マイナス金利の世界に踏み込むデンマーク(3/3)
「まるで量子物理学のようなものだ」と前出のクレッシン氏は言う。「金利はゼロまで下がってきて、政策は超緩和的だ。だが、ゼロを下回ると、銀行システムにコストを課すことになるため、ある意味では政策を引き締めることになる」
デンマーク国立銀行の当局者は、貨幣の流通量にも目を光らせている。これまでのところ、商業銀行はまだ当座預金にマイナス金利ではなくゼロ金利を適用していることから、人々が現金を貯め込む動きは見られない。
だが、中央銀行の高官は、CD金利が例えばマイナス1%まで低下した場合には、銀行も顧客に費用を負担させることを迫られるかもしれないと認めている。
他国の教訓にはならない?
ペッグ制を守るというデンマークの強い姿勢を考えると、特にECBが再び利下げした場合には、今後、一段と大きくマイナス領域に踏み込む可能性も排除できない。
だが、デンマーク経済の規模が比較的小さいことやペッグ制が存在することなどから、他国の中央銀行がデンマークの実験からどれだけ多くのことを学べるのか疑問を投げかける評論家もいる。
「ECBは何か教訓を得られるだろうか? 私の見るところ、それはあまりに無理がある」とクレッシン氏は話している。
By Richard Milne
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以上は「JB PRESS」より
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