平家滅亡の経済学、密貿易だけで儲かるとは甘すぎる(3/5)
このような不利益を強いられる朝廷との貿易に対し、外国商人の間には不満が高まっていきます。
「密貿易」より「公貿易」のほうがひどかった?
一方、朝廷による買い上げで残った商品があります。
これを宋商人が民間、つまり寺社や貴族に売るとどうでしょう。当時ではかなり貴重な舶来品のため、みんなが我先にと群がりました。
もちろん、かなりの高値で売れます。
この結果、宋商人は「朝廷よりも民間に販売しよう」と考えるようになり、また民間側も「朝廷の介入を排除して購入たい」と思うようになるのは、必然的な流れといえるでしょう。
こうした動機で、日宋貿易が公的なものから、私貿易という名の「密貿易」に移ってゆくのです(*3)。
【公貿易】 外国商人 → × 大宰府 → × 朝廷
【密貿易】 外国商人 → ○ 寺社・貴族
いまの感覚だと、「密貿易」というと悪いことのように聞こえますが、実は朝廷の行う公貿易も十分問題があったのです。
父・忠盛登場---公文書偽造をしてまで役人を追い返す
こうして平安後期からなし崩し的に始まった密貿易。
「そうか! そこで平家が密貿易を独占して巨万の富を得るのだな・・・」
と推理した方もいるかと思います。
(*3)これと同時期に、不輸・不入の権(=租税免除・介入拒否の権利)を認められた荘園が全国的に広がったことで、朝廷の地方への統制が弱まってきたという事情もあります。
以上は「現代ビジネス」より
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