NPOがビジネスの視点を持つ意味(3/4)
NPOは、民間企業以上にガバナンスを重視せよ。
非営利団体が「ビジネスの視点」を持つ意味
究極的に言えば、コペルニクの活動が貧困の削減に寄与していなければ、われわれの存在する意味は全くない。だからこそコペルニクは、テクノロジーをラストマイルにもっていくだけでは仕事は終わらない。本当にその場所で人々の生活の質が向上しているのか、さらには長期的な視点から、持っていったテクノロジーに改良の余地はないのか、を常に意識しながら活動をしている。
そこでわれわれは自ら「コペルニク・フェロー」という制度を作り、主に欧米のトップスクールの大学院生を現地プロジェクトに派遣し、「インパクト調査」を行なっている。また、第4回でも紹介した通り、サンダーバード国際経営大学院やコロンビア国際関係大学院などとも連携し、「インパクト評価」も行なっている。
さらには、テクノロジーがどのようにユーザーに受け入れられているかを知るために「フィードバック調査」も実施している。例えば、インドネシア製の調理用コンロは、5点満点中、平均3.5点の評価を受けている。その評価によるとこのコンロは、燃料効率が良いため、家で使う薪の量自体を減らせるという利点はあるものの、薪を小さく切らなければならないという手間が発生するところに、改良の余地があることがわかる。
戦略マップによる多面的な検証も
ただし、このようなプロジェクトの調査結果や評価結果を見ているだけでは、コペルニク自身が長期的にどのように成長し、どのようなアクションを行なっていくべきかは見えてこない。そこでわれわれは「戦略マップ」の枠組みを使って、多面的なパフォーマンス評価を行なう仕組みを作っている。
「戦略マップ」とは、ロバート・キャプランとデビッド・ノートンが開発したバランス・スコアカードを発展させたもので、短期的な財務指標だけでなく、顧客満足、内部プロセスや人材育成といった無形資産を定量的に戦略に組み込んでいくことにより、長期的視野に立った戦略立案と実施を可能にしたフレームワークだ。
実はこの多面的な戦略策定フレームワークは、少し形を変えて公共部門にも適用されている。実際に私が在籍した国連開発計画でも、このフレームワークをベースに、組織全体の計画づくりとパフォーマンス評価を行なう仕組みをデザインしており、私もその仕事に関わっていた。
そこでコペルニクでも、この戦略マップの枠組みを応用し、「ステークホルダーの満足」「内部プロセス」「組織能力」「財務管理」の4つの枠組みのなかで、具体的なターゲットを設定し、ボードメンバーの定例会を通じて定期的にパフォーマンスをチェックしている。
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