平家滅亡の経済学、清盛の二大事業(2/5)
地元では、この音戸の瀬戸の開削が、清盛の業績として知られています。本州(警固屋)と倉橋島(音戸町)の間を大規模な工事で切り開くことにより、干潮時には陸続きになっていた海峡を常時船が通れるようにした、と言われています。
この音戸の瀬戸には、「工事をその日のうちに終わらせるため、清盛が沈んでいく夕日を招き返した」という伝説があります。そのとき清盛が立ったとされる岩には「日招岩」という名がつけられ、現地の観光名所になっています。
そして、この海峡はいまでも多くの船が行き交い、両岸70メートルを片道3分で結ぶ日本一短い航路「音戸の渡し船」も通っています(*2)。
しかし、この音戸の瀬戸の開削には、大きな謎が2つあるのです。
ひとつは、「地元には多くの伝承があるにもかかわらず、当時の文献には記録がまったく残っていない」ということ。
もうひとつは、地図を見るとわかるのですが、わざわざ音戸の瀬戸を通らずとも少し南には瀬戸内海が開けているということ。つまり、「博多~神戸間の瀬戸内海航路を考えたとき、音戸の瀬戸を整備する必要性が特にない」のです。
この2つの謎があるために、「音戸の瀬戸における清盛の業績すべてがフィクションである」と捉える人もいます。その立場からは「実際には、地元の豪族が住民の利便性向上のために開削をしたのではないか」とか、「そもそも開削をする前から船が通れるだけの幅と深さがあったのではないか」といった見方がされています。
2つを結ぶ中間点「太田川河口」
---しかし、私にはすべてがフィクションだとは思えません。
地元に数多くの伝承が残っている以上、清盛はこの地域でなんらかの事業を行ったはずです。
そこで、先述の2つの謎に立ち返ってみましょう。
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