シリコンバレーが予測する10大トレンド (3/5)
シリコンバレーが予測する10大トレンド
――電気自動車の普及には時間がかかる?
5 テクノクラシーへのシフトが
急速に進む
テクノクラシー(Technocracy)はTechnologyとBureaucracy(官僚主義)を合成した新造語と考えられる。意味するところは、政府が少ない費用で効率的なサービスを提供するにはテクノロジーの活用が不可欠である。特に今の米国では政府の借金がGDPの100%になっており、公的資金の捻出が難しい。運転免許証発行業務、学校教育の効率悪さには多くの市民が不満を持っており、テクノロジーの活用が叫ばれている。
パネリストの意見は分かれた。問題は実現のスピードである。政府部門の改革は常に緩慢である。民間部門ではIT化することによって却って支出が増えている例もある。政治的なスローガンとしては理解できるが、現実には5年以内にこれが実現するとは思えない。政府は改革よりはドル紙幣を大量に印刷して、危機を乗り切ろうとするのではないか。参加者の反応は賛成45%、反対55%であった。
6 シリコンバレーは米国のマクロ経済とは
異なるサイクルで動いている
今のPCの原型ができたのが1976年。ブラウザが発明されたのが90年代。プラットフォームを大きく変える出来事は14-16年のサイクルで起きている。今、シリコンバレーは景気が良いが米国全体の景気は悪い。シリコンバレーの循環は米国の景気循環とは無関係に動いている。次の大きなプラットフォームの変革はこれから7年後ぐらいに起きるのではないか。その担い手となるのは現在7-12歳の子供達だろう。
パネリストは3対1で反対が多かった。賛成者のJurvetsonは、自分も検証したことがあったが、そのサイクルは16年だった。その原因にはベンチャー投資のブームと破裂があると推測されるし、世代交代が関係しているのかも知れない。原因を突き止めることはできなかったがサイクルは確かにある。
ムーアの法則がシリコンバレーのサイクルに影響を与えているとの意見も出た。ムーアの法則とは「半導体の性能が1年半で2倍になり、価格は1/2になる」というインテルの元社長ムーアが提唱した法則である。議論をしているうちにパネリストはムーアの法則の影響を否定できないが、これも確証はないということになった。参加者の反応は賛成48%、反対52%であった。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
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