実現論31、第四部、場の転換(イ)人類500万年のパラダイム転換
生存圧力から同類圧力へ | ||||
040101 | ||||
[生存圧力とは、自然圧力と外敵圧力。同類圧力とは、性闘争や期待・応望や同類闘争etc.同類間で生み出される全ての圧力、狭義には、期待・応望の共認圧力を指す。] | ||||
イ.人類500万年のパラダイム転換 | ||||
040102 | ||||
女主導の支配共認は、反集団の自我に基づく思い込みの信仰共認(自我や私権や恋愛・自由・個人・人権etc.を唯一絶対とする信仰共認)であるが故に、人類を出口のない全面閉塞の袋小路に閉じ込めてゆく。まず第一にこの唯一信仰は、私権の獲得に結び付かない様な課題や外圧を全て捨象して終うので、際限なく環境を破壊し、肉体を破壊し、精神を破壊し、あるいは集団を破壊し、国家(財政)を破壊し続けてゆく。その結果、人類滅亡の危機が迫ってきたが、この唯一信仰は、己の私権とは無縁な滅亡の危機という問題をも捨象して終うので、誰も滅亡対策を真剣に考えていない。第二にこの唯一信仰は、滅亡問題や本源共認など、私権信仰に対立するor 都合の悪い課題や認識は徹底的に排斥してゆくので、私権や恋愛・自由・個人・人権に替わる新たな認識→共認が全く形成されない。その結果、人類の社会共認はこの唯一信仰一色に染め上げられ、新しい可能性や活力が何も生まれて来ない。しかも第三に、その様に人々の意識を私権信仰の中に囲い込みながら、私権圧力の衰弱に応じて労働活力や関係耐力の衰弱、あるいは性欠乏・物的欠乏の衰弱etc.当の私権活力は衰弱する一方である。かくして、性権力とその支配共認=囲い込み共認は、人類を全面閉塞の牢獄に閉じ込めて終った。それは同時に、性権力とその支配共認自身が、全面閉塞状態に陥ったことを意味する。今や人々は、支配共認に囚われた牢獄の中で、ただじっと死を待っているだけである。 | ||||
040103 | ||||
だが、この現実を冷静に直視すれば(つまり、囲いの外から見つめれば)、簡単な事実が見えてくる。即ち、人類を閉じ込め、出口を塞いでいる(そして破局→滅亡に追い込んでゆく)のは、唯一絶対の支配共認という、頭の中に巣くう観念に過ぎない。人類は、単に支配共認=囲い込み共認という自我に基づく観念信仰の牢獄に囚われているだけである。それが観念に過ぎないなら、人類に突破できない筈はない。確かに、自身以外の全てを排除する自我の唯一絶対信仰の余りの偏狭さと頑固さや、その根をなす集団否定の性的自我の根深さに立ち竦みor 絶望的になっている人は多い。だが、絶望する必要も竦む必要も全くない。なぜなら、この支配共認=囲い込み共認は、放っておいてもあと数年で経済大破局によって爆破され、全面的に砕け散って終うからである。だから、それまでに支配共認を根底から覆す、新たな理論パラダイムが構築されなければならない。もし、新たな理論が構築されないまま大破局に突入すれば、人類は共認統合を形成することができないまま、全ての秩序を破壊して滅亡して終うからである。 | ||||
040104 | ||||
もちろん、支配共認に替わる新たな理論パラダイムの構築は難課題であり、ましてそれに基づく新たな統合共認の形成は超難課題である。しかし、可能性はある。何よりもまず、人類の進むべき道は、既にほぼ明らかである。ここまでの人類史を総括すれば、人類を滅亡に導いた(少なくとも全面閉塞に陥らせた)根本原因が、性闘争を顕現させ、本源集団を破壊して終ったことにある(そして、その上に築かれた性の私的選択に基づく私権文明の全体が、その私的な性選択の必然として現在の支配共認を生み出し、その支配共認に囲い込まれて全面閉塞状態に陥り滅亡してゆくのだという)ことは、既に明らかであろう。だとすれば、人類の進むべき方向は『本源集団を再生し、集団規範の内部に性闘争を封印すること』、そして私権を廃棄したこの本源集団を原点として『本源集団が相互にネットワークで結ばれた共認社会を構築すること』であり、それ以外に人類を再生する道はない。 | ||||
040105 | ||||
これは、単なる理想論ではない。もっと切迫した実践課題である。奇妙なことに、まだまだ私権の圧力が強固であった近代初期に、西洋で様々な理想論が出現した。そして私権が衰弱した今、理想論は全く出て来なくなった。それは、理想論の正体が支配共認の一部or 分派でしかなかったことを明瞭に物語っている。その証拠に、支配共認の根本パラダイムである性の私的選択の問題性を指摘した「理想論」は一つもなく、全てそれを当然の前提としている。西洋人は、その程度の「本源性」しか持ち合わせていないから、支配共認(架空観念)が全面的に行き詰まって終うと、もはや何も生み出せないのである。遥かに強い本源性を有する日本人には観念としての理想論など無用であり、ただその(本源性の)再生or 実現の為の事実≒構造の解明が必要なだけである。しかも事態は切迫しており、もし本源集団→共認社会の実現の方向へと早急に新たな社会共認を形成することが出来なければ、人類は滅亡する。 | ||||
040106 | ||||
既に、本源共認を破壊し抑圧してきた私権の強制圧力は衰弱し、その支配共認は全面閉塞状態に陥って、衰弱死を待つばかりである。今や、本源集団・本源共認の再生を妨げるものは、死に体の支配共認以外に何もない。とりわけ、真っ先に私権の強制圧力を衰弱させ、唯一バブルの崩壊を経験している日本人には、(それも欠かせない条件だが)それ以上にもっと深い所で、大きな可能性が与えられている。一七〇〇年前まで、掠奪闘争に巻き込まれることなく純粋な原始文明を発展させてきた縄文人の心を受け継ぐ日本人には、つい戦前まで採集時代の総偶婚→夜這い婚が広く残り続けていた事が象徴している様に(注:婚姻制は、社会共認の最基底に位置する)、本源的な集団収束や共認収束がまだまだ強く、従って闘いや仲間を第一とする男原理や、そんな男の期待や役割に応合する女原理もまだ多少は残っている。従って、性権力が全面支配を強めてゆく時代の中にあっても、心の奥底に潜む本源回路が支配共認の囲いを突き破って、新たな思想を紡ぎ出す可能性を僅かに残している。少なくとも我々は、貧困が消滅し始める前後('75年頃)から支配共認に対峙して共同体=『類』を建設し、共同体の目で現実を直視し事実を追求し続けてきた。そして、支配共認に替わる本源共認の理論パラダイム(=倒錯観念とは全く異なる、事実認識の体系)を、かろうじて大破局の直前に、何とか作り上げた。他にも、支配共認と対峙して、全く新しいパラダイムを構築してきた人たちが、居る筈である。今や、人類の可能性はそこにしかない。 | ||||
040107 | ||||
だが、もし人類が私権社会・市場社会とは全く異なる別の理想社会を構築したとしても、やはり生存圧力は大して働かないだろう。なぜなら、生存圧力(自然圧力や外敵圧力)を克服した直接の主役は、事実の認識→科学技術だからである。今後とも人類は、事実の認識→科学技術を進化させ、物的な生存圧力を克服し続けてゆくだろう。そこで、完全に行き詰まり、終焉の時を迎えた私権(性権→占有権)→市場拡大の支配共認など全て捨象して(頭の中から消し去って)、改めてサル以来の人類史の大きな流れの中で現代を捉え返せば、誰にでも分かる、実に簡単な事実が浮かび上がってくる。つまり、人類は、すでに物的な生存圧力をほぼ克服したのだ! これは、実に人類五〇〇万年の全史を覆す様な、場(パラダイム)の大転換である! | ||||
040108 | ||||
サル→人類が共認機能→観念機能を武器に進化してきた動物であり、その生存と進化の前提条件の一つであった物的生存圧力(自然圧力と外敵圧力)⇒物的生存(≒生産)課題をほぼ克服し得たのだとすれば、あるいは少なくとも動物的な生存圧力はもはや主要な活力源たり得ず、従って物的生産はもはや第一義課題たり得ないとしたら、残るのは同類圧力の活力源しかない。人類は、これまで五〇〇万年に亙って自然圧力・外敵圧力だけを対象とし(そして期待・応望の同類圧力を生命源として)、共認機能と観念機能を進化させてきた。そして五五〇〇年前(日本は二〇〇〇年前)、同類闘争圧力が加わるや否や、わずか数千年で、自然圧力・外敵圧力をほぼ克服してしまった。これから先、人類は同類圧力(同類闘争圧力も含む)を主活力源として、共認機能・観念機能を更に進化させてゆくしかない。元々サルは、同類圧力を主活力源として共認機能を進化させてきたのだから、それは基本的には充分に可能である。 以上は「るいネット」より |
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