NPOがビジネスの視点を持つ意味(2/4)
NPOは、民間企業以上にガバナンスを重視せよ。
非営利団体が「ビジネスの視点」を持つ意味
ただし、こうした様々な異業種とのコラボレーションを実現し、大きな社会変革を担うことは決してたやすいことではない。だからこそいま非営利団体は、民間企業以上にしっかりとしたガバナンス体制が重要となっている。NPOの活動が多面化、国際化すればするほど、そのガバナンス体制も強化され、多様になる必要があるのだ。
進化してきた
コペルニクのガバナンス体制
コペルニクのガバナンスを例に取って考えてみよう。2009年9月にアメリカで設立した当初は、僕ら2人の共同創設者に加え、開発援助業界のエキスパート、米財団のシニア・スタッフ、元官僚、ビジネス・コンサルタントで理事会のメンバーを構成していた。どちらかといえば、公共部門寄りの人選で、場所は日本、スリランカ、インドネシア、アメリカをスカイプでつないで理事会を行なっていた。
当初、共同創設者である僕たちはニューヨークに滞在していたが、その後インドネシアにベースを移し、その代わりにアメリカのボードメンバーを補強した。アメリカは個人・企業とも寄付市場が大きく、途上国向けイノベーションに非常にアクティブであるアメリカでのネットワーク維持・強化が必要だったからだ。
ハリウッドで『ダーティー・ダンシング』などのヒット映画を作っていたプロデューサー、ベンチャー・キャピタリスト、さらにマイアミ在住のビジネス・ウーマンが新たに参加。さらに、ビジネス・コンサルタントももう一人加わった。
その後、インドネシアでもコペルニクがNPO法人化するのに伴い、現地で貧困層向けのイノベーションに関わっている人たちにインドネシア法人のボードメンバーに入ってもらった。小規模水力発電を行なうIBEKAの代表、環境保全コンサルティング会社の創設者、大学でイノベーション人材の育成を行なう教授など、インドネシアのリーダーたちだ。
ガバナンスに欠かせない
フィードバックの重要性
途上国の問題解決をミッションとするNPOのガバナンスを設計する際、ビジネス寄りになりすぎると、資金の確保にばかり重点が置かれてしまい、ともすれば本来のミッションから乖離してしまう畏れがある。一方で、公共部門寄りになりすぎると、財務的視点が弱くなりがちだ。さらに、先進国寄りになりすぎると、途上国の現実と乖離してしまう。途上国よりになりすぎても、グローバル・リソースの活用から目が遠ざかる。つまり、これらのバランスをうまくとり、効果を最大化していくことが重要だ。
以上は「DIAMOND ONLINE」より
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