平家滅亡の経済学、宋銭普及の謎(4/6)
一方、宋銭は和同開珎とは異なり、その普及について朝廷の後押しは一切ありません。むしろ朝廷はその使用を禁止しています。(宋銭が公認されたのは、清盛の死からずっと後の、1226年のことです。)
それでは、宋銭が日本で普及した理由は、一体なんだったのでしょうか・・・?
よくある回答:「国際通貨説」は本当か?
ミステリーというだけあって、宋銭が普及した理由については、いまのところ定説はありません。
ただ、一般的には、
「当時、宋銭は国際的に通用する通貨だったから」
という説が最も知られています。いわゆる「国際通貨説」です。
たしかに、当時、宋銭は東アジアのみならず、東南アジアやペルシア、アフリカ方面でも使用されたと言われています。
国際的にも使える通貨だから日本でも使えると人々が信じ、すぐに通貨として信認した・・・歴史の本でも、こうした説明がよくされています。
しかし、それは本当でしょうか?
実は、同時期の隣国・朝鮮の統一王朝「高麗」では、宋銭はほとんど流通していませんでした。
当時の高麗は、政府が独自の貨幣(銀瓶貨(*2)・海東通宝など)をつくったものの、その流通に失敗。結局、米や布が交換手段として使われていたのです。
また、北宋を滅ぼした「金」、シルクロードに位置する「西夏」、そしてベトナム「李朝」などでは、宋銭が使われていました。(*3)
(*2)銀瓶貨は、「瓶」という字からもわかるとおり、びんの形をした貨幣です(実際にびんとしても使えます)。朝鮮半島がびんの形に似ているので、これを貨幣のモチーフとすることで民族意識の高揚や統一国家であることのアピールをする狙いがあったようです。ただ一般庶民には普及しませんでした。それは、形が使いづらかったからではなく、高額だったからです。
(*3)これらの国は、日本や朝鮮に比べて、もともと中国文化の影響力が強い地域にあったため、中国のマネで宋銭が自国内に流通することにも、それほど違和感がなかったのでしょう。
(*3)これらの国は、日本や朝鮮に比べて、もともと中国文化の影響力が強い地域にあったため、中国のマネで宋銭が自国内に流通することにも、それほど違和感がなかったのでしょう。
以上は「現代ビジネス」より
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