「フォトクロミズム」の将来性は!その③
杉森 リケジョが話題になる一方では、子どもの「理科離れ」が問題になっていますね。読売新聞では、「教育ルネサンス」と銘打って教育に関するさまざまな取り組みを進めているのですが、この理科離れも大きなテーマの一つです。
阿部 理科に興味を持たせるには、教科書の勉強ではだめ。実際に自然や生命に触れて、その不思議さ、面白さを体験することが大事だと考えますが、現代の都会ではそれが難しい……。
杉森 その意味では、フォトクロミズムのように、目に鮮やかな化学実験を見せることは、自然体験に代わるものとして有効なのではないでしょうか。
阿部 実際、出張授業などでも、小学生は驚きの声をあげて目を輝かせます。それを視覚のメカニズムなどとつなげて説明すると、生命科学にも興味を広げてくれる。
杉森 仮にその子たちが理系に進まなくても、科学への興味を持ち続けてくれることが大切なんですよね。
私は、科学を知るということは、外国語を勉強するのと同じだと思うんです。目の前のものを、もう一つ別の角度から見ることができるようになる。それは、楽しいだけでなく、生活にも大いに役立つ。
阿部 たとえば3・11のあとでも、正しい科学的知識をもっていれば、放射能を必要以上に怖がることはなくなるし、風評被害などというものもありえないわけですからね。
杉森 その意味では、子どもたちに限らず、大人にも科学の面白さを伝え、興味を喚起していく必要がありますね。
阿部 説明の苦手な学者は少なくないので(笑)、そこは新聞社はじめメディアに携わる皆さんのご協力をお願いしたいところです。
杉森 まさに、先生方と私たちの共同作業ですね。
最後になりますが、今後はどのような研究を?
阿部 光で磁性をコントロールし、モノを動かす――これはまだだれも手をつけていない分野です。
以上は「青山学院」ブログより
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