「ベーシックインカム」という新兵器(3/7)
橋下徹氏が手に入れた
「ベーシックインカム」という新兵器
この場合「ベーシックインカムは確かにバラマキですが、そもそも社会保障は富の再分配なのだからバラマキの性質を持っています。それなら、均等にばらまくのと、条件がややこしくて官僚や政治家が決める補助金のような偏ったバラマキと、どっちがいいでしょうか?」と穏やかに問い返すといい。そして、「究極のバラマキとは、むしろベーシックインカムに対する褒め言葉でしょう」と付け加えよう。
批判2:お金持ちにも現金を払うのはムダだ
これは、先のバラマキ批判の続編としてありそうな批判だ。
ベーシックインカムが富の再分配になるのは、その財源負担の差を通じてだ。子ども手当の議論の際に、「ハトヤマさんのような大金持ちの子どもにも手当を支給するのか」という近視眼的な議論があったが、ハトヤマさんは、たくさん納税しているから(そうでないとしたらベーシックインカム以外の問題だ)、ベーシックインカムが支払われても、制度全体としては富の再分配になっているのだ。この「負担と受給をトータルで考える」点が、ベーシックインカムを考える際の急所の一つだ。
豊かな人にまでお金を配るのは、確かにムダな面があるから、一回は頷いてあげてから、次のように反論するといい。「お金持ちにもお金を配るのは確かにムダなのですが、所得や資産で支給の有無や額を調整すると、膨大な手間が掛かって、行政コストが掛かることになります。税金の支払いとベーシックインカムの受け取りの効果をトータルで見るといいのであって、支給の際の手続きを複雑にしない方が、役人につけ込まれる余地がなくていいですよ」
相手が、徴税の際には所得や資産を把握するではないかと食い下がるようなら、「正しくてフェアな徴税は大切です。納税者背番号制の導入と、歳入庁の設立を早く行って、ベーシックインカムの受け取り額と税金の支払額を差し引き計算してやりとりできるようになると、余計な振り込み手数料を掛けずにすみます」と折り合いながら、納税者背番号制と歳入庁設立(厚労省の効率化と、財務省の権限分割のためにも重要だ)をついでに訴えるといい。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
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