メデイアに刺された前鉢呂経産相、後任の枝野氏は適任かーその③
メディアに刺された鉢呂前経産相。後任の枝野氏は適任か?
鉢呂氏の会見によると、野田首相は辞表を受け取る際に鉢呂氏と数十分話しているというが、この際に事実関係を確認しているものと思われるが、説明抜きの状況では、国民は、野田首相が、(1)鉢呂氏の言動のどの部分をどんな基準で大臣不適格と判断したのかが分からないし、(2)単に騒ぎが大きくなったから支持率や国会対策のために辞任させたのか、というそれこそ「不信の念」を抱くことになる。後者の場合、新聞、テレビ局等のメディアが政治を大きく左右していることになり、これは、政治にとってもメディアにとっても健全なことではあるまい。
囲み取材・オフレコ懇談はもういらない
今回の問題は、問題の性質を考えると、何新聞の記者に対して鉢呂氏がどう言って何をしたのかに関して、もっと具体的に伝えるべきだったと思う。朝日新聞の記事を見ると(経産相担当とみられる記者5、6人が半円形に鉢呂氏を囲み、朝日とNHKの政治記者がその後取材に加わったという)、その場に記者がいないメディアも後日報じているのではないかと思われるが、せめて、取材ソースを明確にすべきだろう。
尚、鉢呂氏の辞任会見の場では、社名も氏名も名乗らずに、一部は鉢呂氏が発言中であるにもかかわらず、これを遮って乱暴な言葉を浴びせる記者がいて(「自分でちゃんと説明しなさいよ。最後くらい」、「説明しろって言ってるんだよ」等)、別の記者にたしなめられる場面があった。近年の政治報道の現場のレベルを窺わせるものとして象徴的だった。
政治家の側でも、メディアを自分に都合よく使おうとすることがあるから両者の関係は微妙だが、要職にある政治家は、今後、囲み取材やオフレコの懇談会に応じる必要はないと筆者は考える。政治家の発言は「全て公式発言」でいい。
これは政治家の側の自主規制として、直ちにやって貰って構わない。結果として、政治家本人の発言として信頼に足る公式発言の量が増えるのではないか。政治家は「自分の発言、行動は、全てテレビカメラに写っている」と思って行動してくれればいいのだから簡単だ。
情報源も分からず、従って発言の真偽を判断する手掛かりもないような「政局記事」を読んでも、読者は得るものがないから、囲み・オフレコ廃止によって読者の側で失うものは殆ど何もない。
その代わり、記者会見は、記者クラブのメディア以外にも解放して、頻繁且つ丁寧に行うべきだ。ネットの環境を考えると、全ての公式発言を正確に報じ、かつ保存する条件は十分整っている。もちろんジャーナリストは、独自に取材を行えばいいし、その結果を発信してくれればいい。総合的に見て、国民が得られる情報の質は大幅に改善するだろう。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
強力な政治力が働き物事が理不尽にも動かされるのは時々あります。それをさせない力は時の最高権力者の実力でもあります。今回の辞任劇も野田総理の実力を表しています。野田政権の前途に早くも不安材料を提供したわけです。 以上
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