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2011年11月22日 (火)

地球は人類進化のための学校だったーその④

地球は人類進化のための学校だった
 
以下は「2012年のカルマの法則」より

 最初に、私が大変気に入っている寓話をご紹介したいと思います。主人公はキリギリスです。私が小学生時代に授業の一環として教室で鑑賞したものです。映画のタイトルは記憶にないのですが、なぜかストーリーだけはハッキリ覚えているのです。原作者もわかりませんので、とりあえず「1本足のキリギリス」としておきます。

 一本足のキリギリス

  台風の夜、キリギリスは風に吹き飛ばされて後ろ足を1本なくしてしまいました。足は風がどこかに運んで行ってしまいました。
  片足がなくなったキリギリスは、自慢のジャンプができなくなったのです。それを悲しんでしくしく泣いていますと――
  ある日、お地蔵さまがキリギリスに語りかけます。「お前の足は西の方角のはるか遠くに飛ばされているよ」と。
  喜んだキリギリスは足を求めて、杖をつき、片方だけになった足を引きずりながら、西へ西へと向かいます。雨の日も風の日も、休むこともせず、お地蔵さまから言われた方角へと歩いていきました。
 何日歩いたことでしょう。いくら探しても足は見つかりませんでした。
 キリギリスはすっかり疲れて、痛む片足をなでながら泣いていました。
 すると、またお地蔵さまが語りかけます。「残念だったね。お前の探している足は今度は南の方角に飛んで行ってるよ」。
 それを聞いたキリギリスは再び元気を取り戻して、今度は南へ向かって歩き始めます。
 足は痛みますが、片足歩きにも大分慣れてきて、ずいぶんと速く歩けるようになっていました。
 ところが、いくら南の方角を探しても、やはり足は見つからないのです。
 そうやって毎日毎日足探しの旅を続けているうちに、ついにキリギリスはお地蔵さまに向かって怒りを爆発させます。「お地蔵さま。あなたは嘘つきだ。もうだまされないぞ」と。
 怒りの気持ちを鎮めることができないキリギリスに、お地蔵さまはニコニコと笑いながら語りかけます。
 「嘘はついていませんよ。あなたが探していたのは歩く力、自由に飛び跳ねる力だったのではないのかな。片方の足はなくても、今では以前よりもはるかに元気に跳べるようになっているじゃないですか」
 「あっ」と、キリギリスは叫びます。そうでした。旅を続けているうちに、キリギリスはいつの間にか両足のとき以上のジャンプ力を身につけていたのです。
 「お地蔵さま、‥‥ありがとうございます」
 キリギリスはお地蔵さまに向かって深々と頭を下げ、それから嬉しそうに何度も何度も飛び跳ねていました。(パチパチパチパチ‥‥)


 まず世界経済のバブルが崩壊する

 “ゼニウイルス”に冒され「拝金主義」に陥ってしまった最近の日本人は、この物語のキリギリスのように、「お足がないと歩けない(お金がないと幸せな暮らしができない)」と考えて生きる人が多くなっています。しかしながら、そのような考えからは卒業しないといけない時期が来ているのです。まだ卒業できていない人の身辺には、これからそのことに気づかせるような出来事が次々と起こってくるでしょう。
 キリギリスに対する「お地蔵さま」の役として、神さま(「宇宙の法則」としての絶対神)の温かくそして厳しい働きかけがなされることになります。それは、お金が乏しいために自分の欲しい物が得られないという辛い体験であったり、他の人に比べて貧しい暮らしをしないといけないという屈辱的な思いであったり、毎日の食べ物さえ自由に手に入らないような飢餓の恐怖を味わったり‥‥、といった「お金欠乏症」的な体験として表れます。
 人によっては、ようやく手にしたお金が目減りすることを気にかけたり、更にたくさんの富を手に入れたいという欲望に駆られるという形での、お金にまつわる悩みとなって表れることもあるでしょう。
 その他、お金を得たり失ったりすることで味わうさまざまな心境の変化が、苦しみの原因として心を占領します。お金を巡って人間関係を悪くすることも多くなるはずです。最近では「人生(で大事なの)はお金だ!」と悟ったように堂々と語っている著名人も見かけますが、その“悟り”の間違いを気づかせるためのさまざまな出来事が、これから急速に、そして多くの人に一斉に表れることになるでしょう。
 そのひな型となる現象は、かつてわが国が体験したバブル経済の崩壊です。あのときに全財産を失ったり、大きな借金を抱え込むことなった人がたくさん出現しましたが、そのことから学んで本当の気づきを得た人と、ますますお金の魔力にとりつかれてしまう人とに分かれました。
 これから終末までに起こるカタストロフィー(破局)は、あのバブル経済の崩壊を世界規模に広げ、より凄まじい崩壊現象を引き起こすことになるはずです。それは世界大不況すなわち恐慌という形をとると思われます。その引き金を引く国はアメリカか日本、あるいは最近台頭著しい中国でしょう。私は日本である可能性が高いような気がしています。今日の多くの日本人の拝金主義ぶりには目を見張るものがあるからです。スポーツ選手やIT長者と呼ばれる人たちがチヤホヤされるのも、その最たる現象と見ることができます。
 お金をたくさん稼いでいる人がすぐれた人であるかのようにもてはやされる社会は、まさに拝金主義社会と呼ぶべきもので、これから始まる終末のカタストロフィーの中で、最初に崩壊していく対象となるものです。そのことが日月神示には、「金で治めて、金で潰す」とハッキリ述べられています。

 人間は神の子である

 さて、キリギリスはなくした足を求めて旅に出たのでした。最後まで足は見つかりませんでしたが、足を失う前よりも立派な「歩く能力」を身につけました。その能力(の芽)は最初から自分の中に備わっていたのです。キリギリスは、失った足の中にその能力があったと思って、その足を探しに旅に出たのでした。
 それは私たちが、自分を幸せにする力は「お金」の中にあると思って、お金さがしの旅を続けているのとよく似ています。そのことが間違いであることに、もうそろそろ気づかないといけない時期が来ています。
 神が導こうとする方向はまさにこの一点であると言ってもよいでしょう。つまり、「幸せを作り出す能力の芽は、私たち自身の中に最初から具わっている」ということです。
 いささか宗教的な言い方になりますが、別の言葉で言えば、「人間は神の子である」ということになります。神の分身として、神と同等の力が潜在的に備わっているのです。
 そのことを意味すると思われる次のような話が、「法華経」の「五百弟子授記品」の中に「衣珠の喩(いしゅのたとえ)」として出ています。

 親友の家を訪ねた男性が、歓待を受け、酔いしれて眠ってしまいます。親友は出かけないといけない用事があるので、この男性の衣服の中に大変高価な宝玉を縫い込んで出かけます。
 目が覚めた男性は、親友がいないのでその家を去り、他国を放浪するうちに落ちぶれて食べるものにも事欠くようになりますが、あまり気にするようでもありません。
 ある日、この男性は、その衣服に宝玉を縫い込んだ親友と再会します。親友は落ちぶれた男性を見て、「君には十分に安楽に暮らせるだけの宝玉を与えていたのに、どうして使わないのか」と諭します。


 この「親友」を「神さま」と置き換えて考えてみてください。神さまが一人ひとりの人間に素晴らしい力を与えているのに、人はそのことに気がつかず、力は外にあるものと考え、ある人は宗教に走り、ある人はお金を絶対の価値として、自分の身を守るためにせっせと蓄財しています。その行為はまさに、「私には力はない」と宣言しているようなものです。
 いま、「世の終わり」を迎えつつある私たちは、「神の子として、自分の中に神様と同等の能力が備わっている」ということに気づくことが大切なのです。そして、より神らしくなるために自分を磨いていくことです。それがわかれば、お金はなくても何も心配は要らないのです。心の奥底からそのことを理解できた人は、終末のカタストロフィーを実体験する必要はなくなります。
 終末のカタストロフィーとは、人々を欲望から卒業させる働きと言えるからです。家や車などの物質的な財産に対する執着から、心を解き放つ必要があるのです。お金に限らず、自分のアイデンティティー(自分であることの証明)と思っていた身分や地位、名声、勲章などの社会的財産がまったく役に立たない世の中が訪れるのです。失う前に、それらに執着することの無意味さを自覚できた人は、終末の卒業試験に合格できる人です。
 資本主義が爛熟状態にある今日では、「お金の力」にひざまずく人が増えていますが、「肩書き」や「地位」にこびる人も多いため、それを笠に着る人がまだ結構います。終末の卒業試験では、そのような目に見えない富に対する執着からも心を解き放つことが求められるのです。
 意地悪な喩えととられるかも知れませんが、現在あなたを「先生」とか「社長」と呼んでうやうやしく接する人たちがいるとします。これから天変地異等によって深刻な食糧危機に直面すると、その人たちがあなたの手から食べ物を奪い取るようなことが起こるかもしれません。
 その時、その人たちが崇めていたのは「あなた自身」ではなく、あなたの「肩書き」や「地位」であったということに気づかされるのです。そのことに対して激しい怒りや憤りの気持ちを持つと、あなたは新たなカルマを作り出し、それがまたはね返ってきて、さらにショッキングな出来事を引き寄せることになるでしょう。
 逆に、そのような人たちの態度を見て気づきを得た人は、カルマは発散され、アセンションへと近づくことになります。
 できれば、そのような「極限的状況」を経験する前に気づくことが大切なのです。気づきを得た人は、日ごろから目下の人たちの前でどのような振る舞いをすればよいかがわかります。つまり、肩書きや地位を笠に着て尊大な態度をとることはしなくなるはずです。それがわかった人は、卒業試験の1単元が「履修済み」ということになります。
 気づきがないままに、お金の力や地位を振りかざす人は、終末のカタストロフィーの中でさまざまな極限的状況に遭遇し、次々と恐怖心にかられる体験を味わうことになるでしょう。

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