「大本神諭」に見る世の終りのシナリオーその④
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予言の目的は身魂磨きを促すことにある 『出口王仁三郎の霊界からの警告』(武田崇元・著/光文社文庫)の内容を紹介してきました。「大本」という団体について、あるいは出口ナオや出口王仁三郎という人物について、ある程度のご理解をいただけたことと思います。 とくに「予言者」としての出口王仁三郎は、時の政府を震撼させるほどの影響力を持つ人物だったのですが、その言動には普通の感覚では理解できない部分がたくさんあります。王仁三郎は、予言者として未来を予知する能力以外にも、天眼通、天耳通、自他心通などといったさまざまな霊能を身につけていたと言われています。今日でいう“超能力者”だったのです。その霊能のレベルの高さは、弘法大師の名で親しまれている空海をも凌ぐものがあったと思われるほどです。 それでは、ここで「何のために予言はなされるのか」ということについての私の考えをご披露したいと思います。ちょっとした謎解きになりますが、どうぞおつきあいください。 出口王仁三郎は、「太平洋戦争は中国との泥沼戦争の延長線上に起こる」ことや「アメリカのB29による日本の本土爆撃がある」ことを、すでに大正6年ごろに予言していたとされています。つまり、「日本がアメリカと戦争をして負ける」ことを早くから知っていたということです。 では、王仁三郎にそのような“未来ビジョン”を見せた神さまの目的は何だったのでしょうか。日本と日本国民が悲惨な戦争に巻き込まれないようにすることが目的であれば、予言のさせ方(未来ビジョンの見せ方)によって、それを回避させることは可能だったはずです。 しかしながら、王仁三郎の予言を見ますと、日本の戦争回避が目的だったとは考えられません。なぜ戦争を回避させなかったのでしょうか。一つは、王仁三郎が未来ビジョンを見た段階では既にその未来は確定していて、予言の神様といえどもその内容を変えることはできなかったと考えることができます。 もし王仁三郎の予言によって日本政府が中国との泥沼戦争を避ける政策をとっていたならば、その後の太平洋戦争に突入することは避けられますので、予言がはずれることになったはずです。つまり「予言することによって、その予言がはずれる」ということになります。 こうなると、もはや「予言」ではなく「忠告」というべきでしょう。そして、太平洋戦争で亡くなることになっている数百万人の日本国民の肉体生命を守ることが予言(忠告)の目的ということになります。 残念ながら、王仁三郎の予言は忠告としての役割は果たしませんでした。王仁三郎ほどの予言者であれば、予言を次々に当てて政府や国民を信用させ、日本が戦争に突入することを阻止することができたはずなのに、そのような努力をした形跡がまったく見られないのです。いったい王仁三郎の予言の目的はどこにあったのでしょうか――。 ここで私の結論を申しあげましょう。 出口ナオが「お筆先」によって日清戦争、日露戦争を予言し、また王仁三郎が、太平洋戦争の勃発とその後の日本の惨状について次々と予言をしたのは、ひとえにこれから起こる「世の立て替え・立て直し」を信じさせるためであった、ということです。さらに、王仁三郎の場合は、世の立て替え・立て直しのために、「型示し」としての「大本弾圧」を誘導することが必要だったというわけです。 つまり、大本の目的(使命)は、「人類(とりわけ日本民族)に終末の到来を告げ、それに備えをさせることにある」ということです。太平洋戦争を回避させることよりも、日本人の一人ひとりに終末(世の立て替え・立て直し)に備えての「身魂磨き」の大切さを伝えることを重視しているのです。 神さまのおっしゃること(予言)が次々に当たれば、人々は『大本神諭』や『伊都能売神諭』としてまとめられている「終末予言」に関心を持ち、その処方するところを信じると思われるからです。「大本」のナオや王仁三郎に予言を降ろされた神さまの目的は、「人民を一人でも多く救いたいから」ということです。つまり、今のままでは“救われない魂”がたくさんあるということの警告でもあるのです。 少し整理をしておきますと―― (1) 世の立て替え・立て直しは避けられない。(それは「ミロクの世」へと移るために必要 なプロセスである) (2) しかし、今のままでは人民の多くは「ミロクの世」に進むことができない。だから、特に 世界のひな型となっている日本に住む人民が率先して「身魂みがき」をしなければな らない。 (3) そのことを早くから(明治25年から)出口ナオを通じて伝えているが、人民はなかな か信じない。 (4) このままだと圧倒的多数の人民は救われない(=ミロクの世に進めない)可能性が高 い。それでは可哀想だから、信じるようにいろいろと(予言などで)教えている。 ――ということになります。いかがでしょうか。 そうしますと、出口王仁三郎が意図的に誘導したと思われる「大本の第二次弾圧」は、世の立て替え・立て直しをスムーズに進めるうえで必要な「型示し」だったと考えられます。霊界では、大本で起こったことは日本で起こり、日本で起こったことは世界に波及する――というひな型ができあがっているからです。そのために、王仁三郎は敢えて「大本弾圧」という終末の「立て替え(破壊)」を演出したものと見られます。その大本の「型」に呼応するかのように、日本は太平洋戦争で悲惨な敗戦を体験することになるのです。 出口王仁三郎は、太平洋戦争を回避させるどころか、逆にそのことによって日本が壊滅的な打撃を受けることの「ひな型」を演出したことになります。つまり、今日の世界が混迷から脱出するには「世の立て替え・立て直し」が不可欠であることから、そのための道筋づくりとして「大本弾圧」→「日本の敗戦」の「型」を実行したと見られるのです。そして、次はいよいよ「世界」の番ということになります。 ここで「ひな型」について触れておきます。「大本」にも「日本」にも「本(もと)」という文字が含まれていますが、「日本」の由来は「日の本」つまり「霊(ひ)の本」から来たと言われているのです。日本の地形が世界のひな型になっていることも出口王仁三郎が明らかにしたものです。物理的地形と同様、霊界においても世界のひな型として機能していると言われています。ですから「日本が乱れると世界が乱れる」ことに気づいている霊能力者は王仁三郎の他にもいるのです。 その日本のさらなるひな型として、「艮(うしとら)の金神」の復活を告げる「大本」が誕生し、終末の「型示し」を完了したということになります。出口ナオや出口王仁三郎を通じて「大本」に降ろされた予言の伝える内容は一貫していて、「世の立て替え・立て直しの時節がきた。この世は新(さら)つ世に変えてしまうから、人民は身魂を磨いてそれに備えよ」というものです。 神の国の到来を預言する言葉 この世の終わりと神の国の到来を告げる表現は、新約聖書の中にも随所に見られます。 「時は満ちた、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信ぜよ」(マルコによる福音書) 「神の国」とは次元上昇した新しい世界(五次元?)を意味しています。クリスチャンの間では、「天国(あの世)」のことと解釈している人もいるよですが、「あの世が近づく」というのはどう考えてもおかしいのです。 「御国が来ますように。みこころが天に行なわれる通り、地にも行なわれますように」(マタイによる福音書) この「御国」も次元上昇した新しい世界を意味する言葉と思われます。「天」は霊界(四次元以上)のことですが、霊界では既に大掃除が行なわれ、神の国に移行する準備が終わっているということでしょう。その霊界で行なわれた大掃除と同じことが、この地上世界でも行なわれますように、という祈りの言葉です。 この世で起こることはまず霊界にその原型が作られることになっていることを表しています。この宇宙では、まず高次元の世界で起こったことが徐々に移写されてきて、最終的に、最も波動の粗い物質次元に現れてくると言われています。ですから、この祈りの言葉は、まず天で行なわれた神の計らいが、地にもその通りに行なわれることを願う言葉なのです。 次は出口ナオに降ろされた「大本神諭」の内容です。新約聖書と同じく「世の終わり」と「新しい世界の到来」を告げています。 「三千世界、一度に開く梅の花。 艮の金神 獣類 新つ世 「一念三千」という言葉がありますように、「三千世界」は「念」すなわち心の世界です。「三千」は「すべて」という意味で、霊界や幽界も含むすべての次元ということを表しています。 要するに、今回の立て直しはこの三次元の物質世界だけのことではないということです。「新つ世に替える」という言葉からも、物質次元の地球が一新されることがわかります。そして、この地球を一新する理由として、私たちが先進的な文明として採り入れてきた西洋文明に問題があるからだとハッキリ述べられています。「強いもの勝ちの、悪魔ばかりの国」と、今日の資本主義社会(お金で治める社会)の問題点が指摘されているのです。私たちは、これからそのような「お金中心」の生き方をしてきたことの反省を迫られることになるものと思われます。 次元上昇を阻止しようとしている勢力がある 7.やっかいなことに地球の次元上昇を阻止しようとする勢力がこの地上に存在していて、それは今日の世界の政治や経済を陰から操作している見られる。しかも、その陰の勢力の頂点には異次元の存在(宇宙人的存在)が君臨しているとか。 「世の終わりのシナリオ」の7番目は、いわば「サタンのシナリオ」の立役者たちのことを表しています。ここで「地球の次元アップを阻止しようとする勢力」と表現していますのは、「陰の超国家権力」のことを指しています。「イルミナティ」「フリーメーソン」「300人委員会」「ビルダーバーグ倶楽部」「円卓会議」‥‥などなど、その全体像はとてつもなく巨大で、しかも奥の院に至っては全くの霧の中となっています。それぞれの組織や機関に関わっている人物も、上部の組織や機関がどうなっているかは知らされていないのです。 そのようにして秘密が厳しく守られているため、世界の政治や経済に関してかなりの知識を有する人でも、「陰謀などあるはずがない」と断言する人があります。 では、かつてケネディというアメリカの現職の大統領が、テレビが中継している中で白昼堂々と射殺されたのに、その犯人が捕まらなかったのはなぜでしょうか。あとを継いだジョンソン大統領の指示によってできたウォーレン委員会が真相究明の調査を行なったのに、その調査内容が2039年まで明らかにされないことになったのはなぜでしょうか。アメリカ国民の誰もがその真相を知りたがっているのに、いまだに大統領も議会もそれができないのはなぜでしょうか。疑問に思うことはまだまだいくらでもあるはずです。 「陰謀がない」というよりも、「陰謀は見えないので確かめる術(すべ)がない」と言うべきでしょう。 ここでは「異次元の存在(悪魔的存在)が君臨している」という内容について簡単に触れておきます。「簡単に」としましたのは、異次元の世界のことなので、証拠もなく、あまりわからないからです。ただ、フリーメーソンの上位階級の入会式では、イニシエーションと呼ばれる不思議な儀式が執り行なわれると伝えられていますし、ロスチャイルドなどイルミナティの頂点にいると思われる人物たちは、常々霊媒を通じて霊的存在と交信しているとも言われています。憶測にしてはかなり具体的な情報が流れていますので、全く根も葉もないことではないのでしょう。 実は、「大本神諭」や「日月神示」の中には、霊界におけるそのような「悪神」の動きがはっきり述べられているのです。また新約聖書の中にも、イエスの言葉として同じ意味の記述が見られます。 そもそも今回の終末といわれる現象は、そのような悪神のはびこる世界を立て替えて(破壊)、善ひとすじの世界に立て直す(建設)という意味があるのです。悪神にコントロールされている「陰の超国家権力」の頂点にいるグループは、日本が特別な霊的意味を持つ国である(世界のひな型である)ことを知り尽くしているため、その日本を(日本国民を)堕落させ、国の魂を劣化させようと、さまざまな攻撃を仕掛けているものと思われます。 その一つが、株などのマネーゲームに狂奔するように国民を誘導したり、真面目に働いても極貧に甘んじなければならない層を大量に生み出す政策を実行するように政府中枢に働きかけて、「国民の気持ちがお金に支配される社会」を定着させるといった内容です。「大本神諭」にも「日月神示」にも、日本がそのような拝金主義の社会になることを強く戒める記述があります。 さらに、戦後の食の西欧化により生活習慣病と称される病気の蔓延や、若者たちの「キレる」現象、さらには異常な殺人事件の多発に見られる社会不安の醸成なども、すべては「霊的に澄み切った日本」を徹底的に破壊し尽くそうという異次元における計画が実行に移された結果だと見ています。 このことは、「大本神諭」や「日月神示」などの予言の中に、一種の警告として繰り返し述べられています。その中から、この終末の時代にもっともぴったりとくる警世の一文をご紹介したいと思います。 先ほど、「大本→日本→世界」というひな型構造について説明しましたが、まさに、いまこそ日本に住む私たち一人ひとりが、地球のため、世界人類の進化のために特別の使命を負わされていることを自覚し、自らを律すべき時であることがわかります。もはや、株などに狂わされて拝金主義の片棒を担いでいる時間はないのです。 以下は『大本神諭・天の巻』(平凡社)の抜粋です。(仮名遣いは、一部現代仮名遣いに改めました) ■大正5年旧11月8日 大本の神の教えの通りのまことの修行のできておる身魂は、らくに神界の御用が勤まるなれど、修行のできておらん身魂は辛くなるから、まことの神の道は、修行しただけのことよりできはいたさんぞよ。世に落ちておりた身魂は、どんな辛い修行もいたしておるから、「さあここ」というところでは、ビクともせずにらくに御用が勤まるぞよ。 世に出ておりて、今まで結構に暮らして来た上流の守護神よ、一時も早く改心なされよ。もう世が迫りてきたから、横向く間もないぞよ。 これからは悪の霊の利かん時節が回りてきたから、今までのような 優勝劣敗 日本は慾な人民の多い国、外国は学の世であるから、どんなことでもいたすぞよ。日本の人民は神の国に生まれながら、神をおよそにし、 利己主義 日本は神の初発にこしらえた国、本の 祖国 もう世が迫りて来て、絶体絶命であるから、どうする間もないぞよ。神は急ぐぞよ。日本の人民が早く改心をいたしてくださらんと、世界中の難渋が激しくなりて、何もかも総損ないとなるぞよ。 日本の国に神が仕組んだ世界の誠を、外国は何も知らずに、日本の国を我が物にいたそうとして、えらい企みは奥が浅うて狭いから、ここまで九分九厘は面白いほどトントン拍子に来たなれど、天の時節がまいりて、悪神の世の年の明きとなりて、悪の輪止まりで、向こうの国には死にものぐるいをいたしておるなれど、どこからも仲裁に入ることもできず、見殺しで、神なら助けねばならんけれど、余り我が強すぎて、どうしようもないぞよ。 ――『大本神諭・天の巻』(平凡社) ここでも「修行のできていない人間はこれからは辛いことになる」と警告されています。身魂磨きの必要性を強く訴えているのです。その点では、むしろ「世に落ちておりた身魂」すなわち、この世では下積みの不遇な暮らしを強いられている人ほど、「どんな辛い修行もいたしておるから」、終末の土壇場では「ビクともせずに」神様の御用が勤まるということです。 ここでも、今日の日本人が、神を適当に扱い、利己主義(我善し)の強欲ばかりを考えていること、お金のことになったら親兄弟とでも争うような醜い魂になっていることを嘆いています。 また、日本は世界の祖国(=ひな型の国)であり、世界中を守護する役目があることが述べられています。そして「世界のひな型の国・日本」を手に入れようする勢力があって、これまでは面白いほどトントン拍子に来たということです。今日の日本社会と日本人の堕落した姿を見ますと、この指摘の正しさが理解できます。 しかしながら、いよいよ「天の時節」が訪れましたので「悪神の世」は終わりとなり、悪神の仕組んだことは土壇場で覆されることになるのです。 ここにご紹介した内容は、「大本神諭」の中では繰り返し、繰り返し述べられています。それだけ重要な意味を持っているということで、ぜひ肝に銘じていただきたいと思います。 以上は「2012年のカルマの法則」より |
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投稿: Santos | 2022年7月30日 (土) 12時10分