平家滅亡の経済学、清盛式貿易革命(5/6)
「博多に来た宋商人から唐物を買う」・・・というこれまで当たり前だと思っていたシステムを打破し、まったく新しい貿易の仕組みを創りだそうと考えたのです。
決められたルールの上で、プレイヤーとして巧みに動く経営者もたしかに優秀ですが、自ら市場をつくり新しいルールを生み出す経営者にはかないません。
清盛が経営者として卓越している点、それはまさに、この構想力の大きさなのです。
神戸港に宋船が泊まるようになったのが1170年。その後、清盛はみずから宋船を購入し、厳島神社の参拝や源平合戦の際に使った・・・という記録があります。
本当はこの船で、平家主導、そして日本主導の貿易をすすめようと計画したのではないでしょうか。
しかし、実際にはそれが実現することなく、平家は滅亡しました。
貿易立国となるチャンスを逃した日本のその後・・・
平家の後を継いだ鎌倉幕府は、貿易についてはどちらかというと放任主義で、国家戦略的に貿易に取り組むことはありませんでした。
唯一、第三代将軍・源実朝は日本で宋船を作ろうとしますが、これは船が浮かばずに失敗。その2年後には暗殺されてしまいます。
その後、室町時代には、博多港に並んで堺港が貿易港として発達します。(*6)
しかし、この時代の貿易であった「日明貿易」は朝貢、つまり明の皇帝に贈物をする形で行われる貿易でした。民間商人も恩恵を被りましたが、必ずしも民間に開かれた自由な貿易形態ではありませんでした。
(*6)堺港は大阪の南にある、大阪湾に面した貿易港です。摂津国・河内国・和泉国の3国のほぼ境(さかい)にあるので、「堺」と呼ばれるようになりました。
以上は「現代ビジネス」より
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