マイナス金利の世界に踏み込むデンマーク(2/3)
これまでのところ、今回の動きの経済的影響はほとんど分かっていない。スカンジナビア諸国は7月に夏季休暇を取るため、デンマークの中央銀行には、信頼できる正規のデータがほとんどない。だが、当局者たちは、銀行に損失が発生したことを認めており、その額は推定で約3億クローネ(4000万ユーロ)に上るという。
デンマークの市中銀行は中央銀行に約2000億クローネの預金を預けている。デンマーク国立銀行は、銀行が当座預金――金利はゼロ――に預けられる金額の上限を230億クローネから700億クローネに引き上げたが、それでもまだ、銀行が実質的に中央銀行にお金を払って預けた資金の面倒を見てもらわなければならない部分がかなり残る。
銀行経営者も中央銀行の高官も、銀行は顧客にマイナス金利を負わせることができないため、これらの損失を穴埋めするためには貸出金利を引き上げざるを得ないと考えている。
マイナス金利の影響に悩む銀行
「(顧客の預金金利が)ゼロの時は、それ以上引き下げることはできない」「我々はその分を別の方法で回収しなければならないため、利ざやを増やして回収することになる」――。デンマーク最大の銀行ダンスケ銀行のCEO(最高経営責任者)、エイビンド・コールディング氏は今月こう述べた。
国債利回りもCD金利の後を追うようにマイナスに転じており、銀行が儲けを出す方法の1つが問題にぶつかっている。1度もマイナスになったことのなかったデンマークの2年物国債の利回りは、8月23日にマイナス0.22%まで低下した。
危険なのは、これが貸し出しの減少を通じて経済を傷つけることだ。だが、デンマークでは、住宅ローン金利が大幅に下がっていることで、その影響が相殺されている。公式の貸出金利――中央銀行の主要政策金利――も、0.2%とかろうじてプラス領域にとどまっているとはいえ、低下しているからだ。
アナリストらによると、今月入札される1年物住宅ローン担保債券の利回りは、先月の1%から低下して、約0.25%になると見られている。
コールディング氏は、消費者にとって、デンマークの住宅ローンのコストは異常に安いと指摘する。だが、外部の人間はそれでも、デンマーク経済に対する全般的な影響は有益であるより、むしろ有害だと考えている。
以上は「JB PRESS」より
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