタ
・ホンダ
・マツダ
・ニコン
・芝浦電子
などの工場が閉鎖されており、ほとんどが「再開の見通しが立っていない」という状態です(news.cli.pbeより)。
▲ 水没したホンダの工場。バンコクポストより。
さらに、タイは世界で最大のコメ輸出国のひとつですが、この洪水で影響がないというわけにはいかないようで、コメ輸出と価格に関するニュースも見られます。
現在の問題としては、「これでもまだ洪水被害のマックスではない」ということです。
今後、明日からの高潮や雷雨の予想が重なり、この大洪水が首都バンコクに迫る可能性がとても大きくなっています。その首都バンコクで、洪水に備えての準備が進められており、タイのメディアも「政府は周囲の意見を受け入れ、バンコクを洪水から死守せよ」という論調になっています。
今回は、そのような「バンコクの状況」を記したロイターの記事をご紹介します。
タイは、実際に周辺諸国に対して非常に存在の大きな国で、東南アジアでの実際的な影響は計り知れないものがあります。それだけに、今後のタイの洪水がどうなっていくのかをアジア全域が見つめている感じのようです。
Bangkok strengthens defenses as floods close in
ロイター 2011.10.13
迫り来る大洪水の中、タイの首都バンコクで防災活動が本格化する
現在、タイを襲っている大洪水は、全土の3分の1を災害地域に指定させるほどの規模となっている。この洪水が首都に近づいている中、10月13日、バンコクでは洪水への防御壁を強化する工事が労働者と兵士たちによって始められた。
タイ陸軍のプラユー・チャン長官がロイターの取材者に語ったところによると、チャオプラヤー川(メコン川)流域の特に洪水に対して弱い場所の防御はほぼ終了したと語った。また、川の流域で生活している人たちに対しての避難計画についても語り、非常事態の際には迅速な避難勧告と救出活動が行えると明言した。
「我々の懸念は、10月19日まで満潮だということだ。それによる増水をいかに迅速に海へ排出させることができるかだ」と、チャン長官は言う。
モンスーンや豪雨などによって、7月の下旬から続いているタイの洪水では、これまでに 283人の人々が洪水や地滑りなどで亡くなっている。
洪水は主にタイの北部と東北部でその影響が激しかったが、ここにきて、チャオプラヤー川の下流にも影響が出てきており、現在、タイの首都バンコクにも危険が及んでいる。バンコクは、海抜が2メートルしかない場所にある都市で、チャオプラヤー川が増水している現在はかなり危険な状態だ。
現在、すでにバンコクの周囲では浸水が始まっている地域もあり、バンコク市内でも洪水に対しての対策が進められている。
予想では、今週末(10月15日前後)に、北部で川からあふれた水がバンコク地域に到着する予定となっており、さらに、タイの気象庁によると、この時期は豪雨と悪天候と重なる可能性があるという。
バンコク市の下水道局の排水部門の責任者サンヤ・チーニミット氏によると、水はバンコクの東部にある農業地区に多く押し寄せる公算だという。
また、バンコクの50地区のすべての避難計画の策定は完了しているとのことだが、「現在のところ、実際の避難命令を出す徴候はない」としている。
救援状況
現在までにタイ全土で 200万人以上が洪水の影響を受けたと見積もられている。そして、多くの道路が寸断され、通行できなくなっており、同時に輸送手段も途絶えている場所が多い。
バンコクのドンムアン空港は、洪水に関しての緊急対策の窓口となっており、数多くのボランティアが駆けつけ、トラックで災害地域に水や食糧、薬などを運んでいる。
また、バンコクでは、川沿いの27のコミュニティに 1,200世帯の人々が住んでおり、その人たちの避難についても関心が集まっている。
アユタヤでは多くの工場とハイテク団地が洪水により浸水している。
今回の洪水で、タイの GDP が押し下げるられると見られている。タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)は、被害額を 880億バーツ(約 2200億円)と予想し、通年の GDP 伸び率見通しをこれまでの約 4.0パーセントから2.9パーセントに下方修正した。今後の洪水被害によっては、この数値はさらに大きくなるという。
現在のタイの洪水は7月頃から続いているものですが、この2週間くらいで次第に大災害の様相を見せてきており、特にアユタヤなどのあるタイ東北部がひどいことになっています。
アユタヤは世界遺産や古代寺院などで有名ですが、現在までに数多くの寺院が水没しています。
▲ 水没した世界遺産のワット・チャイワタナーラーム。
また、アユタヤは日本をはじめとした各国の工場やハイテク団地が立ち並ぶ場所でもあり、観光地である同時に、タイでの海外企業所在地の代表でもあります。
そんな中で、アユタヤを中心として、10月12日現在、900の企業の工場、支社、団地、そして日本人学校などが閉鎖、あるいは退避となっています。また、最新のニュースでは、ついにアユタヤのハイテク団地に川の水がなだれ込み、浸水が始まった模様。
タイ工業団地公社によると、タイ中部・北部を襲った大規模な洪水で、13日朝、中部アユタヤ県のバンワー(ハイテク)工業団地で堤防の一部が崩れ、敷地内に水が流れ込み始めた。ハイテク工業団地にはHOYA、味の素、キヤノンなどの工場がある。
日系企業では以下のような企業の工場が閉鎖、あるいは浸水で操業できない状態となっているようです。いわゆる大企業だけでも、
・住友金属工業
・味の素
・HOYA
・日本ハム
・住友倉庫
・日本電産
・沖電気
・ローム
・トヨタ
・ホンダ
・マツダ
・ニコン
・芝浦電子
などの工場が閉鎖されており、ほとんどが「再開の見通しが立っていない」という状態です(news.cli.pbeより)。
▲ 水没したホンダの工場。バンコクポストより。
さらに、タイは世界で最大のコメ輸出国のひとつですが、この洪水で影響がないというわけにはいかないようで、コメ輸出と価格に関するニュースも見られます。
現在の問題としては、「これでもまだ洪水被害のマックスではない」ということです。
今後、明日からの高潮や雷雨の予想が重なり、この大洪水が首都バンコクに迫る可能性がとても大きくなっています。その首都バンコクで、洪水に備えての準備が進められており、タイのメディアも「政府は周囲の意見を受け入れ、バンコクを洪水から死守せよ」という論調になっています。
今回は、そのような「バンコクの状況」を記したロイターの記事をご紹介します。
タイは、実際に周辺諸国に対して非常に存在の大きな国で、東南アジアでの実際的な影響は計り知れないものがあります。それだけに、今後のタイの洪水がどうなっていくのかをアジア全域が見つめている感じのようです。
Bangkok strengthens defenses as floods close in
ロイター 2011.10.13
迫り来る大洪水の中、タイの首都バンコクで防災活動が本格化する
現在、タイを襲っている大洪水は、全土の3分の1を災害地域に指定させるほどの規模となっている。この洪水が首都に近づいている中、10月13日、バンコクでは洪水への防御壁を強化する工事が労働者と兵士たちによって始められた。
タイ陸軍のプラユー・チャン長官がロイターの取材者に語ったところによると、チャオプラヤー川(メコン川)流域の特に洪水に対して弱い場所の防御はほぼ終了したと語った。また、川の流域で生活している人たちに対しての避難計画についても語り、非常事態の際には迅速な避難勧告と救出活動が行えると明言した。
「我々の懸念は、10月19日まで満潮だということだ。それによる増水をいかに迅速に海へ排出させることができるかだ」と、チャン長官は言う。
モンスーンや豪雨などによって、7月の下旬から続いているタイの洪水では、これまでに 283人の人々が洪水や地滑りなどで亡くなっている。
洪水は主にタイの北部と東北部でその影響が激しかったが、ここにきて、チャオプラヤー川の下流にも影響が出てきており、現在、タイの首都バンコクにも危険が及んでいる。バンコクは、海抜が2メートルしかない場所にある都市で、チャオプラヤー川が増水している現在はかなり危険な状態だ。
現在、すでにバンコクの周囲では浸水が始まっている地域もあり、バンコク市内でも洪水に対しての対策が進められている。
予想では、今週末(10月15日前後)に、北部で川からあふれた水がバンコク地域に到着する予定となっており、さらに、タイの気象庁によると、この時期は豪雨と悪天候と重なる可能性があるという。
バンコク市の下水道局の排水部門の責任者サンヤ・チーニミット氏によると、水はバンコクの東部にある農業地区に多く押し寄せる公算だという。
また、バンコクの50地区のすべての避難計画の策定は完了しているとのことだが、「現在のところ、実際の避難命令を出す徴候はない」としている。
救援状況
現在までにタイ全土で 200万人以上が洪水の影響を受けたと見積もられている。そして、多くの道路が寸断され、通行できなくなっており、同時に輸送手段も途絶えている場所が多い。
バンコクのドンムアン空港は、洪水に関しての緊急対策の窓口となっており、数多くのボランティアが駆けつけ、トラックで災害地域に水や食糧、薬などを運んでいる。
また、バンコクでは、川沿いの27のコミュニティに 1,200世帯の人々が住んでおり、その人たちの避難についても関心が集まっている。
アユタヤでは多くの工場とハイテク団地が洪水により浸水している。
今回の洪水で、タイの GDP が押し下げるられると見られている。タイ国家経済社会開発委員会(NESDB)は、被害額を 880億バーツ(約 2200億円)と予想し、通年の GDP 伸び率見通しをこれまでの約 4.0パーセントから2.9パーセントに下方修正した。今後の洪水被害によっては、この数値はさらに大きくなるという。
以上は「IN DEEP」より
「地球大異変」の一環です。 以上
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