「ベーシックインカム」という新兵器(7/7)
橋下徹氏が手に入れた
「ベーシックインカム」という新兵器
批判7:ベーシックインカムは、日本の仕組みを壊してしまう!
ベーシックインカムは社会保険庁や年金基金の仕事、生活保護に関わる自治体の仕事、よく言えばきめ細かな、悪くいうと複雑で裁量的な補助金の数々を、単純な現金のやりとりに置き換えてしまう。
この効果については、橋下氏も気がついているだろうが、この効果こそがベーシックインカムの実現を難しくしている真の理由だ。決して、インセンティブや財源の問題などではない。
既存の官僚組織は、総力を挙げてベーシックインカムの導入に対して阻止にかかるだろう。子ども手当の経緯を見ていると、官僚集団の外郭の応援団であるマスメディアも批判側に加担する公算が大きい。
筆者は、この理由によってベーシックインカムの実現は難しいと「予想」しているが、それで全てをあきらめている訳ではない。個々の政策を、ベーシックインカムと比較しながら、評価していけばいいと考えている。
たとえば、負の所得税(あるいは給付き税額控除)をやるというなら、これはベーシックインカム的な政策だから賛成すればいいし、そのための仕組みはもっと単純化した方がいい、と付け加えるといった具合だ。
もちろん、民主党も自民党も国民からの信頼を失っているし、年金財政は抜本的な対策を必要としているから、ベーシックインカムそのものを導入する可能性を考えても悪くない。
但し、その場合には、既存の官僚を相当程度置き換えることができる人的な戦力を準備した上で、改革の戦いに臨む必要があるだろうし、クビにした官僚の受け皿もある程度考える必要があるだろう。政治・行政の改革が、一面では戦いであり、別の一面では経営の問題であることを思えば、当然のことだ。それこそ、明治維新のような覚悟と戦略、戦力をもってこの戦いに臨んで欲しい。
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以上は「DIAMOND ONLINE」より
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