キュリオシテイへの無関心を貫けない夏の夜
キュリオシティへの無関心を貫けない夏の夜
関連記事:キュリオシティの悲劇 (2012年08月08日)

▲ 米国の Space に掲載されたキュリオシティの撮影した写真。やはり、先日の記事で書いたように、「青」が目立つ気がします。
--
独立した記事にするほどの話でもないのですが、前振りに書くにしては写真などが多いですので、日曜の夜にこっそりとアップしておきます。
無人火星探査機キュリオシティについてのことです。
最近、何本かキュリオシティに関しての記事を書きました。
もっと直近のものは、
・NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
In Deep 2012年08月12日
などです。
上の記事などで「キュリオシティのことなど気にしない」と書きつつも、どうも気になって、ちょこちょこと NASA のキュリオシティのサイトを覗いてしまうあたり、「三つ子の魂100までも」という感じです(どういう感じだよ)。
いずれにしても、淡々と火星の写真を送り続けてくるキュリオシティ。
そして、「少し時間をおいてから」それを公開する NASA という図式は以前からと同じです。
先週からはパノラマ写真なども NASA は公開しています。
そのうちの一枚は、NASA のジェット推進研究所のアーカイブ・サイトにあります。
結構大きなサイズですので、ご注意を。
その中で、 8月17日に NASA がニュースリリースで公開した写真があります。
下の写真です。

特に差し障りのない写真に見えますが、火星写真探査のプロとして(どういうプロだよ)なんとなく違和感を感じました。ちなみに、この写真、現在はNASA のこちらのページでは上の写真はモノクロに変更して公開されています。
NASA の火星探査のことを書くと、どうも皮肉っぽい書き方になりますが、火星への中年ロマンを壊された私の恨みは大きいのです(笑)。お許し下さい。
さて、そこでちょっと実際のところを知りたくなりました。
大した時間をかけていない作業ですので、娯楽としてお読み下さい。
エフェクトの理由は?
NASA の火星の写真の「全体の色」そのものを変更しているのは以前からと同じですので、それは別にいいんですが、遠くの風景の霞みかたと手前の地表との分岐点が「妙にハッキリしているなあ」と思ったんです。
写真を「ちょった明るくしただけ」で、なんとなくわかりました。
上の写真を明るくすると下のようになります。

写真の中のモヤの入り方が不自然に感じられると思います。これは、中央のラインから上にかなり大ざっぱに「もや」とか「ヘイズ」などでの名称でのエフェクトをかけていると思います。
自然でのモヤ(砂嵐も含めて)はこのようにかからないでしょうし。
それにしても、背景をボカすにしても、もう少し境界のラインをぼかすのが普通で、このあたりにも何だか NASA の「もうどうでもいいや」という心境を感じます(ほーら、皮肉っぽい口調になってきた)。
だって、これ、Mac OSX 付属のプレピューという付属アプリで明るくしただけなのですよ。
ついでなんで、上のオリジナルを過去の経験から「多分、キュリオシティの撮影した本当のこの時の風景の色はこんな感じだろうな」と近づけたものが下の写真です。

大気が存在している場合、一般的に考えて空は青くうつります。
実際、1976年のバイキングの撮影した写真の火星の空の色は青が多かったですが、ローバー計画以降は、「火星は空まで赤い」ということになっています。
とはいえ、どうして、上のようなモヤみたいなエフェクトをかけたのかはわかりません。
いろいろと「モヤの向こうを見よう」と拡大したりしてみましたが、モヤがかかっていると難しいです。
下の写真は上の写真の一番左側のモヤの部分を拡大したものです。

確かにモヤの向こうには、複雑な地形のようなものは見えますけれど、普通の地形にも見えます。
それよりも、やはり緑が気になります。
拡大したり、露出をいじると、なんとなく緑が目立ちます。
下の写真はモヤのかかった部分を拡大したものです。

この間のこちらの記事の後ろのほうに書いた「地衣類(ちいるい)」の存在が頭をよぎります。
後ろの山は全体が緑なのかも。
そういえば、今回のキュリオシティには、火星地表の成分を分析するためのロシア製の「中性子検出器」というようなものが搭載されているのだそうで、それに関して、「ロシアの声」にこんな報道がありました。
この話を地球にたとえれば・・・どこかの何かが「地球のサハラ砂漠」に上陸した。
そして、その地で水の検知を始める。
その結果、
「地球の表面にはほとんど水がない」
という結論を得る・・・というような話では。
地球も、そして火星も結構広いんです。
どんなに(仮に)荒れた惑星でも、極点と大気(どんな組成の大気でも)がある限り、惑星全体が同じ環境ということはあり得ない。
そして、実際、ローバーというのは「遅い乗り物」なんです。
ずいぶんと長い時間走り続けても、十数キロとかしか走れない。
そういう意味でも、「何のために行っているのか」ということに関して考えざるを得ない部分があるのかもしれません。しつこいようですけど、バイキングと先代ローバーの調査で十分な気がするのです。
ちなみに、上の NASA のリンク先にあるパノラマ写真の遠くに、下のような風景があります。

これなんて、見ようによっては「川」にも見える。
違うと思いますけれど。
いずれにしても、私のように一度、疑心暗鬼になってしまうと、公式発表をすべて素直に受け取れなくなってしまいまして、それもどうかと思います。
素直になりたいけれど。
というようなことを、ちょっと書いてみました。
--
[火星]に関連した過去記事:
自分の視覚に素直な気持ちで火星を見てみる - ローバー・スピリットの贈り物
2012年02月13日

15年前から NASA で続けられている「火星からの隕石の中の古代生物」の調査
2011年11月15日
ありがとう、スピリット: 火星の真実を自らのボディで示してくれた無人探査機の引退
2011年05月26日
--
[1年前の In Deep ]
2011年08月19日の記事
・[地球の内なる太陽] Vol.1 - その意味


▲ 米国の Space に掲載されたキュリオシティの撮影した写真。やはり、先日の記事で書いたように、「青」が目立つ気がします。
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独立した記事にするほどの話でもないのですが、前振りに書くにしては写真などが多いですので、日曜の夜にこっそりとアップしておきます。
無人火星探査機キュリオシティについてのことです。
最近、何本かキュリオシティに関しての記事を書きました。
もっと直近のものは、
・NASA の火星無人探査計画が無駄な理由: 1976年にバイキングがおこなった火星地表の質量分析から 36年経って進化しない観念
In Deep 2012年08月12日
などです。
上の記事などで「キュリオシティのことなど気にしない」と書きつつも、どうも気になって、ちょこちょこと NASA のキュリオシティのサイトを覗いてしまうあたり、「三つ子の魂100までも」という感じです(どういう感じだよ)。
いずれにしても、淡々と火星の写真を送り続けてくるキュリオシティ。
そして、「少し時間をおいてから」それを公開する NASA という図式は以前からと同じです。
先週からはパノラマ写真なども NASA は公開しています。
そのうちの一枚は、NASA のジェット推進研究所のアーカイブ・サイトにあります。
結構大きなサイズですので、ご注意を。
その中で、 8月17日に NASA がニュースリリースで公開した写真があります。
下の写真です。

特に差し障りのない写真に見えますが、火星写真探査のプロとして(どういうプロだよ)なんとなく違和感を感じました。ちなみに、この写真、現在はNASA のこちらのページでは上の写真はモノクロに変更して公開されています。
NASA の火星探査のことを書くと、どうも皮肉っぽい書き方になりますが、火星への中年ロマンを壊された私の恨みは大きいのです(笑)。お許し下さい。
さて、そこでちょっと実際のところを知りたくなりました。
大した時間をかけていない作業ですので、娯楽としてお読み下さい。
エフェクトの理由は?
NASA の火星の写真の「全体の色」そのものを変更しているのは以前からと同じですので、それは別にいいんですが、遠くの風景の霞みかたと手前の地表との分岐点が「妙にハッキリしているなあ」と思ったんです。
写真を「ちょった明るくしただけ」で、なんとなくわかりました。
上の写真を明るくすると下のようになります。

写真の中のモヤの入り方が不自然に感じられると思います。これは、中央のラインから上にかなり大ざっぱに「もや」とか「ヘイズ」などでの名称でのエフェクトをかけていると思います。
自然でのモヤ(砂嵐も含めて)はこのようにかからないでしょうし。
それにしても、背景をボカすにしても、もう少し境界のラインをぼかすのが普通で、このあたりにも何だか NASA の「もうどうでもいいや」という心境を感じます(ほーら、皮肉っぽい口調になってきた)。
だって、これ、Mac OSX 付属のプレピューという付属アプリで明るくしただけなのですよ。
ついでなんで、上のオリジナルを過去の経験から「多分、キュリオシティの撮影した本当のこの時の風景の色はこんな感じだろうな」と近づけたものが下の写真です。

大気が存在している場合、一般的に考えて空は青くうつります。
実際、1976年のバイキングの撮影した写真の火星の空の色は青が多かったですが、ローバー計画以降は、「火星は空まで赤い」ということになっています。
とはいえ、どうして、上のようなモヤみたいなエフェクトをかけたのかはわかりません。
いろいろと「モヤの向こうを見よう」と拡大したりしてみましたが、モヤがかかっていると難しいです。
下の写真は上の写真の一番左側のモヤの部分を拡大したものです。

確かにモヤの向こうには、複雑な地形のようなものは見えますけれど、普通の地形にも見えます。
それよりも、やはり緑が気になります。
拡大したり、露出をいじると、なんとなく緑が目立ちます。
下の写真はモヤのかかった部分を拡大したものです。

この間のこちらの記事の後ろのほうに書いた「地衣類(ちいるい)」の存在が頭をよぎります。
後ろの山は全体が緑なのかも。
そういえば、今回のキュリオシティには、火星地表の成分を分析するためのロシア製の「中性子検出器」というようなものが搭載されているのだそうで、それに関して、「ロシアの声」にこんな報道がありました。
「キュリオシティ」が初報告、「火星には水がない」
VOR 2012.08.18
米国の火星探査機「キュリオシティ」が火星から初の報告を送ってきた。それによると火星にはほとんど水が存在していないことがわかった。この情報は「キュリオシティ」に搭載されたロシアの器械から得られたもの。
キュリオシティは11年11月に打ち上げられ、12年8月初旬に火星に到着した。現地での調査課題は火星における生命体の存在有無を確認することだが、その兆候として水の有無の確認は意味が大きい。
この話を地球にたとえれば・・・どこかの何かが「地球のサハラ砂漠」に上陸した。
そして、その地で水の検知を始める。
その結果、
「地球の表面にはほとんど水がない」
という結論を得る・・・というような話では。
地球も、そして火星も結構広いんです。
どんなに(仮に)荒れた惑星でも、極点と大気(どんな組成の大気でも)がある限り、惑星全体が同じ環境ということはあり得ない。
そして、実際、ローバーというのは「遅い乗り物」なんです。
ずいぶんと長い時間走り続けても、十数キロとかしか走れない。
そういう意味でも、「何のために行っているのか」ということに関して考えざるを得ない部分があるのかもしれません。しつこいようですけど、バイキングと先代ローバーの調査で十分な気がするのです。
ちなみに、上の NASA のリンク先にあるパノラマ写真の遠くに、下のような風景があります。

これなんて、見ようによっては「川」にも見える。
違うと思いますけれど。
いずれにしても、私のように一度、疑心暗鬼になってしまうと、公式発表をすべて素直に受け取れなくなってしまいまして、それもどうかと思います。
素直になりたいけれど。
というようなことを、ちょっと書いてみました。
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[火星]に関連した過去記事:
自分の視覚に素直な気持ちで火星を見てみる - ローバー・スピリットの贈り物
2012年02月13日

15年前から NASA で続けられている「火星からの隕石の中の古代生物」の調査
2011年11月15日
ありがとう、スピリット: 火星の真実を自らのボディで示してくれた無人探査機の引退
2011年05月26日
--
[1年前の In Deep ]
2011年08月19日の記事
・[地球の内なる太陽] Vol.1 - その意味

以上は「IN DEEP」より
米国NASAは、火星に付いて、何故か真相隠しをしているような疑いも持たせてしまう動きも感じられるようです。他国に先駆けて開発する為に、手の内を見せないことも考えられます。ロシアや中国それにインドも火星に乗り出そうとしていますので余計に情報を公開しづらくしているのかも知れません。 以上
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