「ロシアの対立の構図」の象徴となりつつあるプッシーライオット騒動
2012年09月01日
「ロシアの対立の構図」の象徴となりつつあるプッシーライオット騒動

▲ モスクワで消火器を街頭に噴出させながら曲を演奏するプッシー・ライオット。2011年。
下に動画があります。
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(訳者注) 今朝、海外の報道の見出しなどを眺めていましたら、英国の一流紙テレグラフに大きく「日本、10月に財政破綻か」というような見出しがありました。正確には「10月下旬にも日本の財源が枯渇する可能性があり、政府は予算削減を計画している」というものでした。
» Japan plans to cut state spending, could run out of money in a month
そんなことは知らなかったので「へえ」と思いましたが、こういうことへの驚きというのが全然ない自分に気づきます。今やどの国家が破綻してもさほど不思議ではないわけでもあり、また 2008年くらいからの「破綻するぞ破綻するぞ」の連続で麻痺しているのかもしれません。
それに加えて、最近は個人的に、自分の生きている「大きな環境」にやや失望なり疲弊していて、「なんかもうどうでもいいや」という感覚もあるせいかとも思います。
さて、それはともかく、今回の話題はロシアの女の子の話です。
いつの間にか「ロシアで最も世界の注目を集めるニュース」になってしまった女の子バンド騒動
ロシアの「プッシーライオット( Pussy Riot )騒動」という一連の出来事をご存じでしょうか。この1ヶ月ほどは、ロシアのメディアにこの名前が出ないことのほうが少ないほどのロシア国内では大きく取り扱われている事件ではあります。
どんな事件かというと、読売新聞の「「プッシー・ライオット」騒動って何?」から抜粋しますと以下のようになります。
プッシー・ライオットはモスクワを本拠とするロシアの女性だけのパンクバンド。プーチン長期支配体制を批判する政治的パフォーマンスをモスクワ中心の赤の広場などでゲリラ的に行ってきた。
内外に広く知られる存在になったのは今年2月。パフォーマンスをモスクワにあるロシア正教会「救世主キリスト大聖堂」で強行したからだ。「パンク祈願」と銘打ち、祭壇の前で「マリア様、プーチンを追い出して!」と叫び、祈願するパンク曲を演じた。
モスクワ地区裁判所で審理が始まったのは7月。以来、マドンナ、ポール・マッカートニー、スティング、ピーター・ガブリエルといったスターたちが「プッシー」支援を公然と表明し、無罪放免を求めたこともあり、世界の耳目を集めるようになった。
判決は8月17日。裁判長は「宗教的に憎しみをあおる不法行為。社会秩序を乱した」として22歳、24歳、30歳の3被告に対し、いずれも禁錮2年の実刑判決を言い渡した。
ロシアの世論調査では「プッシー」の行動を「支持する」と肯定したのは5%で、50%超が「支持しない」と否定した。30%強は「関心がない」と答えた。
ということで、下の3人の女性が、上に出てくる 22歳、24歳、30歳の3被告です。
逮捕後です。

残るメンバーは国外逃亡したという報道もあります。
最近では、「プッシーライオットを解放せよ」と殺人現場に被害者の血液で書き殴るという殺人事件がロシアで発生したりしています。
ロシア殺人現場に血のメッセージ、反プーチンバンド釈放求める
ロイター 2012.008.31
ロシアの捜査当局は30日、西部カザンのアパートで女性2人が刃物で刺されて死亡しているのが見つかり、現場に女性バンド「プッシー・ライオット」の釈放を求めるメッセージが血のようなもので残されていたと発表した。
死亡していたのは76歳の女性と38歳の娘で、ナイフで刺されて死亡した。台所の壁に血のようなもので「プッシー・ライオットを解放せよ」と記されていたという。
ということで、ヤバゲな展開にもなっているのですが、彼女たちの音楽そのものは、私は数曲しか知らないですし、ロシア語の歌詞もわからないですのが、音だけならごく普通の古式ゆかしいパンクです。
パフォーマンスも、「基本的にバンクの存在しない現在のロシアで、反体制をとなえている」から目立つだけで、30年前のイギリスやアメリカや、あるいは日本のライブハウスや街頭で普通に見られたようなもので、個人的には「懐かしさ」を感じます。
下の映像は私が1分程度に短く編集したプッシーライオットの演奏動画です。
Pussy Riot - Putin burns glamor (2011)
曲のタイトルはロシア語を英語にしたものですが、「プーチンが素敵なことを焼き払ってしまう」というような意味でしょうか。
ロシアでもソ連時代を含めて 20年くらい前まではパンクバンドもテクノバンドも数多くありましたが、今はあまりないのではないでしょうか。学生時代は、入手の難しい「ソ連パンク」のレコードを懸命に探したりしたものでした。
さて、今回、このプッシーライオットを取り上げたのは、このバンドに興味があるわけでもないし、彼女たちの音楽そのものに興味があるということでもないです。彼女たちが「ロシア人女性」であることを思った時に、ふと、3年くらい前のウェブボットの記述を思い出したのでした。
そのことを少し書きます。
ウェブボットに出てくる暴露と扇動と投獄のキーワードを持つロシア人女性
2009年4月に出されたウェブボットの ALTA レポート には「ある犠牲的な行い、ないしは暴露に向けて彼女の属するグループを扇動する役割を果たす人物である傷跡のあるロシア人女性」という人物が登場します。彼女は監禁された経歴を持ちます。
この「ロシア人女性」と「扇動」、そして「監禁」(投獄)。
こういうキーワードから、ふとプッシーライオット騒動を思い浮かべたりした次第です。
ウェブボットに出てくるそのロシア人女性のストーリーは、最終的には、「エイリアンとのコンタクト」というところにまで行き着きという、ものすごい展開を見せるのですが、そのロシア人女性の記述のある部分を少し抜粋してみます。
部分的な抜粋ですが、そのロシア人女性に関しての記述は膨大ですので、抜粋でも、多少長くなりそうです。
非対称型言語傾向分析報告書1309パート5 より
ウェブボット 2009年04月11日配信
・夏から秋にかけてある女性の象徴的なキャラクターが出現する。彼女は内部告発者との関連で出現するキャラクターである。さらにこの人物は、覚醒を目標とするスピリチュアリティーとの関連が深い人物でもある。
・ 彼女は身体の一部を「傷跡」のように形に塗っているか、または実際に「傷痕」があるのが特徴だ。この「傷跡」は、彼女が属する集団や拡大家族で彼女がどのように見られているのか表している。
・ この女性は、ある犠牲的な行い、ないしは「暴露」に向けて彼女の属するグループを扇動する役割を果たす人物である。
・この人物の存在が表に出てくることは、彼女の属するグループや家族、そして彼女自身にショックを与える。
・ 彼女はロシア出身で、ロシアで監禁されていた過去をもつ。
・「監禁」というキーワードは、地方や国家の刑務所、そして精神病院などと関係している。
・この人物は次の段階の世界経済の危機が始まるちょうど一週間前に姿を表す。なぜ彼女の出現が重要なのかというと、彼女は次の全世界的な金融崩壊が発生する少し前から影響力をもつようになるからである。
・彼女の存在は、企業ではなく個人が配信したビデオで広く知られるようになる。したがって彼女は主要メディアで有名になるわけではない。
・ またこの傷痕のある女性は、影の支配勢力が保有する膨大な情報のリークが発生するタイミングで現れる。
・傷痕をもつ女性が表に出てくる背景には、ある公の人物の存在がある。
・ さらに、彼女の存在が公になるとほぼ同じ時期に、渡り鳥の災難、また紫外線にやられ「汗をかく」ようになったトウモロコシや米の問題、さらに新たな金融危機が発生する。それは、夏の終わりから秋にかけての時期に起こる。
ウェブボット 2009年04月11日配信
・夏から秋にかけてある女性の象徴的なキャラクターが出現する。彼女は内部告発者との関連で出現するキャラクターである。さらにこの人物は、覚醒を目標とするスピリチュアリティーとの関連が深い人物でもある。
・ 彼女は身体の一部を「傷跡」のように形に塗っているか、または実際に「傷痕」があるのが特徴だ。この「傷跡」は、彼女が属する集団や拡大家族で彼女がどのように見られているのか表している。
・ この女性は、ある犠牲的な行い、ないしは「暴露」に向けて彼女の属するグループを扇動する役割を果たす人物である。
・この人物の存在が表に出てくることは、彼女の属するグループや家族、そして彼女自身にショックを与える。
・ 彼女はロシア出身で、ロシアで監禁されていた過去をもつ。
・「監禁」というキーワードは、地方や国家の刑務所、そして精神病院などと関係している。
・この人物は次の段階の世界経済の危機が始まるちょうど一週間前に姿を表す。なぜ彼女の出現が重要なのかというと、彼女は次の全世界的な金融崩壊が発生する少し前から影響力をもつようになるからである。
・彼女の存在は、企業ではなく個人が配信したビデオで広く知られるようになる。したがって彼女は主要メディアで有名になるわけではない。
・ またこの傷痕のある女性は、影の支配勢力が保有する膨大な情報のリークが発生するタイミングで現れる。
・傷痕をもつ女性が表に出てくる背景には、ある公の人物の存在がある。
・ さらに、彼女の存在が公になるとほぼ同じ時期に、渡り鳥の災難、また紫外線にやられ「汗をかく」ようになったトウモロコシや米の問題、さらに新たな金融危機が発生する。それは、夏の終わりから秋にかけての時期に起こる。
というものでした。
もちろん、上のウェブボットに出てくる傷のあるロシア人女性が、プッシーライオットだと言いたいわけではなく、ロシアで久々に「政治家以外で世界的に報道された人物が、人々を扇動する女性たちだった」という事実を興味深く感じたということかもしれません。
「予言」の括りではなく、その頃、私はウェブボットに出てくる潜在的な心理に潜む具体像にとても興味がありました。特に、その頃のウェブボットに繰り返し出てくることのひとつに、「世界を変えるキッカケとなる女性」というキーワードが存在しました。
そのことに今にいたるまで興味があります。
「この世を変える女性の存在」。
とはいえ、政治と関係なければ、プッシーライオットも少し応援したい感じでしたが、私個人としては、政治と関連した音楽はとても小さいのです。あるいは「反」なんとか、とか、「アンチ」何とかを表現している限り、その表現は極めて小さなものであると考えます。
このあたりは、埴谷雄高さんも「社会革命ではどうにもならないから、存在の革命に突き進んだ」と言っていますが、まあ、そんな感じなんだと思います。
若い頃に好きだったバンドは、「アンチ」の領域を次第に越えていき、最終的に「アンチ」という概念が消滅したバンドが多かったです。
アンチを表現する時期の最後あたりには、アンチ神だったり、アンチ宇宙だったりして、最終的に「アンチ存在」になったあたりの時点で、多くのバンドがアンチソングを放棄して、あとは流れに身をまかせる状態になるようです。
私は20代のはじめの頃に「あぶらだこ」という日本のハードコアバンクバンドが好きでしたが、彼らの 1986年の曲で、私の大好きだったものに下の歌詞があります。
あぶらだこ - 翌日(1986年)/ 歌詞
青い太陽はどこにでもいるし
宇宙のように生きたいと思うし
この2行だけが歌詞なんですが、確かにその1986年頃、私を含めて、多くの若者は「アンチ」に疲れていて、漠然としながら、「対立存在のない純粋な生き方の方向性」を求めていました。そして、上の歌が大好きだった私は「宇宙のように生きたいと思うし」とも感じていました。
破壊の果てに「宇宙のように生きたいと思うし」の願望は実現できるか? という疑問を解消するべく、その翌年、1987年に私は舞台での表現活動を始めました。
23歳の時でした。
活動の途中で死ぬかと思いましたが、生き残って年をとりました。
そして、今、私なども老境を迎えて、そろそろ人生を終えようとしているわけですが、その23歳の時の「宇宙のように生きたいと思うし」という部分に関してはあまり変わっていません。
というわけで、話がそれましたが、今回は最近のロシアの「プラウダ」のプッシーライオンに関する報道をご紹介します。日本の新聞でいえば、「社説」みたないコーナーで、「ロシアにおけるプッシーライオット騒動の高まりは危険な方向性を持つ」という内容です。
記事で読む限り、今起きているロシアでの出来事には「ロシアでのキリスト教と他の宗教の対立」も絡んでいることがわかります。
ここからです。
Pussy Riot hysteria in Russia takes dangerous form
プラウダ (ロシア)2012.08.30
ロシアのプッシーライオット・ヒステリーは危険なフォームを作っている

おぞましい犯罪がタタルスタン共和国から報告された。ふたりの女性が無残に殺害され、ふたりの遺体の近くには「プッシーライオットを解放せよ」と血で書かれたメッセージが残されていた。犯人はわかっていない。
また、タタルスタン共和国では、記念十字碑のいくつかが破壊された。これは、「人民の意志」と名乗るグループが「プッシーライオットへの判決に対しての復讐である」と、ロシア正教会に主張している。
ロシアのリペツク市にあるレーニン記念像は、何者かによって「プッシーライオット色」に落書きされた


▲ 落書きされたリペツク市にあるレーニン記念像。LR Newsより。
そして、ついには聖アレクサンドル・ネフスキーを含む聖者像が何者かによって盗まれてしまった。これは、特に聖なる対象をターゲットにしたと思われる。
(訳者注) アレクサンドル・ネフスキーとは、 Wikipedia によると、13世紀の中世ロシアの英雄として讃えられている人物だそう。下のようなアレクサンドル・ネフスキ像がロシアの各地にあるということのようです。
これらの行為は、まるで誰かが「無差別に発砲をはじめた」かのように見える。
一連の行為の標的が明らかにロシア正教であることがわかっており、現在、教会の建物等を守るための特別チームが編成されている。ロシアでは、誰でも、暴力に対して正当にそれを排除する権利を有している。
さて、イスラム社会を見てみよう。
いくつかの要因のため、このイスラム世界を揺さぶることは難しい。たとえば、タタルスタンからダゲスタンまでの地域で起きたイスラム教徒の指導者たちの暗殺の例を見てみても、イスラム社会が揺れるためには、より大きな要素が必要だ。
そして、地理的にみれば、タタルスタンからダゲスタンまでの地域は、これはロシア内のイスラム地域のすべてを含んでいるのだ。
ロシアの主要なふたつの宗教は、急進主義、あるいは過激化の方向へと動き出すという局面を迎えているのかもしれない。そして、政治勢力と社会グループも急進化している。
プッシーライオットへの判決に対しての抗議は、ロシアの公衆のシンボルに対しての無慈悲な行動の形で現れている。
こんな行為が何かを変えるとでもいうのだろうか?
ひとつの問題として、ロシアでは、膨大な数の犯罪が強制的な状況の中でだけ効果的に捜査されるという事実があるという問題がある。
(訳者注) この社説、訳しながら、どうも意味のわからない部分が多く、日本語としてやや不完全な感じがあり、申し訳ありません。
書いている記者も「ロシア人は誰でも知っていることの含み」を文字にしないで書いている感じがあって、ロシア人ではない私にはそのあたりがよくわかりませんが、少なくとも、ロシアにもキリスト教とイスラム教の対立「的」な問題が存在しているということのようです。
女の子パンクバンドのプッシーライオットが「つついてしまったポイント」は割と大きな傷として残る可能性もあります。
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[ウェブボット]に関連した過去記事:
活動を始めない太陽とそこから思い出すウェブボットの「太陽の病気」の記述
2012年05月16日
睡眠障害が地球レベルで拡大していることがイングランドの大学の大規模な調査で判明
2012年05月21日

▲ ガーナ、タンザニア、南アフリカ、インド、バングラデシュ、ベトナム、インドネシアの地方で「睡眠の問題」に関しての調査をおこなった結果。バングラデシュの地方の女性は 半数近くが何らかの睡眠障害を持っていることが判明。
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[1年前の In Deep ]
2011年09月01日の記事
・ヘルメスのエメラルド版(エメラルド・タブレット)

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[2年前の In Deep ]
2010年09月01日の記事
メキシコ湾の周囲で広がる「青いインフルエンザ」ブルーフルー
以上は「IN DEEP」より
このようなライブがロシア国内でできるようになったことは、それだけ自由が許されるようになったことでもあります。ライブだけなら良かったのに、ロシア正教の看板に落書きなどしたために逮捕されたようですが、これは仕方ない部分もあります。今の米国では、広場でライブなどとてもでないが認められません。そういう面では今では米国よりロシアの方が自由が認められているのが実態です。いつの間にか自由の国が逆転したようです。
特に米国は「9.11テロ」以後急速に警察国家化しています。ブッシュ政権の権力犯罪を隠蔽する為に取られた措置ですから当然の流れです。日本も「3.11テロ」以後、米国のあとを追って警察国家化しつつあります。言論統制されて、今ではネット情報を当局の都合悪い部分は勝手に消して、国民に真相が暴露されないように躍起になっています。特に野田自衛隊内閣になってから余計に酷くなっています。治安維持法施行寸前の状況になって来ています。これではいつか来た道になってしまいます。 以上
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