平家滅亡の経済学、日宋貿易の真相 (5/6)
博多綱首は日本と宋を往復する生活でかなり在地化が進んでおり、なかには日本人女性を妻とする者もいました。(*2)
その博多綱首たちが、宋から輸出し、船で運び、それを日本へ輸入してくれるわけですから、日本側に運送のリスクはなく、また信用力を把握しづらい中国と直に取引する必要もない。
つまり、「4.シー・ペリル(海固有の危険)」はもちろんのこと、「2.信用リスク」も博多綱首が負ってくれた、というわけです。
しかし、ここで一つの疑問が出てきます。
貿易における大きなリスクはすべて宋商人が負っている・・・となれば、そこから莫大な利益を得るのは日本人ではなく宋商人、ということになってしまいます。
当時の日本人はなぜ、自らリスクをとって貿易に参加する、という手段をとらなかったのでしょうか。
江戸時代より前の「鎖国」
日本人がこの貿易に参加できなかった理由、それは894年の菅原道真による遣唐使の廃止以降、朝廷が内向きな外交に終始した結果、大きな船を作る造船術や、安全に外洋を渡るための航海術が発達しなかったためです。
また平安中期以降は、宋などからくる海外商人の人数を限定して受け入れる制限貿易や、日本人が海外に出ることを厳しく禁じる「渡海の禁」など、完全ではないものの江戸時代の鎖国に近い政策を行っていました。
一方、隣の朝鮮半島の王朝・高麗は貿易に積極的でした。
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