「ベーシックインカム」という新兵器(6/7)
橋下徹氏が手に入れた
「ベーシックインカム」という新兵器
批判6:ベーシックインカムは、少額の現金給付をエサにして、福祉をめしあげようとする(新自由主義者の)陰謀だ
手厚い年金や生活保護、あるいは労働者の権利保護などを通じて、楽に暮らしたいと思う人は、ベーシックインカムに対して、ここで挙げたような警戒感を持つことがある。もともと相手が喧嘩腰なので(特に「新自由主義」という言葉を使う人は)、派手に喧嘩したくない場合には注意を要する。
筆者の思うに、この種の論者に対しては、先ず、ベーシックインカムが、富の再分配の必要性を認めた「優しい制度」であることを強調し、加えて、再配分の方法としては行政の裁量が絡まず、効率的であることを納得してもらおう。その上で、可能であるなら金額が大きくてもいいことを述べてみたらいい。
実際、どのくらいの大きさのベーシックインカムが適当なのかは、負担と受給のバランスを見ながら、社会が決めて行く問題だ。
筆者は、「国民一人、一月、5万円」くらいのベーシックインカムが適当で、これに老齢の加算(70歳以上、月3万円くらいか)、障害の際の特別給付くらいがあればいいのではないかと思っている。月5万円は、年間で約75兆円になるが、これは、現在の公的年金、生活保護、雇用保険などを合わせた給付額に、消費税数パーセント相当額程度を加えただけのものなので、財源的には十分実現可能だろう。しかも、多くの家計で、ベーシックインカムの収入と税金の支払いが相殺されるので、実質的なやりとりは見かけほど大きくない。
受給と負担の関係をよりリアルに選択してもらうためには、ベーシックインカムの基本部分(たとえば3万円とか5万円とか)だけ国が支払い、上乗せ部分を道州制がしかれた地方が独自に決めてもいい。そのかわり、消費税は地方に財源として渡して、消費税率も地方毎に決めたらいいのではないか。
これなら、住民が、高負担・高福祉を選ぶこともできるし、低負担・低福祉を選ぶこともできる。税率やベーシックインカムの額が不満なら、住む地域を変えることもできる。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
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