北朝鮮の中国属国化で転換する東アジア安保
★北朝鮮の中国属国化で転換する東アジア安保
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昨年12月17日に金正日が死去し、北朝鮮は不安定な政権移
譲期に入った> とされる。若造の金正恩が主導権を発揮しようと無
茶して韓国に戦争を仕掛け> るとか、12月30日に喪が明けた後が
危ないといった予測報道も見た。しか> し年が明けても、北朝鮮を
めぐる事態は今のところ不安定になっていない。
>
> http://www.atimes.com/atimes/Korea/ML21Dg02.html
>
Cunning Kim confounds to the last
>
>
韓国の李明博大統領が、年頭のテレビ演説の中で北に対話を
呼びかけた。す> ると北は、李明博を「親米でファシストで凶暴な悪
の頭目」と呼び、李明博と> は決して交渉しない方針を、北の最高
意志決定機関である国防委員会が発表し> た。こうした事態からは、
金正日の死後、朝鮮半島がかなり不安定になってい
> るようにも見える。
>
> http://old.news.yahoo.com/s/ap/20120104/ap_on_re_as/as_koreas_tension
>
NKorea calls SKorea president 'chieftain of evils'
>
>
しかしその一方で北朝鮮は、金正日の死の直前まで、食料支援
と交換条件に> 核開発(ウラン濃縮)を止め、6カ国協議を再開する
方向で行っていた米国と> の交渉について、いつでも再開する準備
があると、1月11日に表明した。
>
> http://www.freep.com/usatoday/article/52492872
>
North Korea keeps door open for food-nuke deal with U.S.
>
>
金正日の死の2日前、すでに米朝は交渉の末に合意に達しており、
12月22日> に6カ国協議の再開が正式に決まる予定だった。金正日
が死んで北のトップが> 金正恩に代わっても、米国や中国が望む6カ国
協議の再開に条件つきで協力> する北朝鮮の方針は変わっていないよ
うだ。今後、意外に早く、米朝の合意が> 正式発表され、6カ国協議が
再開するかもしれない。李明博も年頭演説で> 「韓半島は転換期に入
った」と言っている。
>
>
http://www.bradenton.com/2012/01/02/3758984/s-korea-
president-open-to-nuclear.html> S. Korea president open to
nuclear talks
>
>
このような背景をふまえた上で、韓国の李明博の対話提唱を、
北朝鮮が罵詈> 雑言とともに拒否した意味を再考察すると、
別の見方になる。
李明博は、対米> 従属の裏返しとしての数年の北朝鮮敵視策
が失敗し、任期末を迎え、追い込ま> れて北敵視策を放棄し、
対話姿勢に転換している。李明博は、北から罵詈雑言> を浴び
せられても、北敵視に戻れず、もっと北に譲歩するか、沈黙して
北との> 関係改善を来年からの次の大統領に任せるしかない。
左右どちらの勢力が韓国> の次期大統領になっても、北と
敵対せず、交渉することが予測されるので、> 北は安心して
李明博に罵詈雑言を浴びせている。
>
> 北朝鮮は、米国との関係を先に改善してから韓国との交渉
に入った方が、南> 北交渉を有利に進められる。だから今後
しばらく北は韓国と和解したがらず、> 韓国が来年初め、
次期大統領の時代に入った後まで待つのでないかと考えられ>
る。ただし、北の「宗主国」になった中国が、早く韓国と和解しろ
と求めてい> るとも考えられるので、南北対話も意外
と早く再開するかもれしない。
>
> http://tanakanews.com/111221korea.htm
>
金正日の死去めぐる考察
>
> 金正日が死んでも北朝鮮の権力中枢が不安定にならないのは、
事前に予測さ> れていた。金正日は08年に心筋梗塞で倒れて
以来、中国式の経済改革を進め> る責任者である張成沢と
金敬姫(金正日の妹)の夫婦を、後継者の金正恩の摂> 政役に
就け、自分の死後の北朝鮮の安定維持を画策した。金正日の
死後、金正> 恩が最高指導者を世襲し、張成沢と金敬姫が摂政
役に就く新体制が、日本のマ> スコミでも繰り返し報じられている。
金正日が画策した安定維持策は、今のと> ころ成功している。
6カ国協議の再開が近いという予測も、ここから出てくる。
>
>
(金正日が3人の息子のうち、長男の正男でなく三男の金正恩
を後継者に選ん> だのは、権力を握った時に自分勝手にやりた
がらず、摂政役の意見を素直に聞> きそうな性格だったからな
のかもしれない)
>
> ▼米国が北を中国に押しつけた
>
>
張成沢と金敬姫は、北朝鮮を中国の指導に沿って、中国型
の社会主義市場経> 済の体制にしていくことを目標にしている。
彼らを摂政役として金正恩の政権> が続く限り、北朝鮮は中国
の傘下で動き続ける。
中国は、北朝鮮が輸入するエ> ネルギーの90%、食料の
45%を供給している。中国は、北朝鮮が対中貿易> で未払い
を増やしても、北の中枢が中国式の経済政策を採っている限り、
北と> の貿易を切らない。
逆に、金正恩が張成沢らを失脚させて中国の言うことを聞>
かなくなるとエネルギーや食料の輸出を静かに止め、北を
制裁するだろう。> 北朝鮮は、中国の属国になっている。
>
>
http://www.bloomberg.com/news/2012-01-05/china-s-
korea-summit-to-focus-on-free-trade-north-succession.html
>
China-South Korea Summit to Focus on Free Trade Accord,
North'sSuccession
>
> 国際的に見ると、北朝鮮が中国の属国と見なされるように
なったのは、北自> 身が属国化を認める数年前からだ。米国は
ブッシュ政権時代の03年から、北> の核問題の国際解決を
中国に押しつけ、それ以来6カ国協議はすべて北京で開> かれ
ている。当初、北は中国の傘下に入りたがらず米国と直接交渉
したがり、> 中国も北の面倒など見たくないという態度
だったが、米政府は強い姿勢で「北> と交渉しない。北の面倒
は中国が見ろ」と言い続けた。北を中国の属国にした> のは
米国である。
>
> http://tanakanews.com/090331korea.htm
>
北朝鮮問題が変える東アジアの枠組み
>
> 米国に押しつけられて、03年に6カ国協議が中国主導で
始まった時、中国> は北朝鮮の面倒を見ることに消極的だった。
だが今では、中国は積極的に北朝> 鮮を傘下に入れている。
金正日が死んですぐ、胡錦涛と習近平が北京の北朝鮮> 大使館
に弔問に訪れた。今年、中国の最高指導者が胡錦涛から習近平
に変わっ> ても、中国が北朝鮮を属国として大事にする姿勢は
変わりません、という宣言> だろう。
>
> http://old.news.yahoo.com/s/nm/20111231/wl_nm/us_china_korea_north
>
China's Hu lauds military promotion for young Kim
>
>
独裁の北朝鮮が独裁の中国の属国になっても、何も変わら
ないじゃないかと> マスコミしか見ていない人は言うかもしれない。
だが、そう言う人も、自分の> 頭で少し考えてみれば、北朝鮮と
中国が同じ独裁であっても、全く違う状況の> 国であることが
わかる。北は冷戦用に分断されて作られた国で、冷戦終結後、>
一時は中露からも見捨てられ、米国から敵視され続けて、
孤立して過激な軍事> 外交策を採らざるを得ない、貧民が
大多数の崩壊寸前の小国だ。
>
>
対照的に中国は、1979年の米中国交回復以来、米国の
資本家層から支援> され続け、経済改革で成功して急成長し、
米国と並ぶ世界の大国となり、自国> 周辺の安定を重視し、
敵国に対して真綿で首を絞める隠然制裁を好む、米国債>
の世界最大の保有国だ。北朝鮮は自国周辺の情勢を不安定化
したがるが、中国> は逆に、自国周辺の情勢の安定を望んでいる。
国外に手強い敵がいた方が国内> が結束して政権を維持しや
すいので、北朝鮮政府が従来の好戦策を全面放棄す> るとは思
えないものの、中国の属国になったことで、今後長期的には、
好戦策> を引っ込め、中国の傘下で安定を好む傾向が強まるだろう。
>
> 北朝鮮が好戦策を引っ込めると、日本と韓国の安全保障戦略
の根幹が変わっ> てしまう。日韓の安保戦略は、北の脅威に対抗
することが大前提だった。日韓> が米軍に駐留してもらっていた
のは、北の脅威が前提だった。今後、脅威が消> えていく方向が
見えだしたのだから、日韓は、米軍駐留を不要とみなすなどの>
安保戦略の見直しが必要になる。
>
>
北朝鮮が好戦策を引っ込めそうな方向性は、日本のマスコミ
でほとんど報じ> られていない。マスコミは、対米従属を基本方針
とする官僚機構の下部組織だ> から、北朝鮮が好戦策を引っ込
めて、在日米軍駐留の必要が低下してきそうな> ことを、国民に
伝えない。北朝鮮をめぐる実態が変わっても、マスコミ報道で> しか
イメージを形成できない日本人の頭の中は変わらない。
>
> ▼中国の脅威は軍事でなく経済
>
>
北朝鮮だけでなく中国も日本にとって脅威だから、中国の台頭
が続く限り、> 在日米軍の駐留が必要だと考える日本人も多い。
中国は確かに台頭しているが、> その脅威は、軍事面でなく、経済
面から来ている。
>
> 軍事面の中国の脅威は、10年秋に尖閣諸島で中国漁船の
船長を逮捕・送検> した時の日中間の緊張激化に象徴されている。
だがあの時、中国漁船の船長を> 送検し、起訴まで進める方向に
持っていったのは、当時国交相だった民主党の> 前原誠司である。
前原の目的は、日中の軍事対立を激化して、中国を敵とする>
日米同盟を強化することだった。当時の日中の軍事対立の激化は、
日本側から> 仕掛けたもので、中国は呼応したにすぎない。
その後、日本政府は、中国と軍> 事対立することをやめ、日中の
軍事対立は起きていない。
昨秋、再び中国漁船> が領海内に迷い込んできた時、日本政府は
船長を逮捕したものの、送検せず帰> 国させている。
>
> http://tanakanews.com/101001japan.htm
>
日中対立の再燃(2)
>
> 日本の自衛隊は、米軍の支援を何も受けなくても、世界有数
の強い防衛力を> 持っている。日本人独自の技術力が、実は、
民生部門と同様に軍事部門で強く> 発揮されることは、戦前の
歴史が証明している(外交力が低いので敗戦した)> 。たとえ
今後、米国が財政破綻して日米同盟が事実上失効し、その後、
中国の> 経済成長が50年続いたとしても、中国が日本に軍事
侵攻するのをためらう> ぐらいの軍事力を、日本は保持し続
けるだろう。
>
> 日本にとって中国の脅威は、軍事面でなく経済面だ。中国は
ここ数年、アジ> アや中東、アフリカ、中南米など世界中で、
エネルギー開発や、インフラ整備> の受注、中国製品の市場開拓
など、経済的な利権あさりを貪欲に続けている。
>
対照的に日本は、米欧の経済利権を高く売りつけられる買い手
に徹しており、> 敗戦から65年以上、独自の国際経済利権をほと
んど行っていない。今後、米> 欧の覇権が世界的にかげり、
中国やBRICが台頭すると、日本は国際経済利> 権の面で窮乏
していくだろう。
>
> http://www.atimes.com/atimes/China/ML07Ad03.html
>
America vs China in Africa
>
>
中国は日本に対してだけでなく、米国に対しても、米国債の
世界最大の保有> 国であるなど、経済面で対米優位に立っている。
また中国製品は、世界的に人々> の消費生活に不可欠になって
いる。
日本国内で売る製品も、コンビニ商品や> ユニクロからiフォンまで、
中国製がこの10年前後で急増した。中国は脅威> だと声高に言う
人も、ユニクロを着てiフォンを持ち、コンビニで買い物して> いる
限り、中国から乳離れできず、しかも自分でそれに気づいていない。
>
>
日本が経済面で中国に対抗したければ、日本も米欧に頼らず、
独自に世界中> でエネルギー開発やインフラ整備などを受注すれ
ばよい。しかし実際のところ、> 日本でマスコミや著名言論人が誘導
する中国脅威論は、対米従属の裏返しで> しかない。「日本も中国
に負けないよう、米欧に頼らず、世界中で石油ガスの> 利権を
あさろう」という呼びかけは全く行われず、それと正反対の
「中国は危> ないので、日米同盟(独自の利権あさりをタブー視
する対米従属)を強化しよ> う」という呼びかけが席巻している。
日本で流布する「ナショナリズム」は> 実はナショナリズムから
ほど遠い、日本より米国の国益を重視する売国的態度> だ。
売国的態度を愛国的態度と勘違いしている人が多いのが、
今の日本の悲劇> である。
>
>
日本の140年の近現代史の全体を見る視点に立つと、北朝鮮
が中国の属国> になるのも、日本にとってマイナスのことだ。戦前は、
北朝鮮も南朝鮮も、日> 本の属国(国内)だった。戦後も、1990年
の自民党の金丸信らの訪朝など、> 日本が北朝鮮を傘下に入れる
ことが可能な時期があった。戦後賠償の名目で> 北朝鮮を経済支
援し、北朝鮮の中枢において在日朝鮮人の力を増加させること
> で、日本が間接的に北朝鮮を傘下に入れることが可能だった。
>
> だがその後、金丸信は官僚機構によって連続的に汚職容疑を
かけられて失脚・> 逮捕され、金正日は「交渉不能な危険人物」と
され、マスコミが喧伝する拉> 致問題で北朝鮮敵視が席巻し、在日
朝鮮人は日本国内でバッシングされ、日朝> 間は全く関係断絶の
状態が続いた。その間に米国は、北朝鮮の面倒を中国に見> させる
]役目を押しつけ、北朝鮮は中国の傘下に入ってしまった。韓国も、
最大> の貿易相手国が中国であり、長期的には、朝鮮半島の全体
が中国の影響圏にな> っていくだろう。朝鮮半島をめぐる国際体制
は、明・清の中国が朝鮮を傘下に> 入れていた明治維新前の状態
に戻ることになる。
>
> 日本で「日朝友好」を言う人は「アカ」や売国奴扱いされる。だが
実は、日> 本の近現代史の全体を見ると、日本は「日朝友好」を掲
げて、冷戦後に行き場> を失った北朝鮮を救済しつつ自国の傘下
にいれ、日本主導で南北朝鮮を和解さ> せて、朝鮮半島への隠然
とした覇権を回復する方策があり得た。愛国者や右翼> こそ、日朝
友好を掲げても不思議でなかったが、実際のところ愛国者や右翼は
> 対米従属に絡め取られ、そんな発想すら出てこなかった。
>
> 頓珍漢なのは右翼だけでない。朝鮮や中国に対して「戦争責任」
の土下座の> 謝罪を越える何の発想も出てこない左翼も同様だ。
大国の他国に対する支配は> 一般的に、時代が下るほど巧妙になる。
戦前の日本のアジア支配は直接的な軍> 事支配だったが、今の中国
のアジア支配は間接的で外交や経済を重視する。中> 国は「覇権」
のレッテルを貼られることを嫌うが、北朝鮮、ミャンマー、ラオ> ス、
カンボジア、中央アジア諸国などに対する中国の影響力行使は、
明らかに> 「覇権」の部類に入る(覇権とは、軍事力を行使せず他国
を支配すること)。
>
>
戦後の日本政府は、外国に対する影響力の行使を極力やら
ないようにしてき> たが、今から覇権の行使を目指すなら、戦前
と全く異なる、より巧妙な、相手> 国から絶賛される影響力の行使
ができるはずだ。だが昨今の日本には、そのよ> うな発想が全く
ない。今後の日本が覇権行使をやる必要は全くないが、その場
>
合、米国覇権が衰退しつつある中、日本人は自国のさらなる
脆弱化を容認する> 必要がある(弱くて美しい日本も清貧で良いが)。
それがいやで、日本が中国> に対抗する国策を採るなら、覇権の
行使で中国としのぎを削る必要がある。
>
>
日本が中国に対抗し、国家として経済的な国際利権あさりを
やったとしても、> 日中関係は悪化しない。インドやロシアも、
中国に対抗してアフリカなどに> 積極進出しているが、それが原因
で中国と印露の関係が悪化することはない。
>
日本が国際利権あさりをした場合、邪魔をしてきそうなのは、
中国よりむしろ> 米国だ。戦後の日本が覇権を再拡大することを、
米国が抑止しているというは> 「びんのふた」論が、広く信じられている。
>
> しかしこれも、米国が日本の覇権再拡大を抑止しているのか、
それとも日本> の官僚機構が対米従属という権力の伝家の宝刀を
失いたくないがために、びん> のふた論を流布しているのか、
どちらかわからない。日本が本気かつ粘着的に> 長期にわたって
再拡大を試みるなら、米国が日本の再拡大を抑止しようとして> も、
止められないとも言える。日本に対米従属を強いているのが、
米国でなく> 日本の官僚機構であることは、ほぼ確実であり、要は
日本側の意志の問題である。
>
>
今後予測される米英覇権の衰退と覇権の多極化の中で、
日本は、鎖国するに> せよ、弱体化を容認するにせよ、世界の中
での自国の政治的・歴史的な位置づ> けを、分析・認識する必要
がある。米英以外のすべての国々が、米英の属国か> 敵国にされ
てきた従来の米英覇権体制では、日本が選択した一途な対米従
属が> 一つの有効な国家のあり方だった。だが、きたるべき米英
覇権衰退後の世界は、> もっと国際秩序が流動的であり、各国は
巧妙に振る舞う必要に迫られる。そこ> において、国際的な影響力
行使を嫌う態度は、清貧な潔さでなく、無知や臆病> の表れにも見える。
>
>
今のところ、米英覇権は延命している。米国の覇権を支える
債券金融システ> ムは回復しており、ジャンク債がよく売れるので、
米国の企業倒産率は、昨年> の3・2%から、1・7%へと下がって
いる(逆にEUでの倒産率が1・4%> から2・7%に上がった)。
こうした事態が続く限り、米英覇権は延命するが> 米国の実体経済
は復活しておらず、延命状態がいつまで続くかわからない。
以上は「田中于氏」ブログより
田中氏の考えに小生も同じようですので、ここにご紹介致します。
大変ご参考になります。 以上
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