NASA火星計画、事実上終了へ
2012年02月29日
米国政府が NASA 火星計画の予算を停止。米国の火星ミッションが事実上終了へ
米国の太陽系ミッションの優先順位で木星の衛星エウロパが火星より上位に。
▲ NASA の無人火星探査機オポチュニティが撮影した火星。味気ない風景の中にも、少ないながらも緑と水があることを教えてくれました。何より豊富な大気があることがわかります。オポチュニティの撮影した全写真の大部分は、修正前、修正後を含めて、こちらにあります。しかし、とりあえず、さよなら火星ということになりそうです。
--
(訳者注) 長期間にわたり、「隕石の顕微鏡写真の分析で地球外の生物の化石を見つける」ことを続けている海外のThe Oldest Human Skull Cap/Femur(最古の人類の頭蓋骨と大腿骨)というブログがあって、学術発表されている化石資料写真の中から血管などの生命の痕跡を見いだし続けているというブログがあります。
昨年、そのブログから、
・隕石から「地球外の生命の痕跡(血管の化石)」を見つける方法
(2011年09月05日)
というものをご紹介したことがあります。
そのブログの今日の記事の見出しは、
・ホワイトハウスからの 「さよなら火星。もはやゲームオーバー」のメッセージ
というものでした。
何かと思って見てみると、昨日の AP 通信の報道によると、米国政府が NASA の予算の大規模な削減を発表し、事実上、米国の火星計画は中止されるだろうという記事が出ているということでした。
AP 通信の報道の全内容は、
・With budget cuts, scientists upset, NASA tries to rescue Mars focus with cut-rate 2018 flight(予算削減により中止に追い込まれる可能性のある「2018年火星計画」を復活させたい NASA)
にありますが、内容としては、
・ホワイトハウスは 2016年と2018年に予定されていた NASA の火星計画への予算計上を中止
・今年の無人探査機キュリオシティの打ち上げは行われる。
・太陽系探査の優先順位を「火星から木星の衛星エウロパ」に変更。
・火星への有人飛行計画は、白紙(多分消滅)。
・欧州宇宙機関等は、中国とロシアに火星計画を持ちかけている。
というような感じのようです。
これで事実上、現在の地球での火星計画は終わったと思われます。
代替えとして火星探査を打診されているロシアや中国などの大国に関しては、経済力はともかく、蓄積した技術力と人的要因で米国以上の「火星へ行ける能力」は持たないと個人的には思います。
今回は、上記のブログ「The Oldest Human Skull Cap」の記事をご紹介します。
ちなみに、ブログの作者は怒っているように見えます。
このブログ作者は NASA に常に批判的でありながらも、それでも NASA による火星探査は続けてほしかったはず。この作者ほど「火星にいる生命」に強い興味を持っていた人はいなかったはずです。
そして、「火星にいる生命」に強い興味を持っているひとりの私も言いたいですが、NASA の異常な慎重ぶりと、そして「一種の無能」が今回の火星探査中止を招いたとやはり思います。この作者も書いていますが、 NASA はバクテリアなどの微生物を火星で探そうとしていますが、そもそも、火星へ送る探査機を(少なくとも過去は)「徹底消毒」しませんでした。つまり、地球からのバクテリアがそのまま火星に行っている。
これでは、火星でバクテリアが見つかっても、それは探査機のボディに付着したまま地球から運んだ地球のバクテリアの可能性が高いです。バクテリアのいくつかは宇宙空間でも死にません。
なので、「哺乳類の痕跡」を探すほうが手っ取り早かったはずです。それには、火星の岩石を調べればよかった。ローバーの脚の真下にある岩石でいいのです。その中の一部からは、動物の血管の化石が見つかったかもしれない。それらを先延ばしにした上で、ついに予算を切られている。
ま、いずれにしても、人類の火星探査は終わりました。
あとは、火星に残される無人探査機たちが、(ローバーはとても頑丈な設計なので)何万年も火星の様子を見届けてくれるはずです。
White House: Bye-bye, Mars. Game Over
The Oldest Human Skull Cap 2012.02.28
ホワイトハウスのメッセージ: 「バイバイ火星。もはやこれまで」
2月27日の AP 通信の報道を読むと、ホワイトハウスから科学者たちに送られたメッセージはとてもシンプルだったようだ。
つまり「バイバイ火星」だ。
多くの科学者たちにとっては、このメッセージは火星探査プログラムの明確な終了を意味する。
「火星探検ゲーム」は終わったのだ。
火星探査に対しての予算削減の理由は経済的な理由だけによるものではない。簡単にいうと、NASA は火星での生命の発見に事実上失敗しているが、それが最大の原因だ。
科学者たちは長い間、火星で実際の生命を発見することのないまま、議論上だけで「生命が存在する可能性」を延々と語ってきた。そして、多大な資金が火星探査に費やされてきた。
それなのに、今でもなお、NASA は「火星探査のミッションは火星の生命を探すためではない」とアナウンスし続けている。
そして、科学者たちと NASA は公共の資金から搾り取れるだけ絞り取ってきた。
科学者たちは、火星上で化石を見つけることは難しいと言い続ける。しかし、「火星上にどこにでも見いだせる化石」という過去記事(英語)にあるが、化石はどこにでもある。
単純な話として、どうして、科学者たちは、火星の岩石を顕微鏡で拡大しようとしなかったのだ。
上の写真は、火星の隕石 ALH84001の顕微鏡写真。黄色い矢印が化石化された神経繊維と思われる箇所。赤くマークした部分はニューロン(神経単位)と考えられる場所。上記ブログ過去記事より。
彼ら科学者たちは、火星上で哺乳類の血管や神経繊維だと思われる化石が見つかることを恐れていたように思う。それは、火星の上に「哺乳類がいた」ことの証拠になってしまう。
なので、科学者たちは火星の微生物やバクテリアの発見だけに躍起になった。
しかし、それはとんでもない「浪費」であり、予算の無駄遣いなのだ。
その理由は NASA が最もよく知っているはずだが、火星探査で細菌が見つかったとしても、それは地球上のもの(地球から火星に持ち込まれたという意味)である可能性が高いからだ。
理由としては、
などだ。
多くの科学者たちは、哺乳類の細胞の化石が隕石の中から見つかっていることを知らないと偽る。そして、科学者たちのその態度は結局、莫大な予算を無駄にしてしまった。
(訳者注) 記事の最後のほうにある「理由」のうち、「1」は、
・火星で細菌が見つかっても、地球からもたらされたものである可能性があり、発見にはならない
つまり、「火星独自のものだという証拠にはならない」ということだと思いますが、地球から火星に送られた細菌がずっと生きているのかどうかは、下の過去記事などをご参照いただくとおわかりかと思いますが、地球上には、「宇宙空間程度では死なない」多くの種類の細菌がいます。ありふれた大腸菌でも多くが生き残ると思われます。
・宇宙空間で553日生きのびた細菌の研究が英国オープン大学から発表される
(2010年08月26日)
・大気圏の生き物(参考記事:1980年代のチャンドラ博士によるシミュレーション実験等)
(2010年10月05日)
なお、これらと関連して、英国の名門ニューカッスル大学で先日、「宇宙の細菌から発電する方法」についてのニュースリースがありました。地球の上空 30キロの高層大気に「発電に適した生命がいる」ことがわかったというものです。
大変興味深いニュースで、今日もし時間があれば、後で訳します。
今日は関東は大雪で外出できなそうですし、書けると思います。
[1年前の In Deep ]
2011年03月01日の記事
・ボリビアの首都ラパスで地殻変動による壊滅的な被害
▲ NASA の無人火星探査機オポチュニティが撮影した火星。味気ない風景の中にも、少ないながらも緑と水があることを教えてくれました。何より豊富な大気があることがわかります。オポチュニティの撮影した全写真の大部分は、修正前、修正後を含めて、こちらにあります。しかし、とりあえず、さよなら火星ということになりそうです。
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(訳者注) 長期間にわたり、「隕石の顕微鏡写真の分析で地球外の生物の化石を見つける」ことを続けている海外のThe Oldest Human Skull Cap/Femur(最古の人類の頭蓋骨と大腿骨)というブログがあって、学術発表されている化石資料写真の中から血管などの生命の痕跡を見いだし続けているというブログがあります。
昨年、そのブログから、
・隕石から「地球外の生命の痕跡(血管の化石)」を見つける方法
(2011年09月05日)
というものをご紹介したことがあります。
そのブログの今日の記事の見出しは、
・ホワイトハウスからの 「さよなら火星。もはやゲームオーバー」のメッセージ
というものでした。
何かと思って見てみると、昨日の AP 通信の報道によると、米国政府が NASA の予算の大規模な削減を発表し、事実上、米国の火星計画は中止されるだろうという記事が出ているということでした。
AP 通信の報道の全内容は、
・With budget cuts, scientists upset, NASA tries to rescue Mars focus with cut-rate 2018 flight(予算削減により中止に追い込まれる可能性のある「2018年火星計画」を復活させたい NASA)
にありますが、内容としては、
・ホワイトハウスは 2016年と2018年に予定されていた NASA の火星計画への予算計上を中止
・今年の無人探査機キュリオシティの打ち上げは行われる。
・太陽系探査の優先順位を「火星から木星の衛星エウロパ」に変更。
・火星への有人飛行計画は、白紙(多分消滅)。
・欧州宇宙機関等は、中国とロシアに火星計画を持ちかけている。
というような感じのようです。
これで事実上、現在の地球での火星計画は終わったと思われます。
代替えとして火星探査を打診されているロシアや中国などの大国に関しては、経済力はともかく、蓄積した技術力と人的要因で米国以上の「火星へ行ける能力」は持たないと個人的には思います。
今回は、上記のブログ「The Oldest Human Skull Cap」の記事をご紹介します。
ちなみに、ブログの作者は怒っているように見えます。
このブログ作者は NASA に常に批判的でありながらも、それでも NASA による火星探査は続けてほしかったはず。この作者ほど「火星にいる生命」に強い興味を持っていた人はいなかったはずです。
そして、「火星にいる生命」に強い興味を持っているひとりの私も言いたいですが、NASA の異常な慎重ぶりと、そして「一種の無能」が今回の火星探査中止を招いたとやはり思います。この作者も書いていますが、 NASA はバクテリアなどの微生物を火星で探そうとしていますが、そもそも、火星へ送る探査機を(少なくとも過去は)「徹底消毒」しませんでした。つまり、地球からのバクテリアがそのまま火星に行っている。
これでは、火星でバクテリアが見つかっても、それは探査機のボディに付着したまま地球から運んだ地球のバクテリアの可能性が高いです。バクテリアのいくつかは宇宙空間でも死にません。
なので、「哺乳類の痕跡」を探すほうが手っ取り早かったはずです。それには、火星の岩石を調べればよかった。ローバーの脚の真下にある岩石でいいのです。その中の一部からは、動物の血管の化石が見つかったかもしれない。それらを先延ばしにした上で、ついに予算を切られている。
ま、いずれにしても、人類の火星探査は終わりました。
あとは、火星に残される無人探査機たちが、(ローバーはとても頑丈な設計なので)何万年も火星の様子を見届けてくれるはずです。
White House: Bye-bye, Mars. Game Over
The Oldest Human Skull Cap 2012.02.28
ホワイトハウスのメッセージ: 「バイバイ火星。もはやこれまで」
2月27日の AP 通信の報道を読むと、ホワイトハウスから科学者たちに送られたメッセージはとてもシンプルだったようだ。
つまり「バイバイ火星」だ。
多くの科学者たちにとっては、このメッセージは火星探査プログラムの明確な終了を意味する。
「火星探検ゲーム」は終わったのだ。
火星探査に対しての予算削減の理由は経済的な理由だけによるものではない。簡単にいうと、NASA は火星での生命の発見に事実上失敗しているが、それが最大の原因だ。
科学者たちは長い間、火星で実際の生命を発見することのないまま、議論上だけで「生命が存在する可能性」を延々と語ってきた。そして、多大な資金が火星探査に費やされてきた。
それなのに、今でもなお、NASA は「火星探査のミッションは火星の生命を探すためではない」とアナウンスし続けている。
そして、科学者たちと NASA は公共の資金から搾り取れるだけ絞り取ってきた。
科学者たちは、火星上で化石を見つけることは難しいと言い続ける。しかし、「火星上にどこにでも見いだせる化石」という過去記事(英語)にあるが、化石はどこにでもある。
単純な話として、どうして、科学者たちは、火星の岩石を顕微鏡で拡大しようとしなかったのだ。
上の写真は、火星の隕石 ALH84001の顕微鏡写真。黄色い矢印が化石化された神経繊維と思われる箇所。赤くマークした部分はニューロン(神経単位)と考えられる場所。上記ブログ過去記事より。
彼ら科学者たちは、火星上で哺乳類の血管や神経繊維だと思われる化石が見つかることを恐れていたように思う。それは、火星の上に「哺乳類がいた」ことの証拠になってしまう。
なので、科学者たちは火星の微生物やバクテリアの発見だけに躍起になった。
しかし、それはとんでもない「浪費」であり、予算の無駄遣いなのだ。
その理由は NASA が最もよく知っているはずだが、火星探査で細菌が見つかったとしても、それは地球上のもの(地球から火星に持ち込まれたという意味)である可能性が高いからだ。
理由としては、
1. 現在までに多くの地球の宇宙艇(無人探査機など)が火星に触れている。そして、それらの多くの宇宙船は、地球での徹底的な消毒がおこなわれないまま火星に送られている。なので、宇宙船や探査機に付着した地球の細菌がそのまま火星に運ばれることになる。
地球上の細菌やバクテリアは火星でも生きられるし、繁殖もできる。
2. あるいは、現代以前にも人類たちは火星を訪問していたかもしれない。そういう時代が数多くあれば、火星は地球のバクテリアで汚染されている。
地球上の細菌やバクテリアは火星でも生きられるし、繁殖もできる。
2. あるいは、現代以前にも人類たちは火星を訪問していたかもしれない。そういう時代が数多くあれば、火星は地球のバクテリアで汚染されている。
などだ。
多くの科学者たちは、哺乳類の細胞の化石が隕石の中から見つかっていることを知らないと偽る。そして、科学者たちのその態度は結局、莫大な予算を無駄にしてしまった。
(訳者注) 記事の最後のほうにある「理由」のうち、「1」は、
・火星で細菌が見つかっても、地球からもたらされたものである可能性があり、発見にはならない
つまり、「火星独自のものだという証拠にはならない」ということだと思いますが、地球から火星に送られた細菌がずっと生きているのかどうかは、下の過去記事などをご参照いただくとおわかりかと思いますが、地球上には、「宇宙空間程度では死なない」多くの種類の細菌がいます。ありふれた大腸菌でも多くが生き残ると思われます。
・宇宙空間で553日生きのびた細菌の研究が英国オープン大学から発表される
(2010年08月26日)
・大気圏の生き物(参考記事:1980年代のチャンドラ博士によるシミュレーション実験等)
(2010年10月05日)
なお、これらと関連して、英国の名門ニューカッスル大学で先日、「宇宙の細菌から発電する方法」についてのニュースリースがありました。地球の上空 30キロの高層大気に「発電に適した生命がいる」ことがわかったというものです。
大変興味深いニュースで、今日もし時間があれば、後で訳します。
今日は関東は大雪で外出できなそうですし、書けると思います。
[1年前の In Deep ]
2011年03月01日の記事
・ボリビアの首都ラパスで地殻変動による壊滅的な被害
以上は「IN DEEP」より
今は、人間を火星などに送っている時ではない事を一番良く知っているのは、NASAです。78万年ぶりの地球大変動期に当たっていますが、これは何も地球だけではなく、火星も同じ様に異常気象で大荒れの状況です。従って、無事に帰還できる保証が無いのです。無理をしないということです。 以上
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