世界の流れに取り残される日本ー(4/7)
ワシントンで痛感した
変わり行く世界と取り残される日本
討議に加わって、私が痛感したのは世界的な課題に世界のシンクタンクまでも当事者として取り組もうとする、世界の変化である。
しかし、それは次第に私自身の焦りに変わり始めた。世界は新しい秩序づくりに向かっているのに、日本の政治は、自分の国の課題や未来に関して意思決定さえできず漂流し続けている。この状況をまず変えないと、世界の変化に日本自体が本当に取り残されてしまう、と思ったからだ。
私がワシントンで、日本の置かれた厳しい現実を知ることになったのは、会議2日目の夕食の時である。国務省の次官(経済担当)のホーマッツ氏がその時のゲストスピーカーだった。
その際に、私は思い切ってこう質問してみた。
「日本は米国と同盟関係だが、首相は2年半もワシントンを公式訪問もできない。これは日本の国民としても理解しがたい。日米間に対話の空白があることをあなたはどう思うか」
その時の回答は、意外なものだった。次官は、日本政府との間に対話不足があることを認めた上で、こう私に語りかけたのでる。
「確かに日本政府との間には対話が不足している。しかし、これは別に日本だけの問題ではなく、新興国との対話で忙しくなっているためだ。ただ私は、日本政府よりもむしろ、あなたのようなNPOや日本の市民と対話を行うことのほうが大事だと考えている」
日本人の勇気ある質問に対するサービスもあったろう。ただ、アメリカ政府の高官が、政府よりも市民との対話を公然と期待する、その真意を私はつかみかねていた。
会場からの痛烈な質問
私がその意味に気付かされたのは、その翌日行われた外交問題評議会のパネルデスカッションの席上だった。私は、フランスとロシアのシンクタンクのトップと一緒にパネラーとして出席したが、司会者のこんな紹介に初めから面食らった。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
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