旱魃と熱波で全米のトウモロコシに壊滅的打撃
アメリカのトウモロコシが死滅しつつある・・・
◆7月12日
7月5日号の「記録的な暑さと旱魃で全米で不作の危機」の続編である。トウモロコシの受粉の季節が6月から7月初めと言われており、その期間に発生したアメリカの熱波と旱魃で受粉はうまく行っていないため、トウモロコシの収穫量は大きく減少しそうである。
従ってその影響が様々な方面で出てくることになりそうだ。トウモロコシは家畜の餌でもあるから、畜産、酪農にも影響がでてくる。アメリカのトウモロコシを輸入している他国も困ることになる。食料品の価格上昇は避けられない。
これが言われてきた、「食料自給率」の問題と繋がってくる。アメリカは小麦をロシアから購入しようとしているらしいが、ロシアも洪水などでそんな余裕はない。日本も家畜の餌を始めとしてアメリカのトウモロコシを大量に輸入してきているから、大きな影響が出てくる。こういうことがあることを「想定」して、もっと早くから日本政府は「食料自給率」を上げておくべきだったのだ。お金を出せば買える、と考えてはいけない。お金を出しても買えなくなる時代がもうすぐそこまで来ているのである。
従って今回のこの問題を契機として、日本は本腰を入れて食糧自給率向上に努めなければならない。これから起きる世界的な天変地異は、もう待ったなしの状況に来ていると考えるべきなのだ。
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●旱魃と熱波で全米のトウモロコシに壊滅的打撃
http://theeconomiccollapseblog.com/archives/the-corn-is-dying-all-over-america
【7月9日 The Economic Collapse】
全米でトウモロコシが死滅しつつある。もしも旱魃が中部地帯で続けば、小麦と大豆が次にやられるだろう。何週間も続く厳しい暑さと極端に乾燥した状況のためアメリカのトウモロコシ生産者は全面的で壊滅的な状況に追いやられている。もしもすぐにも十分な降雨がなければ、多くの農業従事者は資金的に破産してしまうだろう。この季節はとりわけトウモロコシにとっては、受粉がなされる時なので重要な時期である。
しかしかつてない暑さと極端に乾燥している状況で、この受粉がうまくいってない。日々事態は悪化している。トウモロコシの価格は6月14日から41%上昇している。これは驚くべき上昇率だ。我々はトウモロコシを直接にはそんなに食しないだろうが、いまどきはトウモロコシやコーンシロップはあらゆるものに使用されているのだ。アメリカでは加工食品の75%にトウモロコシが使用されている。従ってトウモロコシの価格の大幅な上昇はスーパーマーケットでその影響が出始めている。トウモロコシはまた家畜の餌に広く使用されている。もしもこの危機的状況が続けば、食肉と酪農製品の価格の上昇を見る事になるだろう。アメリカにおける食料品価格は既に着実な上昇を見せている。
アメリカ中部の過去2ヶ月の気象状況は異常であった。以下はロサンジェルス・タイムズ紙の記事内容だ。
「中西部が以前は極端に暑くはなかったというわけではないし、信じがたいほど乾燥してはなかった、と言うわけでもない。しかし中西部のこんなに広い範囲でこんなに熱くこんなに乾燥した時期がこんなに長期にわたって続くことは異常であり、とりわけ夏の始まりのこの時期にはそうである。今の熱波は1936年のものと比較されているが、まさに「適応不能」なのだ」と気象学者のジム・キーニーはロサンジェルス・タイムズ紙とのインタビューで答えた」
トウモロコシは6月から7月初旬に受粉し育つ作物だ。それでこの時期がトウモロコシにとっては死活的に重要な時期なのだ。我々はのるかそるかの時期を迎えている。
以下はAccuweather.comのサイトで語られている現状である・・・
「熱あるいは乾燥した天候は作物にストレスとなるが、この両方が重なる事で受粉プロセスが滞ってしまう。これが起きると、わずかにしか、あるいは小さいもの、あるいは全然つけなくなってしまう」
Accuweather.comの農業気象学者によれば、6週間で1インチ以下の降雨で、華氏100度かそれ以上の温度が重なればトウモロコシを育てることはできない、という。この状況が2012年7月4日の週を通して南部のトウモロコシ地帯で生じた。もしも受粉が起きなければ、トウモロコシ生産者は諦めるかもしれない。
農業エコノミストのクリス・ハートの言葉を聴いてみよう・・・
「受粉の問題は天候が回復してもどうしようもないことだ。やり直しは効かない。失敗したということだ」
この時点では、インディアナ州の半分のトウモロコシが既に酷い状況になっている。日ごとトウモロコシの状況は悪化している。
シカゴ・トリビューン紙の最近の記事が報じているように、多くの農業従事者は今のところ完全にお手上げ状態である・・・
「シカゴの南西40マイルのところにある1300エーカーの土地で農業を営んでいるデイブ・ケステルは、どうしようもない、と言っている。『毎日畑に出ると同じ暑さと雲のない青空が広がっているのです』と彼は言う。『トウモロコシが枯れていくのを見るだけです。それに対して何もできないことは分かっていますが』
アメリカは降雨が非常に少ないことで苦悩の中にある。アメリカ旱魃モニターによれば、殆どの州で旱魃状況が発生しているという・・・
アメリカの殆どが旱魃的状況にある
このような旱魃状況は最近見た大量に発生した野火に対して主要な役割を果たしてきている。現在、旱魃を体験していないいくつかの北の州があるが、その他の地域は極端に乾燥している。 StanDeyo.comのサイトでは雨乞いをするべきだ、という記事が最近掲載された・・・
「食料品店の製品の75%にトウモロコシが主要原料として使用されているため、食料品の価格は急騰することと思われる。トウモロコシは多くのファースト・フードの主要成分だ。トウモロコシはエタノールに入っているし、鶏の主要な食料の原料だ。これに加えて、トウモロコシは接着剤、アルミニウム、アスピリン、糊、化粧品、咳止めシロップ、乾電池、封筒、繊維ガラス、絶縁体、ゼラチンカプセル、インク、殺虫剤、ペンキ、ペニシリン、粉、絨毯、スタンプ、歯磨き粉、壁紙などに使われている。
このような状況が食料品の価格に反映される前に、トウモロコシが使用されている製品を購入しておくことは重要な備えである。購入できる機会は狭くなるだろう。このような考え方は多くの農業エコノミストたちも共有している。
ビジネス・ウィーク誌によれば、アメリカの食料価格の見通しは厳しいものである・・・
「ハンバーガー、バター、卵、その他たんぱく質源の価格が、高いトウモロコシ価格のために上昇するのを人々が見れば、より多くの金が食料品バスケットのためにつぎ込まれることになる」とウェルス・ファーゴの農業エコノミストのマイケル・スワンソンは語った。「我々は天候が変わることを期待したが、だめだった」と述べた。
残念だが、トウモロコシが全米で死滅しつつある、ということはアメリカだけの問題ではない。
ビジネス・ウィーク誌は最近、アメリカのトウモロコシの運命は世界全体に影響を及ぼす、と指摘している。
アイオワ州で雨が降らない時、デモイン市がいらいらしだすだけではない。アディスアベバから北京に至るまでの食料買い付け業者が皆、アメリカのトウモロコシの収穫に影響を受けるのだ。アメリカは作物の収穫が少なければ暴動が起きる時代の世界のパンかごなのだ。・・・以下略
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以上は「ROCKWAY EXPRESS」より
今世界中で進行中の「地球大異変」による気象異常のために、食糧の生産に大打撃を与えつつある為に近い将来食糧不足になるのは明らかであります。世界的な食糧飢饉になりそうです。サラリーマン家庭でも土・日が休みな人は、これを利用して家族の食べる野菜やできれば米も栽培できるようにして於けば安心です。お金を出しても売ってくれない時代になろうとしているのです。戦後の物々交換時代になりかねないのです。 以上
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