韓国政府・与党、性犯罪に「宣戦布告」
韓国政府・与党、性犯罪に「宣戦布告」
個人情報公開を2000年の事件まで遡及適用
住所の公開を番地やマンションの部屋単位まで拡大
韓国政府と与党セヌリ党は26日、性犯罪者の個人情報公開の適用対象を2000年の事件までとし、いわゆる「化学的な去勢」の適用を拡大するなど、性犯罪に対する総合的な対策を取りまとめる方針を固めた。セヌリ党はこの日「性犯罪に対し『宣戦布告』する。27日に首相や関係閣僚との会議を、また30日には政府・与党幹部による会議を行い、対策を打ち出す」と発表した。
(1)「化学的な去勢」の適用拡大
再犯の恐れがある性犯罪者に対し、性的な衝動を抑える薬物を投与する、いわゆる「化学的な去勢」は現在、16歳未満の児童に対する性犯罪を繰り返した重症の性的倒錯者(19歳以上)だけが対象となっている。昨年7月に関連法が施行されたが、要件が厳しく、対象者はまだ1人しかいない。
「性犯罪根絶特別委員会」の委員長を務める金姫廷(キム・ヒジョン)議員はこの日、ソウル・汝矣島のセヌリ党本部で記者会見を行い「(化学的な去勢を)全ての性犯罪者に適用できるよう、関連法を改正する。また、政府との協議を経て、薬物の投与に関する厳格な要件が果たして必要かどうか、検証し補完していく」と語った。
(2)個人情報公開、2000年の事件まで適用拡大
現行法では、児童や未成年者に対する性犯罪者は2006年以降、成人に対する性犯罪者は11年以降に判決が確定した場合に限り、個人情報公開の対象としている。
セヌリ党は「個人情報公開関連法が初めて制定された2000年以降に判決が確定した性犯罪まで、また懲役刑を言い渡された性犯罪だけでなく、罰金刑を言い渡された性犯罪まで、個人情報公開の範囲を拡大する」と主張した。また現在は、邑(日本の町に相当)・面(村に相当)・洞(市町村内の町、大字に相当)単位となっている住所公開の範囲を、番地やマンションの棟、部屋番号単位にまで広げる方針だ。
(3)性犯罪者の就業制限の拡大
現在、性犯罪者の就業制限の対象は「児童や未成年者を対象とする施設」に限定されている。これについてセヌリ党は、芸能プロダクション、児童や未成年者に関するイベントやプログラムを運営する機関、インターネットカフェなど「児童や未成年者の利用が制限されていない施設」にまで、適用範囲を拡大する方針を固めた。また現行法では、児童や未成年者、障害者に対する性犯罪については親告罪(被害者の告訴があった場合に限り処罰できる)から除外されているが、今後は成人に対する強姦(ごうかん)や強制わいせつ罪についても、親告罪から除外する方針だ。
また、わいせつ物の制作に対する量刑を「5年以上の懲役」から「10年以上20年以下の懲役」に引き上げるとともに、わいせつ物を営利目的で販売、貸与、展示する行為に対しても「10年以下の懲役」を適用する方針を固めた。
(4)政府、電子足輪対策を強化へ
一方、法務部(省に相当)は、性犯罪者や殺人、誘拐の前歴者に対し電子足輪を装着する際、住居や夜間の外出を制限するなどの「特別順守事項」をさらに厳格化する案を取りまとめる方針だ。
「特別順守事項」は、検察の請求により裁判所が性犯罪者などに対し電子足輪の装着を命じる際、同時に命じるもので、法律では「特定地域(被害者の自宅近くなど)への接近禁止」「夜間の外出制限」「住居制限」「特定地域(学校など)への立ち入り禁止」などが定められている。また法務部は、性犯罪で実刑判決を受けた受刑者や出所者を対象とした心理カウンセリングの回数を増やしたり、時間を延長するなどの案についても検討している。
宣政敏(ソン・ジョンミン)記者
以上は
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版より
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