平家滅亡の経済学、清盛の二大事業(3/5)
まず、「本当に音戸の瀬戸を整備する必要性がなかったのか」について考えてみます。
もし仮に清盛が音戸の瀬戸を整備し、船が常時海峡を通れるようになったとします。
すると、東からは先に出てきた安芸の宮島・厳島神社に遠回りせずに行くことができます。
「なんだ、自分が厳島神社へ参拝に行きやすくするためだったのか」と思うかもしれません。
しかし、そのためだけに多大な費用をかけて工事を行うのは非現実的です。なんといっても、清盛はこの工事をすべて私費で行っているのです。
いったい、厳島に向かうルートが変わることで、どんな利益があるのでしょうか?
もちろん、船の進路がより陸地に近くなるため補給を受けやすい、海賊を避けることができる・・・といったメリットも考えられますが、それだけでもやはり費用対効果が乏しいでしょう。
では、大工事をしてでも引き合う「重要なメリット」とはなんだったのか?
---そのカギは、音戸の瀬戸から厳島へ行く途中の中間点にある「太田川河口」です。
太田川河口は、音戸の瀬戸を通過し、厳島に向かって陸沿いに広島湾の奥まで進んだところにあります。ここには太田川の水運により上流の中国山地から、さらには石見(島根県西部)からも、年貢や良質な材木、鉄などが集まっていました。
特に材木は、安芸榑(くれ)が特産品と知られ、これは船を造る材料に適していました。
そうです。清盛は、この太田川河口の豊かな物資に目をつけ、平家の水軍や貿易を支えるために利用しようとしたのです。
清盛と「瀬戸内海の秘密基地」
謎の1つであった「音戸の瀬戸を開削する必要性」もここにあります。
この太田川河口を"造船を主力とした工業地域"として発展させるため、東に音戸の瀬戸、西に厳島を守りの要として据えたのではないでしょうか。
以上は「現代ビジネス」より
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