平家滅亡の経済学、末法思想(5/8)
その謎の答えこそ、「宋銭」です。
宋銭は、銅製の貨幣です。そして、宋銭が大量に輸入されたことは、日本側の記録にも宋側の記録にも残っています。
経筒や仏具をつくるためにどうしても銅が欲しかった寺社勢力は、宋銭を"銅の原材料"として輸入したのではないか、と考えられるのです。
お金を材料に使うなんて信じられない・・・と現代人なら思うのでしょうが、前回お話したとおり、国産貨幣が廃れて久しい当時は貨幣に対する信頼が失われていました。
そのため宋銭を経筒などの仏具に代えることに対して、なんら躊躇はなかったと思われます。
一方、宋では、貴重な資源の国外流出を防ぐため、銅は禁輸品目でした。ちょうどこの頃には、雲南や広東にあった銅の鉱床も枯渇し始めています。1158年には、銅銭を鋳造するために銅製品の接収を命じるほど、銅が足りなくなっています (*2)。
もちろん、宋銭も禁輸品目になっています。宋銭が流出しやすい西方の国境付近の地域(四川など)では、住民の銅銭使用を禁止し、かわりに素材価値の低い"鉄銭"を使わせていたぐらいです。
しかし逆に、海に面した地域では銅銭は禁止されておらず、庶民の間にも流通していたので、そこから集めて国外に持ち出すのは難しいことではありませんでした。
それに目をつけた寺社勢力は、「銅製の経筒がほしい!」という高僧や貴族たちの要請に応じて、宋銭の輸入を始めたのです。
なぜ"銅"が一番人気だったのか?
これまでの説明で、みなさんの頭の中には「経筒=銅」というイメージができあがってしまったかもしれません。
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