平家滅亡の経済学、清盛痛恨のミスは「季節風」(5/7)
しかしこれは応急処置にすぎません。膨らんでいく銭貨出挙の経済規模に追いつかず、また同様のバブル状態に陥ることは目に見えていました。
ところが、不思議なことに、翌年1180年から1187年までの間、銭貨出挙を含めた宋銭の問題は、朝廷でもまったく議題に上らなくなります。
もちろん、この間には「治承・寿永の乱」が起きていたので、議論する余裕がなかった・・・という事情もあります。
しかし、実のところは、「銭の病」自体が急速に終息し、「多額債務者問題」も「銭バブル」も解消してしまったのではないか、と思えるのです。
なぜ、大問題であった「銭の病」があっさり解決してしまったのでしょうか?
---それは、「寒冷期」の影響でした。(最終章第1回4ページ参照)
「銭の病」が流行った翌年1180年から、気候変動による天変地異が続いたのです。
4月には塵旋風(じんせんぷう、辻風とも呼ばれます)が京都で発生し、屋敷も民家も壊滅的な被害を受けます。
続いて西日本では夏には干ばつ、秋には大凶作による飢饉がおきます。
そして、翌年1181年には、鴨長明の『方丈記』に
「春・夏に干ばつ、秋には大風・洪水など、災害ばかり続き、作物が全く実らなかった」
と描かれた「養和(ようわ)の大飢饉」が発生します。
これまでも、災害や飢饉が起こることはありましたが、あくまで一時的、地域的なものでした。これほど立て続けに、しかも全国規模で被害が出る状況は、誰にとっても想定外だったのです。
では、飢饉になると、経済的にはなにが起こるのでしょうか?
デフレから逆転、一気に「ハイパーインフレ」へ
飢饉が起きると、わずかばかりに獲れた米が貴重になるので、米の価値が急上昇します。
以上は「現代ビジネス」より
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