平家滅亡の経済学、密貿易だけで儲かるとは甘すぎる(2/5)
実は、当時も独占貿易体制は存在していました。
しかし、独占していたのは平家ではなく、朝廷です。
平安前期、菅原道真による遣唐使の廃止(894年)の後も、宋や高麗などの民間商人が日本を訪れていました。その輸入品の買い取りを朝廷が公的に独占していたのです。
その仕組みはたいへん朝廷本位のもので、まずは朝廷がすべての輸入品を吟味し、目ぼしいものは買い漁り、残った品なら民間が買ってもいい、というものでした。
また、朝廷による買取価格自体も、相場よりも安い値段でした。
さらに、価格だけでなく、決済方法も朝廷にとって都合のよいものだったのです。
具体的には、外国船の来航が許可されたのは国際貿易港である博多までで、そこから先については、まず博多で京都の朝廷から来た役人や大宰府(外交と防衛を管轄する役所)の役人が輸入品を受け取ります。
そして、博多に外国商人を待たせたまま、役人が京都に輸入品を持って行きます。それから、今度は朝廷の出納(現金の出し入れ)を扱う役人が博多まで購入代金を持って行って、ようやく外国商人に支払う、という流れでした。
(博多) (京都) (博多)
【モノの流れ】 外国商人→役人---→朝廷
【カネの流れ】 朝廷→役人------------→外国商人
ところが、平安中期には朝廷にお金がなくなり、大宰府が代わりに代金を払うことになります。
当然、しばらくすると大宰府にもお金がなくなるので、外国商人に対し購入代金をなかなか払わないようになります。
その結果、輸入品を受け取ったのに「奥州から砂金が献上されない」という理由で3年経っても代金を払わず、博多で待たされた宋商人のなかから餓死者が出る、というとんでもない事態も起きます。
以上は「現代ビジネス」より
« 3.11は原子爆弾によるテロだった、菅直人の記者会見に突撃! | トップページ | 今の哀れな日本は、ブッシューコイズミ時代に仕組まれた »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 政権に忖度するテレビ朝日に「株主提案」で問題提起 勝算はあるのか…田中優子さんに聞いた 注目の人 直撃インタビュー(日刊ゲンダイ)(2024.05.28)
- 言論統制が強化されている米国でFOXニュースのタッカー・カールソンが解雇に(2023.05.13)
- MGMが北米でMinamataを「葬ろうとしている」と非難する著名カメラマンのステファン・デュポン(2021.11.17)
- なんでテレビはこういうことを報道しないんですかね?wwwコロナの大嘘がばれるからですね。www(2020.11.24)
- 映画『テネット[TENET]』は警告している!(2020.10.25)
« 3.11は原子爆弾によるテロだった、菅直人の記者会見に突撃! | トップページ | 今の哀れな日本は、ブッシューコイズミ時代に仕組まれた »
コメント