頭の良い人とそうでない人の差はどこに、その対策は!ーその⑤
「頭のいい人とそうでない人の差はどこでつく?」
『知性誕生』の著書で脳科学の権威が語る
“インテリジェンス”の正体とその高め方
――ジョン・ダンカン ケンブリッジ大学名誉教授に聞く
簡単な例としては、一つのストーリーを理解することだ。誰かが童話を話しているのを聴くと、我々はいとも簡単に話のポイントを掴み取れるが、実際はそれが複雑な問題であることに気づいていない。いかなるコンピュータもその複雑なことをやろうと思っても、微塵もできない。コンピュータの大きな限界は、言葉が理解できないとか、問題について考えることができないというよりはむしろ、物語の内容を理解することができないということである。人間が内容を理解するときは、その物語が適合する世界についての、豊富な知識を使っているのだ。
たとえば、「ジョンは、いつもの通りを歩いていたら、友人にばったり出くわした」と言われても、人や町の環境や社会的関係などについての知識がないと、内容についてまったく理解できない。コンピュータはそのレベルですでに人間に負けている。そういうことが本当に大きな限界として存在する。
こういう知識をコンピュータに入力することが結局、壮大なチャレンジであることがわかった。Raw Intelligence(洗練されていない知能)と我々が考える例として本の中でも詳説したが、チェスのように一見かなりの知能を要すると思われるゲームでも、必要な知識はかなり自己完結しているので、コンピュータは即座に上達する。
おかしなことだが、人間がある意味でもっともインテリジェントであると思っている分野でコンピュータが輝き、我々が当然に思っているようなこと、たとえば、窓の外に目をやって見えるものを把握することは、コンピュータは非常に苦手なのだ。
これは偶然の観測ではないように思われる。というのも、生物学的システムは視覚を使って物体を認識し、世界をナビゲートすることに何億年も取り組んできたからだ。強力な解決法がそのシステムの上に築かれているのだ。
一方、チェスをしたり、論理を解いたりすることは、人間が誕生するまで、完全に生物の範囲の外にあったので、人間はこうしたロジックについては相対的に得意ではないのかもしれない。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
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