DEVIL INSIDE
Devil Inside
2013/04/03 00:05TPPとは圧倒的暴力を背景に他国市場を獲得するという国際法に抵触した侵略行動であり、明治の開国以来この社会が膨大な労力と犠牲の上に積み上げてきた公共資本一切の略奪であり、それは国家の存立基盤である全ての権益放棄を通告した「ハルノート」に等しく、つまるところ国家主権の委譲要求に他ならない。
原発事故が絶望的に農地と漁場を縮減させているにかかわらず、補助金漬けの安価な食品を輸入して生産者を壊滅させ、膨大な疾患群が予示される状態で医療・保険分野に市場原理を導入しようとしているのだから、この国は地球上で最も狂っている。
有事において食料は戦略物質に転化することから、EU各国は戸別保障によって生産者の保護を徹底しているのだが、我々は食料自給とともにセキュリティ(国家安全)すらも遺棄しようとしているわけだ。
悪夢的に構造の再編成が引き起こされる最中においても、左翼の存在感は無く、右翼は朝鮮人や中国人たたきに腐心しつつ、ひたすら白人種には媚びへつらうのだから、対立の視点を根本的に取り違えている馬鹿な連中であり、我々の思想言論は不毛なのだと思う。
洞察には会計制度や社会資本フローへの理解が不可欠であり、こうした知的負荷を忌避する性向によってワンスローガン政治や差別主義に傾斜するのだろうが、連中の薄っぺらなナショナリズムこそが反日であり、先の大戦で亡くなられた方々への冒瀆ではないのだろうか。
スカルノの理説どおり、60年代以降の世界は武力ではなく金融をツールとする新植民地政策によって再分割されているのだが、資本勢力は巧みに各国との相互浸透を果たし、支配構造は隠蔽され不可視的であり、市場の膨張主義は多国籍企業による「非公式の帝国」を絶対化し、我々の体系もその版図に飲み込まれようとしている。
売国はビジネスモデルとして熱狂を惹起しているのだが、メディアはこのトレンドによる自己利益の最大化を目論んでいるのであり、破滅的な条約加盟の正当化言説、侵略本質を隠蔽したコンテンツ群による撹乱、自由貿易を肯定する世論調査の捏造など、一切は彼らが多国籍資本の下部構造である証左に他ならない。
つまり、「計画的に情報を供与また流布することにより、対象の国家や組織の意志決定に影響を及ぼし、軍事・政治的目標を達成する」というStrategic Military Psychological Warfare(戦略的心理戦)が実践されていると捉えるべきだろう。
マスコミの主用クライアント(広告主)である経団連企業の過半数株式が外資に制圧されているのだから、彼らが外国人投資家の利潤を最大化する世論誘導に狂奔するのは当然であり、あらためてメディアとは国民の幻惑をミッションとする呪縛装置であると認識しなくてはならない。
換言するならば、この国においては公共の言論者がグローバル資本の利益代弁者と化し、コンプラドール(買弁)としての地位を競い合っているわけだ。
TPP(関税障壁の撤廃)とはミルトン・フリードマン理論(市場原理主義)の核心であるわけだが、それは労働者の非正規化、教育・医療・福祉の削減、フラット税制(消費税)の強化、大企業の税制優遇と不可分であり、つまり「ワシントン・コンセンサス」という米国のヘゲモニー・プロジェクト(覇権計画)の本質であり、民衆が獲得した労働件や生存権の解体により、全面的に社会資本を略奪する地球規模の犯罪であるわけだ。
教育支出や生活保護費の削減、医療費の負担倍増、年金支給年齢の引上げ、正社員の解雇容易化などが推進されているとおり、TPP加盟にむけて多面にまたがる制度解体が進行しているのであり、それはグローバリストによるフォーマット化であり、新たな次元展開に他ならない。
繰り返すが、このように抑制された社会資本は国庫に集約されるのではなく、輸出税還付など各種税制優遇によって多国籍企業の利潤として付け替えられるのであり、また彼らは納税義務を果たすこともなく、利潤の一切を本国へ送還するのだから、莫大な国富の流出により財政破綻は加速するのであり、つまり我々の体系は民間と公共という双方のセクターから完全な挟み撃ちとなり、植民地の体系として終焉することが決定論的に運命付けられたと言えるだろう。
このような社会改変が生存権を脅かすことが明らかであることから、ラテン・アメリカ各国では抵抗運動が勃発し、軍事政権がこれに対し「汚い戦争」と称される粛清を決行したのだが、犠牲となったジャーナリストや左派系の市民は推計3万人規模に達するという。
同じく鄧小平がフリードマン主義による改革を実行した中国においては、「天安門事件」を契機として約4万人が粛清となり、以降は組合活動などが厳戒に鎮圧され、さらに米軍が実効支配するイラクでは、油田や公営企業など国家資本が略奪されたことから市民はレジスタンスに参画しているのだが、開戦以来の犠牲者はすでに65万人を突破している。
世界を平準化する狂騒のイズムは壮絶な暴力衝動を孕んでいるのだが、つまるところ人間の意志や理性、あるいは愛他的行為が最大の参入障壁なのだろう。
これに対し、日本国という体系においてはメディアが主導する反知識主義によって、国民の趨勢は未だ何が進行しているかのすら理解できないのであり、膨大な端末機器が氾濫しながら劣化した知性は情報を意味化できないのであり、抵抗の動機や意味すら見いだせないのであり、つまり彼らはなんらの暴力装置を起動させる必要もなく、規格化された我々の支配は、あたかも飼育された家禽と同等にたやすい。
デ新
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COMMENT LIST
【TPPへの布石】 by kita
BSEも規制緩和だとか、案の定TPPへの布石が着々と進んでますね。
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/bse/index.html
もちろん、緩和をした当の本人は安全な肉を食しているのでしょう。
(もっとも、家畜肉の由来を知れば食欲は減退するのですが)
「汚い戦争」ですか。
渡部悌冶さんも「ユダヤは日本に何をしたか」の著書の前文で「決してクーデターを起こしたり加わってはならぬ。それはユダヤの計画によるものだからである」と述べています。今の日本人にクーデターを起こせる気力も無いのでしょうがクーデターで解決できるほど甘くは有りませんよね。如何に沸々と内なるエネルギーを蓄え、噴火に当たっては非暴力で行動を起こすべきでしょう。
ダメなものはダメと言い、与えられた選択枝に責任を持って投票し、マスコミの不正には声を上げる。
こんな事しか思い浮かびませんが、その訓練としてyukinoさんのようなブログを応援する事では無いでしょうか。
このブログをご覧の方も多いと存じます。
コメントを寄せる事がそれに繋がると思いますよ。
【kita さん】 by Yukino
このブログも所詮はサイバーカスケード(ネットの小さな局所化)ですから、何の影響力もないですよ。自分自身、言論で世の中を変えようとも、変わるとも思っていないし、啓蒙目的で運営しているのではないです。おそらく、この国は行くところまで行くしかないでしょう。
【】 by 吉田豊昭
太字の文
犬も歩けば、棒に当たる。
どうやら、棒に当たったようです。
貴兄の明確で、的確で、無駄の無い論説に感動しました。
おまけに情報系の仕事の経験をお持ちとは、
やはり、これからは情報化社会です、情報の素養があった方が良いでしょう。
私は、情報化社会構築を目指していますが、情報化社会が構築出来たら、お金は要らなくなるでしょう。
ロスチャイルドの世界統一政府は意味をなさなくなると考えています。
極論すれば、情報化により、個々人が造幣局を運用できるでしょう。
銀行は、要らないし、あっても、お金(=糞いじり)の悪趣味の遊び場として、人々から軽蔑され、塀の中に閉じ込められるでしょう。
これは、実現できます。 ♪( ´▽`)
http://tekamaru.iza.ne.jp/blog/entry/2172980/
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
【吉田豊昭 さん】 by Yukino
ITは資本規制の緩和やデリバティブと同期して、各国のマネーを桁違いに集約し、略奪する地球規模のプラットフォームなのですけどね。貴方は何も理解していないのだと思います。
Close △
以上は「独りファシズム」より
TPPは我々にとっては、余命が少ないので、余り騒ぎたくない気持ちですが、これからの子孫のことを考えると一言いいたくなるものです。平成の不平等条約になることは明白なのにそれを推進する気持ちが理解出来ません。いずれは国境がなくなる時代になる方向は間違いないことですが、しかしそこへの移行過程は軟着陸が好ましいのです。以上
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