平家滅亡の経済学、清盛の二大事業(5/5)
この1894年から1895年にかけての約8ヵ月間、太田川河口つまり広島が、臨時の首都としての機能を果たしたのです。それ以来、広島は多くの軍需工場を有する軍都として発展していきました。
そして、音戸の瀬戸。
明治時代、この近くに帝国海軍の第二海軍区鎮守府(全国を5つに分けた海軍区のひとつ)ができ、日本有数の軍港が誕生します。
現在の海上自衛隊呉基地です。
音戸の瀬戸は大変狭い海峡ですが、その狭さが呉を"守りに適した天然の要害"としたのです。
清盛が立ったとされる「日招岩」がある場所には、明治時代に砲台が置かれます。一方、厳島にも広島湾防衛のための砲台がいくつも築かれています。
清盛が重要視したこの2つの地点は、広島を守る要としての役割を果たしたのです。
また、呉では明治以降、現代まで造船が盛んになります。
呉海軍工廠においては「戦艦大和」などが建造され、東洋一の軍港・日本一の工廠として知られていました。
呉という地名の語源は、あの材木の安芸榑(くれ)である、と言われています。
太田川河口に拠点を設け、厳島と音戸の瀬戸を守りの要とし、造船を主力とした工業地域をつくる---清盛が果たせなかった秘密の構想が、何百年も経った後に現実のものとなったのです。
清盛の先見性には、驚かされるばかりです。
著者:山田 真哉
『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』
(講談社刊、税込み1,365円)
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以上は「現代ビジネス」より
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