猫のいない北朝鮮で、ネズミによる被害が甚大
「猫が絶滅してしまった北朝鮮」でネズミによる深刻な農作物被害が発生
(訳者注) 今年は台風や洪水、そして、猛暑、水不足、干ばつなど、両極端の自然災害が世界中で多いですが、それに加えて、「虫や動物による農作被害」も世界のいろいろなところから報告されています。
中国では、かなりの広範囲で「ヨトウムシ」という蛾の幼虫による大規模な農業被害が発生しています。下はその記事の抜粋です。
とのことで、様々な農作物などの「食糧被害」が拡大しているうようです。
本来は農業大国である「中国」で、たとえば、今のような農作状況の悪化の拡大が続くと、私たちにどのような影響があるか?
それは下の日経新聞の見出しでもおわかりかと思います。
つまり、「世界全体の食糧価格が上がる」のです。
上の大豆など、日本は納豆や豆腐など、日本人の日常の食事に欠かせないものに関わらず、自給率は6パーセントしかありません
▲ 大豆の自給率の推移。
私は納豆が好きで、年間で 200食以上は確実に食べていますが、納豆もそのうち「夢の食べ物」になってしまうかもしれません。
まあ、そんなわけで、いろいろな方面で今年は「食糧問題」というものがクローズアップされつつあるのですが、今回の北朝鮮のネズミ被害の「理由」について派考えさせられるところがありました。いろいろな理由が重なっているもののようですが、その中でも、
・山の木の伐採で天敵がいなくなった
ということや、
・中国製の殺鼠剤を使用したことで、猫までも多く死んでしまった
ということがあったのだそう。
今や北朝鮮のいくつかの地域では、ネズミの天敵が消えており、「ネズミの天下」となりつつあるようです。
中国製の殺鼠剤については本文にありますが、多分、強力すぎるのでしょうが、殺鼠剤を食べて死んだネズミを食べた猫までも死んでしまうのだそう。
それにより、「食物連鎖の一端が崩壊した」ということになったかもしれません。
もっとも、この現象は全世界のあらゆる生態系で見られるようにも思います。
記事は、自由アジア放送の韓国語版からです。
RFA Korea 2012.09.06
北、ネズミの群れによる食糧損失が甚大
▲ 北朝鮮の平壌市万景台(マンギョンデ)にある農場の収穫風景。
本年度の農作物状況が良くない北朝鮮の協同農場がネズミの集団の襲撃により莫大な損失をこうむっている。干ばつと台風で大きな被害をこうむった農民は今度は、ネズミの群れの襲撃に茫然自失していると現地消息筋が伝えてきた。
今年、相次ぐ自然災害での被害により、再び食糧難を心配しなければならない北朝鮮農民が、今度はネズミ群れの襲撃で苦境に立たされている。
まだ熟してもいないトウモロコシと豆の損失は並大抵のものではないと消息筋は口を揃える。
最近連絡がついた両江道(ヤンガンド)の消息筋は、「農作物状況も良くない上に、ネズミの群れまで出現しており、農民たちは心配している。一部農場では収穫が最初からないというほど大きな被害を受けた畑が多い」と語る。
これと関連して、咸鏡北道(ハムギョンブクド)の消息筋も、「咸鏡北道はトウモロコシ農作が基本なのに、前回の台風でトウモロコシが多く倒れ大きな被害を受けた。その時にも大丈夫だった畑も、今度はネズミの群れの襲撃により並大抵ではない損失が出ている」と話す。
消息筋によると、ネズミは毎年少なからぬ被害を与えるが、当局に手の撃ちようがなく、対処を放棄したことが今年のネズミの大発生の原因ではないかという。また、外貨稼ぎのために、当局が山の木を次々と伐採していることも原因かもしれないと述べた。
山の木がなくなると、フクロウのようなネズミの天敵動物たちが棲息地を失い離れてしまった上に、住民たちが金儲けのためにイタチやヤマネコなどのように、ネズミを食べてくれていた動物たちを次々と捕えて、その毛皮を中国に売ったことにも原因はあるという。
さらに、ネズミを殺すために住民たちが使用した中国産の殺鼠剤(猫いらず)によって、ネズミの天敵である猫が死んでしまうという農民たちはまさに泣きっ面に蜂という状況となっている。
この殺鼠剤で死んだネズミを猫が食べると、その場でその猫も死んでしまうという二次被害がひどく、今やその中国産の殺鼠剤により、北朝鮮では「猫が滅びてしまった」かのように、猫を見かけないという。
北朝鮮当局は、2006年からこの中国産の殺鼠剤の使用を禁じている。
咸鏡北道の消息筋によると、最近のネズミによる食糧損失は毎年40万トン以上にのぼることが明らかになったという。
また、両江道の消息筋は「南朝鮮(韓国)では野良猫が多く問題となっている」という話をきいて、「冗談ではなく、その猫を北朝鮮に送ってほしい」と言った。
中国では、かなりの広範囲で「ヨトウムシ」という蛾の幼虫による大規模な農業被害が発生しています。下はその記事の抜粋です。
食糧生産地で大規模な害虫被害 「10年ぶりの被害」=中国華北・東北
大紀元 2012年8月16日
▲ ヨトウムシ。
最近、中国の華北、東北などの食糧主要生産区の一部の地域で大規模な害虫による被害が発生しており、トウモロコシや稲穂などがヨトウムシに食い尽くされ、収穫が絶望的な状態になっている。
中国当局が提供したデータによると、8月上旬、内モンゴル、河北、北京、天津、山西などではヨトウムシが爆発的に発生し、トウモロコシ、穀類、稲などの農作物の脅威となっている。
ヨトウムシはヨトウガの幼虫で年2回、地域によっては3回発生し、孵化した幼虫は群生して食物に被害を加える。非常に広食性で、中国では麦、稲、粟、トウモロコシ、綿花豆類、野菜など16科100種類以上の植物が挙げられる。
とのことで、様々な農作物などの「食糧被害」が拡大しているうようです。
本来は農業大国である「中国」で、たとえば、今のような農作状況の悪化の拡大が続くと、私たちにどのような影響があるか?
それは下の日経新聞の見出しでもおわかりかと思います。
つまり、「世界全体の食糧価格が上がる」のです。
上の大豆など、日本は納豆や豆腐など、日本人の日常の食事に欠かせないものに関わらず、自給率は6パーセントしかありません
▲ 大豆の自給率の推移。
私は納豆が好きで、年間で 200食以上は確実に食べていますが、納豆もそのうち「夢の食べ物」になってしまうかもしれません。
まあ、そんなわけで、いろいろな方面で今年は「食糧問題」というものがクローズアップされつつあるのですが、今回の北朝鮮のネズミ被害の「理由」について派考えさせられるところがありました。いろいろな理由が重なっているもののようですが、その中でも、
・山の木の伐採で天敵がいなくなった
ということや、
・中国製の殺鼠剤を使用したことで、猫までも多く死んでしまった
ということがあったのだそう。
今や北朝鮮のいくつかの地域では、ネズミの天敵が消えており、「ネズミの天下」となりつつあるようです。
中国製の殺鼠剤については本文にありますが、多分、強力すぎるのでしょうが、殺鼠剤を食べて死んだネズミを食べた猫までも死んでしまうのだそう。
それにより、「食物連鎖の一端が崩壊した」ということになったかもしれません。
もっとも、この現象は全世界のあらゆる生態系で見られるようにも思います。
記事は、自由アジア放送の韓国語版からです。
RFA Korea 2012.09.06
北、ネズミの群れによる食糧損失が甚大
▲ 北朝鮮の平壌市万景台(マンギョンデ)にある農場の収穫風景。
本年度の農作物状況が良くない北朝鮮の協同農場がネズミの集団の襲撃により莫大な損失をこうむっている。干ばつと台風で大きな被害をこうむった農民は今度は、ネズミの群れの襲撃に茫然自失していると現地消息筋が伝えてきた。
今年、相次ぐ自然災害での被害により、再び食糧難を心配しなければならない北朝鮮農民が、今度はネズミ群れの襲撃で苦境に立たされている。
まだ熟してもいないトウモロコシと豆の損失は並大抵のものではないと消息筋は口を揃える。
最近連絡がついた両江道(ヤンガンド)の消息筋は、「農作物状況も良くない上に、ネズミの群れまで出現しており、農民たちは心配している。一部農場では収穫が最初からないというほど大きな被害を受けた畑が多い」と語る。
これと関連して、咸鏡北道(ハムギョンブクド)の消息筋も、「咸鏡北道はトウモロコシ農作が基本なのに、前回の台風でトウモロコシが多く倒れ大きな被害を受けた。その時にも大丈夫だった畑も、今度はネズミの群れの襲撃により並大抵ではない損失が出ている」と話す。
消息筋によると、ネズミは毎年少なからぬ被害を与えるが、当局に手の撃ちようがなく、対処を放棄したことが今年のネズミの大発生の原因ではないかという。また、外貨稼ぎのために、当局が山の木を次々と伐採していることも原因かもしれないと述べた。
山の木がなくなると、フクロウのようなネズミの天敵動物たちが棲息地を失い離れてしまった上に、住民たちが金儲けのためにイタチやヤマネコなどのように、ネズミを食べてくれていた動物たちを次々と捕えて、その毛皮を中国に売ったことにも原因はあるという。
さらに、ネズミを殺すために住民たちが使用した中国産の殺鼠剤(猫いらず)によって、ネズミの天敵である猫が死んでしまうという農民たちはまさに泣きっ面に蜂という状況となっている。
この殺鼠剤で死んだネズミを猫が食べると、その場でその猫も死んでしまうという二次被害がひどく、今やその中国産の殺鼠剤により、北朝鮮では「猫が滅びてしまった」かのように、猫を見かけないという。
北朝鮮当局は、2006年からこの中国産の殺鼠剤の使用を禁じている。
咸鏡北道の消息筋によると、最近のネズミによる食糧損失は毎年40万トン以上にのぼることが明らかになったという。
また、両江道の消息筋は「南朝鮮(韓国)では野良猫が多く問題となっている」という話をきいて、「冗談ではなく、その猫を北朝鮮に送ってほしい」と言った。
以上は「地球の記録」より
自然には、余計なものは存在しないという現実を見せられた感があります。目先のことで人間に不必要なものは排除したのはよいが、後で、後悔するようなものです。今の地球は、人間に都合良いように使われており、その他の動植物の都合は余り考えていないようです。これは必ず後日、人類は後悔することになるでしょう。それが分かった時には既に遅しと言う事になりそうです。 以上
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